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がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

治療による癌の増殖

2007-04-13 | 癌の経路・因子
外科手術、放射線、抗癌剤治療によって時に癌の転移が促進されることがあるが、このひとつの理由がマウスの研究で明らかになった。ドキソルビシンや放射線治療がTGF-beta(腫瘍増殖因子ベータ)値を上昇させ、乳癌細胞の肺への転移を促したが、TGF-betaを遮断する抗体を投与すると、その進行は制御された。 癌治療後に再増殖、進行することは広く認知されている現象である。原発腫瘍が他の部分での腫瘍成長を抑制 . . . 本文を読む

癌における鉄/銅キレーター治療(続)

2007-01-22 | 癌の経路・因子
癌の第1戦で作用するキレーター  オーストラリア、シドニー大学病理学科・鉄代謝とキレーションプログラム  Clin Cancer Res. 2006 Dec 1;12(23):6876-83. 癌の生物学における鉄と銅の重要性ははっきりと確立されている。鉄は細胞増殖に関する基本的役割を担うものであり、また銅は血管新生の主な共同因子であることが示されている。以前の観測からは、鉄過剰の治療に用いられた . . . 本文を読む

大腸癌の幹細胞発見

2006-12-05 | 癌の経路・因子
大腸癌の増殖にかかわる幹細胞が発見された。幹細胞とは、体のあらゆる組織に誘導されるマスター細胞である。一部の癌細胞において、この幹細胞が制御不能の増殖を引き起こす原因であるかもしれないとみられている。どんなに積極的な治療をしても、一部のがんは再燃する。 Natureの記事によると、前立腺癌、脳腫瘍でもすでに見つかっているCD133は幹細胞マーカーであり、そのCD133は、わずかな数の大腸癌細胞(2 . . . 本文を読む

薬剤耐性(チューブリン阻害剤E7974)

2006-10-18 | 癌の経路・因子
テキサス大学サウスウェスタン医療センターの研究者らは、線虫の一種シノラブディス・エレガンス(シー・エレガンス)のタンパク質の変異が、hemiasterlin化合物の誘導体である新しい抗がん剤への薬剤耐性を引き起こす原因であると突き止めた。hemiasterlin化合物(hemiasterlin analog E7974)はすでに癌治療において臨床試験中である。 「癌治療にとって大きな問題は、癌細胞 . . . 本文を読む

ホクロ-癌の発生

2006-09-26 | 癌の経路・因子
20年以上前から疑われてはいたものの決定的な知見がなかったホクロについての新たな発見が科学者らを驚かせている。 ホクロは、色素細胞の腫瘍であり、増殖をストップした初期の癌である。しかも2度と分裂しない。ホクロは良性で無害であるが、その発生は癌と同じで変異した遺伝子が細胞を無秩序に増殖させることから始まる。そのようなことが、外側の皮膚だけでなく体内でも起こっていると考えてよい。矮小の腫瘍が癌になる . . . 本文を読む

血管新生フォークマン博士の予見(2004年)

2006-05-25 | 癌の経路・因子
「将来、患者は体内の腫瘍が現われる何年も前に、毒性の低い血管新生薬によって治療されるようになるだろう。」Dr.Judah Falkman(ジューダ・フォークマン)氏はMassachusetts Biotechnology Council フォーラムで語った。 「癌が見つかる何年も前から治療するなどとあなたは考えられるだろうか?しかし、癌が確認されるより7年から10年も前に血管新生のスイッチは入れら . . . 本文を読む

バイオマーカー

2006-04-01 | 癌の経路・因子
科学誌ネイチャーにバイオマーカーについての詳しい記事が掲載されました。FDA、NCI含む国立衛生研究所NIHは2月にバイオマーカーへの取り組み方針を発表しました。FDA翻訳ファイル記事  2010年までにバイオマーカーの展開クリティカルパスFDA原文3/16、クリティカルパス(クリティカルパスとは、FDAがその重要性、緊急性を認めた医療製品を最優先に開発するためのイニシアチブ)      Bio . . . 本文を読む

HIF-1(低酸素誘導因子)阻害

2006-02-11 | 癌の経路・因子
HIF-1(低酸素誘導因子)とは、血管新生阻害によって引き起こす腫瘍周辺の低酸素環境において腫瘍細胞が生き延びるのを可能にする蛋白質であることから、『抗血管新生の泣き所(アキレス腱)』と呼ばれる。  Duke Univ.放射線科原文2005/8 HIF-1はVEGF、bFGF他40以上の血管新生促進因子の産生スイッチを入れる『マスタースイッチ』である。HIF-1をブロックすることにより、血管新生を . . . 本文を読む

癌細胞は白血球と融合して転移する

2006-01-22 | 癌の経路・因子
癌細胞は、リンパ節転移、他臓器転移、血管新生のために、白血球マクロファージと交雑(ハイブリダイゼーション)することが、The Lancet Oncology12月号で発表された。この説はドイツの病理医Otto Aichel氏によって1900年代初期から提唱されていたが、Yale大研究者の10年以上にわたる研究の末、十分なエビデンスを得るに至った。 白血球マクロファージはわれわれのもつ最も動きの早い . . . 本文を読む

PDGFとVEGF経路

2005-10-10 | 癌の経路・因子
血管新生促進する経路として大きな役割を担うVEGF(血管内皮細胞増殖因子)はアバスチンはじめ多くの薬剤のターゲットとされている。また、グリベックがターゲットとするのはPDGF(血小板由来増殖因子)である。VEGF阻害は、早期の血管新生腫瘍に効果的だが発達した血管には効果が少なく、PDGF阻害は進行した段階の腫瘍に効果があった。PDGF受容体ターゲットの薬剤はVEGFターゲットの血管新生阻害治療と相 . . . 本文を読む