猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レイジング・ケイン

2021-03-10 22:39:00 | 日記
1992年のアメリカ映画「レイジング・ケイン」。

児童心理学者のカーター(ジョン・リスゴー)は子育てをしながら、子供の心理
を観察し続けていた。しかしその熱意は次第に常軌を逸していき、ついには我
が子だけでは飽き足らず、他人の子を誘拐して研究材料にしようと考えていた。
そんなカーターの前に、双子の弟のケイン(ジョン・リスゴー)が現れ、ケイン
の助けを借りて誘拐を行う。2人は共謀して次々と邪魔者を消していく。

ブライアン・デ・パルマ監督によるサイコ・サスペンス。児童心理学者で精神
科医のカーターは、精神科医を休業して家で幼い娘の様子を観察していた。彼
の研究に対する熱意は高く、娘の部屋に監視カメラまで付けており、医師の妻
ジェニー(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)は彼の行動に不審なものを感じていた。
ある日カーターは町で友人のカレン(テリー・オースティン)に会い、娘と一緒
に車でカレンに送ってもらうが、途中でカレンと口論になる。カーターはとっ
さに薬でカレンを眠らせるが、その後どうしたものかと迷っていると、カータ
ーの双子の弟のケインが現れ、カレンを殺して車ごと海に沈めるよう提案する。
そしてカレンの息子を自分たちの父親であるニックス博士(ジョン・リスゴー)
の元に連れていく。
これはもうジョン・リスゴーの演技を見る映画。彼が何役も演じている。主人
公のカーターの双子の弟ケインの正体はすぐにわかる。カーターは多重人格者
だった。父親のニックスも精神科医で、子供に関するある研究をしていたのだ
が、それがトラウマとなって多重人格になってしまったのだった。やがてカー
ターはジェニーが昔の恋人と不倫しているのを知ってショックを受ける。ケイ
ンとなったカーターはその不倫相手に罪を着せようと別の殺人を犯す。
デ・パルマ監督の特徴である長回しのぐるぐるカメラや夢オチなどが盛り沢山。
ジョン・リスゴーの演じ分けもすごいし、随所にヒッチコックの影響も見てと
れる。というかデ・パルマ監督がヒッチコックの影響を強く受けているのは有
名なのだが。カーターはいくつもの人格を有しているが、ラスト近くでわかる、
父親であるニックス博士に関するエピソードは意外で驚いた。これは本当に騙
された感じでおもしろかった。
カーターの妻ジェニーはケインに殺されかけるが、彼女はなかなかの最低女だ
と思う。元恋人とヨリを戻してしまうのもだが、そもそもその彼と恋愛関係に
なった経緯がひどいのだ。ジェニーは元々その彼の妻の担当医だった。妻は末
期がんで入院しており、見舞いに通っている夫と顔を合わせるうちにデキてし
まったのだから。意識のない妻の側で抱き合ったりキスをしたり、何と不謹慎
な2人だろう。最後に彼らの姿を目に焼きつけ死んでいった妻がかわいそうで
ある。そしてどの死体も皆カメラ目線なのが怖かったし、ラストもゾッとした。
とてもおもしろかった。


良かったらこちらもどうぞ。ブライアン・デ・パルマ監督作品です。
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コメント (4)
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