かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

赤目四十八滝、再訪。

2011-06-30 15:43:30 | コケをめぐる旅

ホウオウゴケの一種。滝の水気を浴びて、じゅうぶんに潤っている。6月の赤目四十八滝にて。


お待たせしました!久々のコケレポート!
(ていうか、自分が一番このレポートをまとめたくてウズウズしていた)


今回出版させていただいた「コケはともだち」の執筆を終え、
〝自分、執筆おつかれさま旅行!〟として、
6月中旬、コケをめぐる旅、その名も「コケトリップ」へ行ってきた。

今回のルートは三重から和歌山に入り、
最後に実家のある神戸へ。

たった3日の旅だったが、
コケと出会い、コケに癒され、
とても充実した旅であった。


まずは、以前一度訪れて、必ずや再訪したい!と
恋焦がれていた赤目四十八滝(三重県)へ。

ここはその昔、不動明王が赤い目の牛に乗って
現れたという伝説のある場所で、
見ごたえのある大きな滝が何本も流れる渓谷である。



▲四十八滝との名の通り、美しい滝がそこかしこに。川にはサンショウウオも住むといわれている。
ちなみに「四十八」とは「たくさん」の意味だそうで、実際は48以上の滝があるそう。


渓谷は遊歩道が通っている約4キロの道のりのうち、
最初の200m強より奥は、明治の中ごろまで未開の地であった。

いまも人の手があまり加えられていないせいか、
巨木が多いのはもちろん、地面や岩場は一面コケだらけ。
まさにコケの森といっても過言ではないくらいである。

平日だったせいか人けも少なく、
滝を落ちる水の音以外は何も聞こえない。

しかしじっくりと耳をすませばコケたちの静かな息づかいが
聞こえてきそうな、どこか神秘的な雰囲気が辺りには漂う。

じっとしばらくその場にたたずんでいると、
ルーペを使わずとも、まるで自分がコケの森に迷い込んだような気になり、
ややもするとその緑に飲み込まれてしまうんじゃないかと
ひるんでしまいそうになるほど、静かな迫力で満ちている。



▲コケだらけの石碑。



▲川沿いの遊歩道。岩壁はまさにコケの壁!



▲コケの森にはつきもの、コケからにょきっと伸び出てきたキノコ。



さらにここはコケの量もさることながら種類が非常に豊富。

ここのコケを調べれば、かなり充実したコケ図鑑が
あっという間に完成するのではないかと思えるほどである。


歩きながら前回訪れたときに出会ったコケが
お変わりなく元気なのを確認しつつ、
新たな面々との嬉しい出会いも次から次へ。


なかでもとりわけテンションが上がったのが、これ。



▲「オオカサゴケ」(おそらく)。茎のてっぺんに葉が集まってつき、傘状に見える。


見た目が大変美しく、そしてコケとしてははかなり大型で、
手元の図鑑を読むと「直立茎の長さ6~8cm」とある。

コケと知らなければ、草と勘違いする人も多いだろう。



ちなみに今回訪れて新たに気づいたこと。

この渓谷は入り口を一歩踏み入ったときから、
なんともいえない、爽やかな香りで包まれている。

本当に何とも上手い形容詞が見つからないのだが、
ハーブのようなスーッと清涼感のある香りというか・・・。

一般的にコケはおおむね味も香りも良くないといわれているが、
ここで感じた香り、私はきらいじゃない。

ただ、これはたぶんこれはコケだけの香りではなく、
コケをよりどころに生えるシダ、キノコ、大木たち、そして清らかな水、
それぞれの香りが合わさってできた、独特の芳香なのかもしれない。


●おまけ

  

  
▲(左上から)近鉄電車。サンショウウオがモチーフの水場。
 倒木に生えたキノコ!? 川辺の岩の上で一休み中のカゲロウ。

告知:7月にコケとキノコの観察会(東京理科大学野田キャンパスにて)

2011-06-21 12:20:02 | 文系女子のコケ目線



荻窪での「コケナイト」を無事に終え、
先週いっぱいは三重、和歌山、そして実家のある神戸へ。

「コケの旅」と自分の中で称したこの旅行は、
去年暮れの本の執筆後半あたり(一番しんどかったとき!)から夢見ていた、
「『コケとも』執筆おつかれ!自分へのごほうび旅行」なのであった。

コケ好きは旅をするにも
やはりコケを求めて方々を歩き、
出会った先々でコケに癒され、
また同時に刺激を受けるのが、
なによりの幸せなわけで。

旅の収穫はまた後ほどレポートするとして、
今回は取り急ぎのお知らせを。


私のコケ友の一人であり、大学でコケの研究をされている
中島さんからリクエストがあり、来月、コケとキノコの普及を目的とした
「コケとキノコの観察会・講演会」のボランティア講師をすることになりました。


詳細は以下のとおり。

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「コケとキノコの観察会・講演会」

●日時:2011年7月24日(日)
●集合時間&場所:午前10時に東武野田線「運河駅」集合(新宿から電車で約60分。秋葉原から約38分)。
         午後3時終了予定。

●観察場所:東京理科大学野田キャンパス(千葉県野田市)および理窓会記念野田自然公園

●担当講師:キノコ/浅井郁夫さん、コケ/藤井久子(いずれも日本蘚苔類学会・岡山コケの会会員)
●内容:コケ班とキノコ班にわかれ、コケとキノコを観察
 (班のメンバーは入れ替え制。参加者全員がキノコ・コケの両方を観察します)。
 座学もあり(私は主に『コケはともだち』を書いたいきさつなどについて話す予定)

●参加対象:コケ・キノコ観察の初心者
●申し込み(Eメールのみ):中島啓光(世話人)さん宛てにメール。
              h-nakaji@ynu.ac.jp

※持ち物や雨天決行か等々は、申し込みをされた方に追ってご連絡します。

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浅井郁夫さんは、キノコやコケに興味を持った人が
インターネットで調べたら必ずいきつくことになるであろうサイト、
「きのこ雑記」「コケ雑記」を書かれているご本人。

以下のサイトを見ていただけるとわかるのだが、
とにかく観察の記録がこと細かに記されていて、
コケもキノコもものすごい情報量。

私もコケに興味を持った当初はたびたび
同定の参考にさせていただいたことがある。

◆きのこ雑記
http://fungi.sakura.ne.jp/

◆こけ雑記
http://fungi.sakura.ne.jp/m_index.html

当日は浅井さんから
どんなキノコのお話が聞けるのか
私もいまからとても楽しみ!


ちなみにコケやキノコ(だけでなく植物全般ですが)の観察は、
あまり人数が多いとなにかと都合が悪い。

なので、募集人数はあまり多くなかったはず(10数名程度だったかな)。

ご興味のある方はぜひ、お申し込みくださいマセ!

コケ好きたちのお祭り「コケナイト☆」開かれる!

2011-06-13 14:51:11 | 東京コケスポット

▲コケっぽいファッションで集った「コケナイト☆」。荻窪・6次元にて。



先週の金曜日のこと。

『コケはともだち』の出版記念イベントとして
コケ好きたちのお祭り「コケナイト☆」が開催された。


そもそものきっかけは『コケはともだち』が出版されてから
まもなくして行ったコケを扱うお店を巡る「コケとも行脚」の帰り道に、
ふらりとと立ち寄った荻窪のカフェ「6次元」での、店主・中村さんのひと言。

「この場所を使ってなにかコケのイベントをしましょうよ!」


ツイッターを中心にイベント告知をしたところ、
大変な反響があったようで、最初は「募集人数25人くらい」としていたのが
どんどん予約が入り、いつのまにか30人を過ぎ、
さらに前日には毎日新聞に本の紹介と共に
イベントの案内が出たことも重なって、さらなる問い合わせが相次ぎ、
結局、当日は40人ほどが集まってくださった。

 ※ちなみにお店のキャパシティーの問題で、
  申し込みをお断りさせていただいた方もたくさんいたとか。
  また、6次元に私への質問・メッセージを
  メールで送ってくださった方もいたと聞きました。
  後日、お返事しますのでもう少々お待ちください。


そのときの様子が上記の写真(照明が暗めなのでボケてますが)。


蓋を開けてみるまで、どういう人が集まるのか、
じつは私たち主催者側もまったく見当が付かなかったのだが、
この日、参加していただいていた方の大半は、

「コケに心ひかれるけど、詳しいことはよく知らないんです」

というコケ初心者。


そこで前半は、『コケとも』で書いた初歩的なコケの生態について
画像とイラストを交えつつ、さらに本物のコケも持ち込んで私が説明。

後半は、この本のイラストを描いてくださった永井さんが、
コケガール、コケージョたちの「2011秋冬ファッション」と、
「コケ好き・コケ美さんの恋愛術講座」と題したイラストを紙芝居方式で披露。


生のコケをルーペでのぞいてもらうくだりでは、
あちらこちらから「わぁ、きれい!」「かわいい!!」との声が飛び交い、
皆さんそれぞれにコケの森へと入って行かれたご様子。

また、永井さんの衝撃的なコケファッション提案、
コケ美の恋愛術に会場は爆笑だった。



▲コケ好きなコケ美さんの恋愛術を説く永井さん。



また、この日はすべてがコケづくしで。

食べるのは「コケーキ」、飲むのは「コケカクテル」
(ネタばれすると抹茶味なんですが、でもこれがめちゃ美味しい)。



▲コケーキ。



また、参加者のドレスコードが「コケっぽいファッション」ということで、
各自が思い思いのコケファッションで参加。

たとえば、緑のワンピース、緑のTシャツ・ポロシャツ、
緑の指輪、緑の靴下(しかもペアルックで左右別色の緑!)
また頭には緑の帽子(しかもコケの群落っぽいモコッとした)や緑のバンダナをつける人、
しまいには、本物のコケを埋め込んだネックレスやピアスを
着用する人まで出てくるシマツ(←この人は私のブログでもおなじみのコケ友・よ2さん!)。


はたまた、ちょっと視点を変えて、

「緑色の服は持ってないんですけど、触り心地がコケっぽくて」

とフェルト地のワンピースを着て来てくださった方もいた。

さらには、マイ苔玉をつれてきてくださった方、
さし入れとして卵ボーロならぬ「コケボーロ」を
一から手作りしてきてくださった方も。

うーん、なんてみんなコケに熱いんだ!



▲さし入れの「コケボーロ」。


終盤には参加者各自に「コケ愛」「コケ道」について、
ひと言ずつしゃべっていただくコーナーも設け、
四国でおすすめのコケスポットや、
「苔玉合コン」なるものの体験談も披露され、みな興味津々。

大盛り上がりの、愉快な「コケナイト☆」となった。


ちなみに、発売から2週間、各方面から本当にご好評をいただき、
おかげさまでこのたび『コケはともだち』は重版が決定しました。

それにちなんで、また今回参加できなかった方々からの強いご要望もあり、
一晩限りと思っていた「コケナイト☆」も重版記念として
7月に第2回を開催する方向で、いま計画を進めています。

場所はまた、荻窪の6次元にて。
詳細はしばらくしたら、
また改めてお知らせします。



●おまけ


▲舞台裏。打ち合わせで入った6次元近くのファミレスにて。
 会場で配る生コケを入念にチェックする永井さんとリトルモアのFさん。




▲参加者へのお土産は、私の撮りためたコケ写真をプリントしたコケカード。
 さらにリトルモア・Kさんの渾身の作「コケステッカー」に、
「コケティッシュ」(←なんと洒落がきいてること!)

本屋さんにコケが!!

2011-06-08 09:02:22 | コケの本棚

▲札幌の紀伊国屋書店にて。書店員さま直筆のコケ&K子さんPOP。



先日のラジオ出演もおかげさまでどうにか無事に終わった。

生放送、しかもJ-WAVEの女神ともいえる、
DJレイチェルさんを前に、かなり緊張したものの、
レイチェルさんももともとコケに興味があったとのことで、
オンエア外でもコケの話で盛り上がった。

放送を聞いてくれていた友人のJくんによると、

「最初は緊張しているなぁと思って聞いていたら、
 コケについて話を振られた途端、
 いきなり声が3倍くらいで大きくなって、
 『でかっ!』と思ってびっくりした」

とのこと。

びっくりさせて、すみません。
でも、とても楽しいひと時でした。



さて『コケはともだち』が発売から2週間がたち、
私がいま感じていること。

それは、なんとなくだけどコケが好きな人、
コケのことが気になっている人が、
世間には意外に多いんだなぁということだ(これはとても嬉しいことだ)。

出版社のリトルモアさんがされているツイッターでは、
一般の読者の方から「おもしろい」「本屋で見つけ心惹かれてすぐに買った」というような、
嬉しい声がいくつもリツイート(っていうんだっけ?)されている。

私としては好きなことを追求し、本まで書かせてもらった上に、
こういう反響がいただけるなんて、本当にありがたいこと。


一方、著者がのほほんと出版の喜びに浸っている間にも、
書店ではいま、ポップやパネルで本を押してくださっているとか。

さらに以下の書店では、本物のコケたちが
自ら出向して客引きをしてくれているらしい。


<東京>
1.リブロ渋谷店
2.ジュンク堂書店渋谷店
3.文教堂書店二子玉店
4.リブロ池袋店
5.三省堂書店神保町 (5階理工書売り場の一角)
6.往来堂千駄木店
7.ジュンク堂新宿店
8.紀伊國屋書店新宿南店(サブカルコーナー。後に実用コーナーにて展示予定)
9.啓文堂書店吉祥寺店 書店員様のツイッターより→http://p.twipple.jp/a9LB9


      
▲ジュンク堂渋谷店(左)とリブロ渋谷店(右)。ケースに入っているのがコケたち。



▲二子玉川店



<大阪>
1.紀伊國屋書店梅田店
2.なんばパークス店


   
▲紀伊国屋梅田店


  
▲なんばパークス店



<北海道>
1.紀伊国屋札幌店






さすがにコケなので絵づらが地味・・・。

されどコケたちにとっては、
まさかコケに生まれて書店に立つ日が来るなんて、
思ってもみましょうか!?

これはコケの人生のなかでは
かなり劇的な思い出となりましょう。


ありがとう、コケ。
ありがとう、おおらかな書店員さんたち。


とういうわけで、いまなら上記の書店には
コケたちがあなたをお待ち申しております。

どうぞお店に足を運んでいただいた際には、
コケたちに会っていってやってくださいまし。



※ちなみになかには、
部屋の湿度でケースがくもってコケがよく見えない、
また逆に、ケースの蓋が外されていて、
コケが乾燥していてお疲れの様子だった、
という報告が何件かきている。

どうぞ、そういうコケを見つけたら、
ひとことこちらにお声がけくださいマセ!

本日6/1(水) 14:00~ J-WAVEに出演します。

2011-06-01 09:48:01 | 東京コケスポット
今日、J-WAVE(81.3)の「ランデブー」という番組に、
『コケはともだち』の紹介で出ることになりました。

14時頃から30分くらいです。

よろしかったら聞いてみてください。

よろしくおたの申します。m(_ _)m


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最近バタバタしていて、
急なお知らせになってしまった・・・。

梅雨に入り、コケもいつにも増して緑が濃くなってきたよう。
ひと段落ついたら・・・コケ行脚しに行こうかな。



▲ウツクシハネゴケ。私の中のコケの聖地、屋久島・白谷雲水峡にて。