猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

アンテベラム

2023-01-11 21:44:17 | 日記
2020年のアメリカ映画「アンテベラム」。

南北戦争前夜のアメリカ南部。ある綿花工場では黒人奴隷たちが過酷な
労働を強いられ、虐待されていた。奴隷の女性エデン(ジャネール・モ
ネイ)は、ある悲劇をきっかけに仲間と共に脱走計画を立てる。一方、
現代のアメリカ。人気作家で社会学者でもあるヴェロニカ(ジャネール
・モネイ/2役)は新しい本の出版記念イベントに参加すべく、ニューオ
リンズを訪れていた。友人たちとのディナーの後、ヴェロニカは愛する
家族の元へ帰ろうとするが、その途中、ヴェロニカは誰もが予想しなか
った事態に巻き込まれる。

異色のサスペンス・ミステリー。アメリカ南部、ある綿花工場では黒人
奴隷たちが白人の主人たちの監視下で過酷な労働を強いられていた。奴
隷の1人である女性・エデンは、仲間の悲惨な死をきっかけに別の仲間
と共に脱走計画を立てる。一方、現代のアメリカ。作家で社会学者でも
あるヴェロニカは、優しい夫と幼い娘と幸せに暮らしていた。ある日ニ
ューオリンズでの講演会を成功させ、友人たちとのディナーを楽しんだ
直後、何者かによって拉致されてしまう。
物語は現代と過去が交錯しながら進んでいく。南北戦争前夜のアメリカ
南部の綿花工場では、「白人の主人たちに話しかけられない限り、黒人
奴隷は言葉を発してはならない」というルールが存在していた。ある日
奴隷のイーライ(トンガイ・キリサ)は妻と共に農場から脱走を図ったが、
主人たちに見つかってしまう。彼に対する罰として、主人たちはイーラ
イの目の前で妻を殺害した。また、主人たちは2人の脱走を手助けした
エデンに対してひどい暴行を加えた。
白人の主人たちによる黒人奴隷への虐待がひどく、実際にこういうこと
が行われていたのだと思うと、痛ましいとしか言えない。私はエデンは
ヴェロニカの前世なのかと思いながら観ていたが、後半になって驚くべ
きことがわかる。え、どういうこと?と思うが、だんだんからくりがわ
かってくる。そのアイデアや演出が秀逸だと思った。後になって考える
と伏線がいくつかあったなと思う。奴隷制度は廃止されても、黒人差別
はなくなっていないということだ。とにかく脚本だとても良くできてい
ると思った。予備知識なしで観て欲しい映画。



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コメント (10)
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