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ミヤジマトンボ

2011-08-17 15:32:11 | トンボ
安芸の宮島、といえば有名な観光名所。
厳島神社にあなご飯、もみじまんじゅうが有名だ。
これはごく一般的な観光の話。

トンボの世界でも実はこの島は有名。
日本ではここにしかいない、ミヤジマトンボが生息しているからだ。
とある夏の週末、私はほぼ日帰りで、この島を目指していた。

現地で友人と合流し、夏草をかき分け進むこと数時間。
やっとの思いで到着したのは小さな砂浜だった。
砂浜?そう砂浜なのだ。
ミヤジマトンボは海水と真水の混じる汽水に生息する数少ないトンボ。
山からにじみ出た水が海岸近くで湿地をつくっている、そんなごく限られた場所にのみ生息しているのだ。
飼育実験を行った話だと成長に塩分は必要ないそうだから、もっと広い範囲に生息場所を広げても良さそうに思う。
だが、おそらく他のトンボとの競争で負けて、海水が混じるような場所に生息することによって細々と生きながらえてきたのだろう。
瀬戸内の他の島にも生息していて良さそうなのだが、残念ながら見つかっていない。
日本で最も絶滅の恐れのあるトンボの一つ、といっていいだろう。

さて、その湿地を覗き込むと、早速、いた。
ひょろりと細長いグレーの姿。オスが縄張りをつくっている。
雰囲気は同じシオカラトンボ属でもホソミシオカラトンボに近い感じだ。
多くの個体は調査兼採集防止で翅にナンバーが書いてある。
しばらく粘っているとメスも現れた。こちらは麦わら色。このあたりもいかにもシオカラ属だ。

やがて暑さにめげてきたところを見計らうように豪雨襲来。
対岸の山に広がる積乱雲にハラハラしながらの帰り道となった。


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