(第72話)
頭脳派猫のナッちゃんに告ぐNo.2のサムちゃんは度胸が良くて力持ち、ハンサムで頭も良い上に人懐こくて人気者だ。猫達は庭に出る時は4mほどの綱につないで門の外の様子が見えるようになっている。時折高いところに登るので首吊りにならない様に強く引っ張ればパチンと外れる首輪をつけてあった。ある日、力持ちのサムはそれを発見してしまった。以来グッと力をいれては勝手に外出して悩ませてくれた。仕方なく首輪を二重にして強度を増したが又やられた。どうやら前向きに引っ張ると喉が痛くなるらしく、綱引きをする様に後ろ向きに引っ張って後頭部の下(後ろ襟の辺り)に力がかかるように頑張っている姿をみて驚いた。仕方がない・・外れる首輪は中止した。しばらくして今度は首輪につないだ綱を食いちぎってお出かけした。呆れて綱を太い物に変更した。ついに諦めたらしく最近は網戸破りに専念して綱切りはやめたかに見えたのだが・・・一週間ほど前に、庭に出たまま長時間大人しいので覗いてみて驚いた。サムは居たことはいたのだが・・・太い綱を頑張って食いちぎってお出かけしていたらしく、切れた綱のそばで遊んでいた。もちろん、彼の首には5cmほどの切れ端がぶら下がっているのだから何をしていたのかバレバレだ。マイペースの悪戯ぶりが可笑しくて可愛くて憎めない。
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室内でもオモチャのチュウちゃんとひとしきり遊んで最後には噛み付いてボロボロにする。眠くなれば好きなところで勝手に好きな格好で・・・。叱られてもケロリと忘れる明るい性格は好運をも招くらしい。
このサムは2歳の時に4ヶ月も行方不明になった。毎日必死で探しながら諦かけていた頃に新聞の折込に“飼い主さがし”をして下さった方がいたのだった。聞けば、サムを育てる決心をして獣医さんに連れて行った処、先生が「この猫は物凄く可愛がって育てられているので飼い主が探していますよ」と言ってくださったそうな。親切な方々の連携プレーが奇跡の再会を果したのであった。あの感激と感謝は永久に忘れる事はありえない。正に「生きていて良かった」と思える日であった。人生、悪いことばかりじゃないですね。頑張らなくちゃ~!
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IQはかなり高そう、でもママ泣かせだね
一度外の世界に誘われると、冒険心をかきたてるのかしら?
4ケ月いなくなっても、お家に帰れて良かったね、感動ものです。
圧力鍋の蓋が落ちて、下にいた大福にあわや、あたるところでした。
飛び上がって逃げていったのでケがなしでよかった
今でもこの蓋を見せると一目散に逃げていきます
さすがに猫はIQが高いと実証。
サムとの再会は映画のシーンみたいでした。逃げてしまったというサムを朝4時に待ち伏せして、過去を思い出させようと我が家の犬猫の名前を連呼してみました。警戒しながらも一歩一歩と近付いて来たサムを待って最後に押さえ込んで捕え、慌てて車に連れ込みました。しっかりと抱きしめた腕の中でゴロゴロと震えながら泣き続けるサムの姿に二人でボロボロ泣きました。どんなにか苦労をしてきたのしょう・・。今の性格に戻るまでに長い歳月が掛かりました。人の善意が骨身にしみました。悪戯なんかなんのその。