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乳癌ー化学療法+エピルビシン、経口避妊薬の癌リスク

2006-11-06 | 乳癌
乳癌の化学療法にエピルビシンを加えることで、初期乳癌の生存率を上げることが、2400人の患者を対象とした2つのイギリスの試験で報告されたとThe New England Journal of Medicine誌に発表された。しかし、エピルビシンは脱毛、吐き気、嘔吐などのQOLに影響する副作用も生じさせるため、患者はリスクとベネフィットについて主治医とよく話し合うべきである。
1400人の患者のほとんどは50歳以下で、乳房摘出術もしくは切除術を受けた後、半数がエピルビシン+標準化学療法、半数は標準療法のみを受けた。エピルビシン+標準化学療法の群では82%が5年以上生存し、うち76%はその間再発はなかった。標準化学療法のみの郡ではそれぞれ75%、69%であった。
ただし、この試験は放射線治療の有無、タモキシフェン服用の有無を示していない。この試験および研究者はエピルビシンの製造元Pfizer社によって一部資金提供を受けている。またWebMDのスポンサーでもある。(WebMD原文記事
参考:がん医療Webセミナー記事

経口避妊薬の影響を調べる過去の34の試験を分析した結果、経口避妊薬を使用している女性は、若年で乳癌になるリスクが上昇することが判明した。閉経前乳癌の全体のリスク上昇率は19%であるが、第1子出産前の使用は23試験中21試験において閉経前に乳癌に罹患する率が高く、経口避妊薬を使用しない女性に比べ44%上昇、また第1子出産前に4年間以上継続服用者においては52%と最もリスクが高かった。「経口避妊薬を使用する女性は、この事実を知っておく必要があり、また処方する医師は、23試験中21試験でリスク上昇がみられている結果を知らせる義務がある。」しかし、付随の論評では、リスクはきわめて少ないものであるとし、経口避妊薬は卵巣癌、子宮内膜癌、大腸癌リスクを低下させると示唆されていると述べている。WebMD原文記事 


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