かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

コケとパワースポット

2010-02-15 13:47:43 | コケをめぐる旅



先日、久しぶりにコンビニに入った。

ふと雑誌の棚に今月号の「CREA」が目に入り、衝動買い。
いつもはほとんど雑誌は買わないのだけれど。


「47都道府県のパワースポット」という
特集の見出しに心がすいよせられてしまったのだった。






私がパワースポットに
興味があるというのはほかでもない。

必ずと言っていいほど、
そこがコケの宝庫だからだ。

もちろん霊験あらたかなパワーに
あやかりたいという気持ちも
ちょっとはあるのだけれど。


伊勢神宮の大木、高野山の参道にたたずむお地蔵さん、
屋久島の森、高千穂の滝つぼ、誌面を見ると
パワースポットと呼ばれる場所のほとんどが、やはり苔むしている。


思わずにんまり。

買ってよかった。



そして心は去年行った屋久島へ。


森の中であらゆる動植物の命が
みなぎっているあのかんじ。

いや、土、空気、光、命のないものまでも
森の中ではなんか「満ちている」と感じられた。


もちろん森一帯を覆うコケも
そういったエネルギーを受け、
また自らも生命力に満ちて
キラキラと輝いていた。


大木の下で光と影を交互に受けるコケたちは
なんと青々として、みずみずしかったことか。

しかしそのコケたちこそが、
頭上の大木がかつて人の指の長さにも
満たない幼木だったときには、
ふかふかのベッドとなってその成長を助けていたのだ。


屋久島にはそういった生命の連鎖があふれている。

たくさんの命と風土が
みな繋がっていることが肌で感じられる。


むしろ私はその中心が
コケであるといっても
過言ではないと思っている。


そのことは現地へ行けばきっと、
コケに興味がない人でも感じるはず。



▲屋久島のコケに覆われた森でくらすヤクシカ。




パワースポットと呼ばれる
神社、霊山、巨木なんかはよく、
「神様のいる場所」なんて言われる。


でも結局のところ、神様がいようがいまいがその場所が
訪れた人に「何かをしてくれる」というわけではない。


ただそれでも多くの人は、「何かを感じること」を求めて訪れるのだ。



苔の魅力もしかり。


むろん屋久島でなくていい。


山登りの際、苔に覆われた
静かな林の中を歩いていると、
心が落ち着くなぁと感じたり。


ルーペでのぞくと、小さいながらも
そのいきいきとした姿に元気をもらえたり。


春になって苔玉が新芽を出すのを見ると、
ホッと気持ちが和んだり。



考えたり、知識を増やすことよりも、
そんな「感じてパワーをもらうこと」に
コケの最大の魅力があるように思う。



あともう少し暖かくなったら、
苔にちなんだパワースポット巡りでも
始めようかなぁと思った次第だ。