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1B期非小細胞肺癌に対する術後補助化学療法による生存率改善は認められない

2008-10-16 | 肺癌
1B期非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する術後補助化学療法の効果を評価する目的でデザインされた唯一のランダム化試験であるCALGB 9633の長期成績によると、中央値6年の追跡調査後、パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法による生存率の改善は認められないということである。
Journal of Clinical Oncology誌の 9月22日号オンライン版に掲載されたこの試験結果は、2004年に報告された同試験の初期成績と矛盾する。その試験は、化学療法群に無作為に割り付けられた患者における肺癌死亡率および何らかの原因による死亡率の減少がデータから明らかにされた後、3年近い追跡調査を実施した上で、2003年11月に予定より早く終了した。(略)

シスプラチンベースの術後補助化学療法に関して以前実施された3件の多施設ランダム化試験においても、化学療法によるIIもしくはIIIA期患者の生存率の向上は認められたが、1B期NSCLC患者における生存率の改善は示されなかった。さらに、4,500人以上の患者が参加した5件の試験のメタ分析で、1B期患者に対する化学療法の効果を明らかにすることはできなかった。

CALGB 9633の二次分析では、化学療法によって直径4 cm以上の腫瘍を有する患者の生存率が向上し病気の再発が抑制されたことが示唆されている。この分析結果をさらに検討するためにメタ分析が実施されている。
NCIキャンサーブレティン  ハイライト 


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