現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

西原理恵子「はれた日は学校を休んで」

2024-03-10 14:46:57 | コミックス

 1989年から1995年までに描かれた作品をまとめた、作者の初期短編集です。
 当時の現代児童文学(定義に関しては他の記事を参照してください)と非常に近い作品世界(例えば長崎夏海の作品などと)だったので、児童文学者の間でもかなり評判でした。
 作者は、現在では高須クリニックの関係者としての方が有名ですが、当時は若い感性の優れた無頼派(ギャンブルや酒やと異性関係など)の美人女性漫画家として注目されていました。
 学校への不適合、両親(特に母親)との愛憎入り混じった感情、友情(女同士だけでなく男同士も)、弱者(成績不良、貧困、動物、老人など)への複雑な視線など、今日でも子どもたちにとって重要な問題が、作者独特の善悪が入り混じった独特の視点で繊細に描かれていて、現在でも少しも古びていません。

はれた日は学校をやすんで (アクションコミックス)
クリエーター情報なし
双葉社
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