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脳腫瘍(GBM)治療ワクチンDCVax-Brain

2006-05-08 | 脳腫瘍
最も悪性度の高い脳腫瘍GBMに対するワクチンの劇的な好結果が届いています。

MDアンダーソン癌センターとデューク大学医療センターで行ったGBM治療のワクチンの第2相臨床試験の中間結果発表によると、23人の生存期間中央値は現在19ヶ月以上であり、これまで死亡したのは4人だけである。これは最も有効性が高いとされる現在の化学療法と放射線療法で治療をうけたGBM患者の中央値14ヶ月、無治療では4ヶ月を、すでに上回っている。
ワクチンはEGFRvⅢという蛋白質に対し効果を示す。脳腫瘍の30~50%、他にも乳癌、肺癌などの一部にこのEGFRvⅢが発現しているが、正常細胞にはない。ワクチンはEGFRvⅢを合成したものと免疫機能樹状細胞を刺激する物質を含み、EGFRvⅢが外敵であることを免疫機能に認識させ、それによってCD8を送り込み腫瘍を破壊させる。このワクチンはこれまで試みられたワクチンと異なり、厄介な手間はほとんどない。「われわれは腫瘍がEGFRvⅢを発現しているかを確認するだけである。そしてこのような腫瘍をもつ患者すべてに使用される。MDアンダーソン記事4月25日日本語訳


自家樹状細胞を用いて免疫機能を向上させるレディーメイド癌ワクチンDCVax®-Brainの第1相試験結果(Northwest Biotherapeutics 2006年2月発表)
*10人中8人が生存中で、生存期間中央値は20.5ヶ月以上
*10人中4人が30ヶ月以上生存中で、10人中5人は24ヶ月以上生存中
*10人中8人がこれまでの慣習的治療の生存期間中央値15ヶ月を超えており、他の患者も現在これに追随している。
*現在までの生存期間は11.2ヶ月~39ヶ月で、さらに更新中
*10人中5人が、中央値32ヶ月の追跡期間において癌の徴候がない。 
*無進行期間中央値は14.7ヶ月で、さらに更新中
*10人中9人がこれまでの慣習的治療の成績の無進行期間中央値8ヶ月を超えていた。  PRNewswire5/3


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