かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

このコケたちの運命やいかに!?

2010-02-25 15:12:51 | 近所のコケ

▲樹皮の上を好むコケたち




これから梅雨にかけて、
どんどん元気になっていくコケたちに会いたくて、
もう居ても立ってもいられない。


先日、コケとの新たな出会いを求めて、すこし遠出をし、
蘆花恒春園(ろかこうしゅんえん・世田谷区)へ。





蘆花恒春園は、明治から大正にかけての
作家・徳富蘆花の住まいをとどめた公園ときいている。


初めて行く場所だが、園内には
蘆花が暮らした藁葺き屋根の住居があり、
もしかしたらそこにコケが生えているかもと淡い期待を抱く。




しかし実際に行ってみると、
藁葺きの屋根には保存のためか
全体に金網が張り巡らされており、
コケどころか、雑草1本すら生えてない始末・・・(なので写真にすら収めておりません)。



残念。


しかしそのまま帰るのももったいないので、
その足で園に隣接している公園へ。



すると、そこで奇妙な光景を目にする。




まずはこの木を見てほしい。



▲クスノキと思われる。





▲幹にはびっしりとコケが。






しかし木のまわりを見てみると、
何かが落ちているのに気づく。







なにかと思えば・・・






▲コケだ!!




なぜか知らないが、コケが塊でぼたぼたと
そこらじゅうに落ちているのである。


拾い上げてみると、コケには木の樹皮がついていて、
何らかの理由で、木から樹皮がはがれたため、
そこを住まいにしていたコケも一緒に地面に落ちたようだ。










▲木からはがれ落ちそうになっているコケを発見。




なぜだろう?

老木だからか、病気だからか、
はたまた冬から春への成長過程なのか。



樹木についてはとかく疎い私は、
なぜこういう現象がおこるのか、
皆目見当もつかない。




そして、この落ちたコケたちの運命はどうなるの!?


少なくともこのようなコケは3種類、見つかった(冒頭写真)。

そもそも好んで樹皮に生えていたのに、地面に落ちてしまったら、
今後の成長は難しいのではないだろうかと、とっても心配。



どなたかこういう現象の理由をご存じの方、
もしくは「こんな理由じゃない?」と仮説を立てられた方、
どうぞ教えてくださいマセ!!

春のひそかな楽しみ

2010-02-24 13:38:38 | 近所のコケ
わが家は都内のマンションの3階にもかかわらず、
天気がよくて空気が澄んでいる日は
ベランダから必ず富士山が見える。


昨年末にこのマンションに
引っ越してきてからというもの、
毎朝、冨士山が出ているかを確認するのが日課だ。


しかしここ数日、天気もいいのになぜか富士山が見えない。


へんだなぁと思っていたら、
顔にあたる空気がずいぶんとぬるい。

そう、つまりこれは春の兆し。


今までの冨士の眺望は、冬の澄んだ空気が見せてくれた
〝季節限定のお楽しみ〟だったことにようやく気づく。




そんなわけで、ここ数日は天気がいいので、
毎日出かけるときにはカメラが必須。


近所のコケが成長しているのを見つけては、写真に収めている
(それについつい夢中になりすぎてブログが停滞気味でした・・・汗)。






▲冬は土だけだった場所に黄緑色の一帯が!





▲よく見るとコケ。葉と胞子体がつんつんしていて、子どもの坊主頭みたい。







▲鉢の一角に居候しているらしいコケ(左下)。
 風に運ばれてこの鉢にたどり着いたのだろうか?
 他の植物と一緒に冬を越えたご様子。






▲使われなくなって久しいと思われるプランターにもコケが・・・。




▲アップにすると青々としたコケがびっしりと。
 もう、おしくらまんじゅう状態。






せわしない日々の中でも、
ちょっと目をとめると道ばたのどこかに
必ずコケがある。


毎日同じ場所のコケを見るもよし、
新しいコケを探すもよし。
春は路傍の花を楽しむように、
コケの成長を見守るのがおもしろい。


ややもすると、ついつい香りのよい梅や
見た目の華やかなチューリップなどに目がいきがちであるが、
コケもこうして小さな体をフル稼働させて、
新しい季節の訪れを私たちに教えてくれているのだ。


それはまるで、いつもは無口で、
クラスでもあまり目立たないような子どもが、
「ねぇ、春だよ」って話しかけてくれているかのよう。

なんだか見ているだけで嬉しくなってしまう。



こんな楽しみ、コケ好きだけが知っているのはもったいないと思う。
ぜひみなさんにも道ばたのコケに目を向けてほしい。



▲土がなくてもへっちゃらなコケ。
 冬に比べて緑色が濃くなり、こんもり具合もアップ。

今夜の「福祉ネットワーク」にて(20時~NHK教育)

2010-02-17 10:28:38 | コケの本棚
今日はコケとはまったく関係ない、
でも、ぜひお知らせしたい情報を。



今日の「福祉ネットワーク」という番組にて、
私の従姉妹・美木朋子(ミキ トモコ)が
行ってきた活動が紹介される。



彼女は「国境無き医師団」に参加し、
2005年1月から派遣先のリベリア(西アフリカの国)の病院で、
当時13歳の少女、マーサ・ターケットと出会う。


マーサは内戦中の難民キャンプで暴行を受け、
彼女が出会ったときには、足が使えず寝たきり状態で入院していた。


しかし現地ではほかにも戦争で傷ついた患者が
たくさんいるうえ、物資も人材も足りていない状態。


とてもマーサに必要なじゅうぶんな治療を受けさせることができない。



そこで朋子はマーサを日本に引き取り、
彼女と2年間にわたり共同生活をしながら、
治療を受けさせ、学校教育も受けさせた後に、母国に送り届けた。


番組ではその当時の様子から、現在にいたるまでが紹介される。




私もマーサが日本にいたころ、
東京でそして関西で何度も彼女と会ったことがある。


悲惨な事件に遭いながらも、
根っから明るくポジティブで、
そして頭のきれるマーサ。


「それちがうやん!」「おもろいなぁ」と
テレビと朋ちゃんとの生活で習得したという
関西なまりの日本語を愛嬌たっぷりにしゃべる。

最後のほうでは日本語も書けるようになっていた。


年下ながら、いつも心に太陽をもっている彼女の生き方に、
私はたくさん学ばせてもらった。



彼女はもうすぐ18歳。
いまは母国リベリアの学校に通っている。


「将来は国の平和に携わる仕事がしたい」としきりに言っていたのを思い出す。



もし興味がある方は、ぜひ今夜、見てみてください。

20時~20時半までのたった30分間の番組ですが、
きっとなにか感じてもらえるはずです。

●NHK「福祉ネットワーク」
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/1002/100217.html

コケとパワースポット

2010-02-15 13:47:43 | コケをめぐる旅



先日、久しぶりにコンビニに入った。

ふと雑誌の棚に今月号の「CREA」が目に入り、衝動買い。
いつもはほとんど雑誌は買わないのだけれど。


「47都道府県のパワースポット」という
特集の見出しに心がすいよせられてしまったのだった。






私がパワースポットに
興味があるというのはほかでもない。

必ずと言っていいほど、
そこがコケの宝庫だからだ。

もちろん霊験あらたかなパワーに
あやかりたいという気持ちも
ちょっとはあるのだけれど。


伊勢神宮の大木、高野山の参道にたたずむお地蔵さん、
屋久島の森、高千穂の滝つぼ、誌面を見ると
パワースポットと呼ばれる場所のほとんどが、やはり苔むしている。


思わずにんまり。

買ってよかった。



そして心は去年行った屋久島へ。


森の中であらゆる動植物の命が
みなぎっているあのかんじ。

いや、土、空気、光、命のないものまでも
森の中ではなんか「満ちている」と感じられた。


もちろん森一帯を覆うコケも
そういったエネルギーを受け、
また自らも生命力に満ちて
キラキラと輝いていた。


大木の下で光と影を交互に受けるコケたちは
なんと青々として、みずみずしかったことか。

しかしそのコケたちこそが、
頭上の大木がかつて人の指の長さにも
満たない幼木だったときには、
ふかふかのベッドとなってその成長を助けていたのだ。


屋久島にはそういった生命の連鎖があふれている。

たくさんの命と風土が
みな繋がっていることが肌で感じられる。


むしろ私はその中心が
コケであるといっても
過言ではないと思っている。


そのことは現地へ行けばきっと、
コケに興味がない人でも感じるはず。



▲屋久島のコケに覆われた森でくらすヤクシカ。




パワースポットと呼ばれる
神社、霊山、巨木なんかはよく、
「神様のいる場所」なんて言われる。


でも結局のところ、神様がいようがいまいがその場所が
訪れた人に「何かをしてくれる」というわけではない。


ただそれでも多くの人は、「何かを感じること」を求めて訪れるのだ。



苔の魅力もしかり。


むろん屋久島でなくていい。


山登りの際、苔に覆われた
静かな林の中を歩いていると、
心が落ち着くなぁと感じたり。


ルーペでのぞくと、小さいながらも
そのいきいきとした姿に元気をもらえたり。


春になって苔玉が新芽を出すのを見ると、
ホッと気持ちが和んだり。



考えたり、知識を増やすことよりも、
そんな「感じてパワーをもらうこと」に
コケの最大の魅力があるように思う。



あともう少し暖かくなったら、
苔にちなんだパワースポット巡りでも
始めようかなぁと思った次第だ。


コケの春がやってきた。

2010-02-08 11:05:23 | 近所のコケ

▲コケ踏みつけまくりの愛犬。 「ん?なにか問題でも?」




前回の続き。

大寒(今年は1月20日)を過ぎた
1月末の週末に伊豆高原へ。


ここには第二の我が家があり、
たびたび訪れているため、
毎回欠かさずチェックする〝コケルート〟がある。


四季を通して同じ場所のコケを観察できるため、
私にとってこの別荘地界隈はお楽しみの散歩コースだ。



また歩くたびに、
こんなところにこんなコケが!?という
発見もあっておもしろい。




▲なんのへんてつもない排水路。でも…ちょっとまてよ?





▲あ!いつのまにくぼみにギンゴケが!
 「すっぽりはまって気持ちいいのよ~」(ギンゴケ談)




コケの春は他の植物に比べてひとあし早い。
よーく近づいて見てみると、小さな若い芽を出していたり、
すでに胞子を飛ばす準備をしているものもちらほら。




▲岩の上で若い芽を出すフデゴケ。





▲新緑のような若々しい緑の芽を出すコケ





▲スナゴケ。先端の袋に胞子がたくさんつまっている。





▲こちらも胞子を飛ばす準備中。針山みたいでかわいい。






▲フキノトウもコケに負けじと芽を出していた。




▲オオイヌノフグリ。こちらは目覚めたばかりで、あくびをしているよう。





▲見上げれば梅。




伊豆高原は地面を見ても空を見ても、
そこかしこに新しい季節の訪れを知らせてくれる
春の使者たちでいっぱい。


寒さも忘れるしあわせなひと時だった。




▲木の根元に生えていたコメバキヌゴケ(おそらく)。やがて先がもっと膨らんでくる。


炭にコケ

2010-02-03 12:51:36 | コケをめぐる旅
さて。すっかりご無沙汰してしまった。

先週は原稿の締め切りに追われているにもかかわらず、
お腹にウイルスが入り、高熱を出して寝込んでいた。

これぞ鬼のかく乱か!?(今日は節分なので掛けてみました)


しかし今ちまたで流行っている病気なのだとか。
皆さまもくれぐれもお気をつけを。




コケがいろんな場所に生えていることは
これまでご紹介してきたとおり。

先週末、伊豆へ行ったときに
見つけたのはこんなコケ。




木炭の上にコケの赤ちゃんが生えている。


思えば、観葉植物の鉢代わりに
木炭が使われている商品もあるので、
このような場所を住みかにしている
コケが自然にあるのも不思議ではない。


コケによる緑化と炭による空気や水の浄化、
とてもエコなコンビである。




▲愛犬。「なに、コケってそんなにおもしろいの?」



次回は伊豆でみつけた
コケの春について書きたいと思う。