かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

7/2(日)~17(月・祝) 苔の「道草michikusa」プロデュース 道草したい、小さな苔の森 at アウラの部屋 @大阪・心斎橋

2017-06-30 13:42:03 | コケ情報

またもブログでの告知が遅くなりましたが、
今週末7月2日(日)からこのようなコケフェアが始まります!


  


開催場所は大阪・心斎橋のど真ん中にある書店・アセンスさん。

フライヤーの写真にある通り、今回の展示の中心は、
山梨在住の道草さんが手塩にかけて育てた苔テラリウム。

そこに、訪れる皆様に、苔テラリウムを見ているようで、じつは苔テラリウムの中に迷い込んだかのような、
そんなコケがいっぱいの空間を、時間も忘れて道草をするように楽しんでもらおうというのが今回の企画です。

道草さんからお声がけいただき、私も展示の一部(写真や文章)をちょこっとお手伝いさせていただいております。



▲展示予定の苔テラリウムの一つ。もともと「キノコの棚」なるものが店内にあり、キノコ好きが多く訪れるアセンスさん。
 そんなお客さんのために、このようなキノコ型の瓶に入れたのだそう


さらに、もう一つのみどころは、アセンス担当者Kさんが「これでもか!」とばかりに集めたコケにまつわる本の数々。

絶版や高価すぎる専門書(2万円以上する平凡社のコケ図鑑など)をのぞき、ここ10年ほどに出版されたコケ関連の本、
図鑑や入門書はもちろん、テラリウム本や、絵本(最近発行されたばかりの『こけこけコケコッコー』(にしはら みのり著)も!)、
『第七官界彷徨』(尾崎 翠著)、『原稿零枚日記』(小川洋子著)、『工場』(小山田浩子著)などのコケが登場する文芸本、
また、コケが好きな人におすすめの地衣類やクマムシ、粘菌にまつわる本、南方熊楠、牧野富太郎、串田孫一などの読み物まで、
約70種のコケまわりの本が一堂に集まるという、コケ好きにはたまらないラインナップになっています。

そして今回、とくにオススメの本には、全国のコケ好きさんたちにお願いしてPOPを書いてもらいました。
普段から本気でコケが好きな人たちばかりなので、書いてある内容もなかなか本気度が高い(笑)。
こちらも今回の企画展のためだけの展示なので、ぜひお見逃しなく!


また、苔テラリウムが本業ながら、コケを「楽しむ」ことにかけてはアイデアマンの道草さん。
苔テラリウムやコケ本、写真展示のほかにも色々と面白いことを企画されているご様子。

最近のツイッターをのぞいてみると・・・



▲苔ガチャガチャを作ったらしい




▲ジャゴケをケースに入れてなにやら体験型の展示物を作ったらしい




▲会場に行かないと参加できないコケクイズを作ったらしい。抽選で苔グッズが当たるらしい
 (ちなみにこのコケクイズ、拙著「特徴がよくわかるコケ図鑑」にヒントが隠されていたりします)


とにかく色々用意されているようですので(笑)、見たり、読んだり、体験したり、写真を撮ったりと存分に楽しんでいってくださいませ。(^^)


また、最終日7/17(月・祝)にはトークイベントがあります。
こちらも楽しい会にしたいと思いますので、ぜひお越しください。





入場無料ですが「要事前予約」で、現在すでに定員(約30人)の半分くらい埋まっているとのこと。お早めの予約をおすすめします。
ちなみに同日の苔テラリウムワークショップはすでに定員に達したとのことなのでご了承ください。

※トークイベントの予約はこちらのアセンスさんのHPからどうぞ(電話予約も可)→  
(このブログでは申し込みを受け付けていません)



余談ですが、じつは7月はこの他にも、本町でオカモス関西メンバーによる恒例のコケ写真展があったり、
肥後橋では切り絵作家・いわたまいこさんの個展が始まったり・・・となんだかアツい大阪市内。

いずれもさほど遠くない距離ですので、次回のブログではいかに全展示を効率よく回るかも含め、詳細をお知らせさせていただきます!
     

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●おまけ

もう2週間前のことになりますが、6/16(金)に荻窪の書店Titleさんでの
コケ図鑑刊行記念トークイベントが、おかげさまで盛会に終わりました。

Titleさんの常連のお客様でコケをほとんど気にして見たことがないという初心者の方から、
植物全般が好きな方、コケの愛好会(岡山コケの会)のメンバーでもう何年もコケを観察してきたというベテランの方まで、
30人ほどがお越しくださり、スライドに交えつつ、皆でコケを観察してみるなど、わいわいとアットホームな会となりました。







コケは、初心者向けにコケの話をする際に定番のスナゴケに加え、
ちょっとマニアックな人向けにニスビキカヤゴケ(噛むと辛い味がする)を持参したのですが、
Title店主の辻山さんがニスビキカヤゴケを噛んだあと「食べ比べないとわからない」と
躊躇なくスナゴケも口にされていたのが、ひそかに衝撃的でした。


【コケ情報】 6月25日(日)「屋久島でコケの世界に触れる」初心者向けコケ講座 @池袋コミュニティ・カレッジ

2017-06-19 09:48:23 | コケ情報

おかげさまで先週金曜日の荻窪・Titleさんでの出版記念イベントは盛会に終わることができました。
Title店主の辻山さん、お越しくださった皆さま、楽しい時間をありがとうございました。

ちなみにその翌日、私はコケ観察会へ参加するため長野県の北八ヶ岳へ。
イベントとコケ観察会のレポートはまた後日、詳しく書きたいと思います。


さて、今日は取り急ぎのコケ情報。

関東近辺の方で、この週末の予定がとくにまだ決まっていないというあなた、ラッキーです。
屋久島から講師を迎えての初心者向けコケ講座が池袋で開催されますよ。


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-縄文杉発見50周年記念イベント講座『屋久島でコケの世界に触れる』-

水と森を養い、屋久島の自然を支える豊かなコケの世界。
実際に屋久島産の標本を観察して、コケの世界をのぞいて見ましょう。

  
  


●日時:2017年6月25日(日)16:30〜18:00

●場所:池袋コミュニティ・カレッジ

●講師:小原比呂志(YNACガイド)

●受講費:2000円

●申込み(先着順):池袋コミュニティカレッジHPにて。イベント詳細もこちら→ 

●お問合せ:池袋コミュニティカレッジ 電話 03-5949-5488

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講師の小原比呂志さんといえば、十数年前に母と屋久島旅行に行った際に
たまたま森歩きのツアーを担当してくださったガイドさんで、自分に初めてコケの世界を教えてくださった人。

屋久島のコケの分布調査などコケ研究者の方々と一緒にいくつも論文を発表されたり、
現地でしか買えないというレアなコケ図鑑『屋久島のコケガイド』の制作にも関わられたりと、
コケ界では知らぬ人はいない存在。そして、いまなお私の「屋久島のコケ師匠」なのであります。

当日はスライドを使ったコケと森の関係などのお話をはじめ、
代表的な屋久島のコケをサンプルとしていくつか持ってきてくださるとのこと。

まだ席がいくつかあるとのことなので、ご興味がある方はぜひ早めのお申し込みをおすすめします!
小原さんのコケの話が東京で聴けるチャンスはめったにないと思います。
ちなみにお話が面白いことはもちろん、一聴の価値はあるめちゃめちゃ〝いい声〟なので、そのへんもお楽しみに(笑)。




山形コケ紀行(その2)&「お知らせ」を2つ

2017-06-15 14:17:45 | コケをめぐる旅

6月もなんやかんやで小忙しい日々を送っております。
あぁ、今年はもうちょっとゆったりとブログが書けると思ってたのに・・・。
気力はまだしもなんといっても体力が追いつかないよ。


<私信>
いよいよ明日の夜は荻窪の書店Titleさんでトークイベントが開催されます。
本物のコケを持って行きますので、もし自分のルーペや霧吹きをお持ちの方はご持参くださいませ!
(もちろん持っていない方のために、こちらからも準備していきます)


----------<お知らせ>----------


●その1:池坊華道の専門誌『華道』にコケ特集

 


オカモス関西支部長Mさんからのご紹介で、池坊華道の門弟の方々が主読者といういけばな専門誌『華道』の取材を受けました。
なんとロケ先は京都の「苔寺」こと西芳寺! 取材当日は取材を受けたというよりも自分が取材に行ったような気分で、
美しい苔庭の写真をたくさん撮って帰ってきました(誌面はもちろんプロカメラマンによる撮影です)。

基本的に一般誌ではないので誌面をご覧になれる方は限られていると思いますが、
このブログを読まれた池坊華道の方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧になってみてください。


  
▲誌面の雰囲気をちょっとだけご紹介。西芳寺のはじめ、いけばなとコケのかかわりなど6ページにわたった贅沢な特集です


ちなみに、池坊華道といえば、その初代家元・池坊専好(いけのぼうせんこう)の半生が描かれた、
現在公開中の映画『花戦さ』が話題。なんでも「いけばな」がテーマの映画というのは世界初なのだとか。
「もしかしてコケも登場しているかしら」と淡い期待を胸に公開初日に観に行きましたが(じつは野村萬斎ファンでもあるもんで)、
やはりテーマはいけばななのでコケは登場せず・・・。でも役者もいけばなも豪華でなかなか面白かったです。



●その2:「『はじめてのコケ観察会』参加レポートin 水元公園(東京都葛飾区)」

日本のこれからの観光の可能性やスタイルを探ることをテーマにしたサイト「観光 Re:デザイン」にて、
コケについての記事を書かせてもらったことは前回に紹介しましたが、
同サイトのスタッフの方が、4月に行われた水元公園のコケ観察会に実際に参加してくださり、そのレポートを書いてくださいました。

このブログでの紹介がまたも遅くなりましたが、少し前から記事がアップされています。ぜひご覧くださいませ。

※記事はこちら→ 



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さて、ここからは山形コケ紀行のつづき。

湧水が豊富なところはコケも豊富だろうと踏んで遊佐町周辺の湧水地巡りに的を絞った今回の山形旅行。
第一目的の湧水地から帰る頃にはすっかり夕方になっていたので、その日はそのままホテルへ。



▲ホテルからの眺め。この日の日本海はとても穏やかで夕日がきれいに見えた


翌日はこれまた義理姉の事前リサーチにちゃっかり乗っかって、湧水の名所に連れて行ってもらう。



▲釜磯海水浴場



▲こじんまりした海岸ながら、砂浜から真水が湧き出ているという不思議な場所






▲浜辺の岩には、私の中の気になる磯の生き物ナンバー1の「フジツボ」がびっしり!



▲海水浴場からすぐの所にある「神子の水(かみこのみず)」。湧水を利用した地元民の共同の洗い場。
 1番上は飲料で、一番下の段は子供のおしめを洗うのに使われていたとか。今も現役で、この日は海藻を洗ったあとが残っていた


道の駅での昼食を挟み、そこから再び車で移動。
今回の旅で一番印象に残った湧水の絶景ポイントへ。






▲角度によってスカイブルーやエメラルドグリーンに見える湧水100%の池・丸池。
 直径約20m、水深5メートルほどで、池の底まではっきりと透けて見える水の透明度





▲ 小さな池ながらなんともいえない神秘的な雰囲気があり、時間に余裕があればもっと見ていたかった。
 地元民からは信仰の対象として「丸池様」と呼ばれているという



▲池のそばにひっそりとたたずむお社





▲さらに丸池から歩いて数分のところにある牛渡川(うしわたりがわ)。こちらの水は無色透明。川岸の所々から水が湧き出しているのが見えた



▲なんと。ここには清流にしか生えないというバイカモの大群落が!



▲近くで見ると、なんだか金色のクジャクの羽で作った織物のようなファンタジーな代物に見え・・・



▲遠目で見ると群落一つひとつがゆらゆらと水中で揺れる様子がなんだか生きもののように見え、
 「ジブリ作品のキャラクターになりそう」とか思ったり・・・って、やっぱりファンタジー




▲牛渡川近くの永泉寺(ようせんじ)。なんともこの土地らしい名前。昔は出羽三山を崇拝する山岳信仰の修行の場だったという
 あまりうまく撮れなかったけど、コケ生す石段があり、手前の樹幹のホソバオキナゴケが大群落だった



そして最後は車で少し移動して、コケ図鑑の担当編集者Eさんもイチオシだった胴腹(どうはら)の滝へ。



▲山の斜面から豊富に湧き出る水がゆるやかな滝状になっている







▲冬でも凍らないことから年中、飲み水用に水を汲みに来る人が訪れるという






▲小さなお社の左右に流れる滝は湿度も安定しているのかとくにコケ生していた




▲胴腹の滝に最近立てられたと思しき看板


景勝地の写真を撮るのが好きな人などにはこういった自然味あふれる景観のムードに水を差す代物かもしれないが、
ただ「じゃまだなぁ」ではなく、そもそもこの看板が立てられるに至った経緯を想像することも大切なのではないかと思う。

何もしないとコケや他の小さな植物が踏みつけられたり、剥がされたりして、
だんだん景観美が損なわれてきた経緯があったのではないか。

この看板は、地元の人がそれだけ長くこの場所を見守り続けており、
大切にしている表れなのだなと私などは逆にちょっとホッとしたのであった。


以上、途中からコケというよりも、ただただ湧水を追っかけていた感のある今回の山形コケ紀行。

家族旅行だったため、コケばかりを一人で眺めているというわけにもいかず、
たしかにもっとじっくり見たかったという悔いも少し残るが、
それでも、ずっと憧れてきたエリアを巡れたという満足感は大きかった。

これを足掛かりに、次回は5月はまだ雪が残っているだろうということで今回は諦めた
遊佐町にほど近い獅子ヶ鼻湿原(秋田県にかほ市)で「鳥海マリモ」をぜひ拝みたいところだ。