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NOVO-TTF-脳腫瘍に電場治療

2007-07-03 | 脳腫瘍
イスラエルのYoram Palti医師によって開発されたNOVO-TTF(Tumor-Treating Fields)機器が電場(エレックトリカルフィールド)を用いる治療が、増殖の速い脳の癌細胞に顕著な有効性を示した。電場は癌の細胞分裂を妨げ、細胞を死滅させる。正常な脳細胞はほとんど分裂せず、異なった電気特性を持っているため、この治療は癌細胞だけを標的にする。Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)誌に掲載。「この治療は、放射線治療同様に物理的な新しい一般的な方法である。大きな違いは副作用がないことである。」とPalti氏は述べる。
シングルアームのパイロット試験では、10人の再発GBM患者に280週にわたって行われた。一般的にこの疾患では化学療法後再発までの期間の中央値は10週程度、全生存率は6ヶ月以下であるが、われわれの治療では、両者を2倍以上にした。これを受けてFDAはさらに広範な試験を許可した。
電場は、絶縁体電極を頭皮にあてて施行される。それはワイヤーの入ったバンソウコウのようであり、軽量バッテリーで作動させる。患者はその装置をショルダーバッグのように持ち歩き、日々の生活を変えることなく、治療を継続することができる。(原文記事イラスト参照)NOVO-TTFの特徴は、癌細胞の化学的特性でなく、物理的特性(サイズや形)に作用することで、癌の局所的増殖や転移を止めることができると確信している。
初期の試験の良好な結果を受け、現在大規模な第3相試験がスローンケタリング記念がんセンター、コロンビア大学はじめ米国の12施設、ヨーロッパの8施設で行われようとしている。
Palti医師は、この電場の研究を40年間行ってきた人物で、2000年にNovoCure社を設立した。原文記事 
参考:がんナビ


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