かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

コケ関連情報:9/2(日) 奥入瀬にて糞土師・伊沢正名さんの特別講演会

2012-08-17 10:26:33 | 文系女子のコケ目線



以前このブログで紹介した青森県・奥入瀬のモスプロジェクト、
全10回の予定で開催されている講習会も6月から回を重ね、
9月にはその第4回講習会として、伊沢正名さんが現地で講演をされる。


伊沢さんといえば、コケが好きな方なら誰もがご存じ(知らなきゃモグリと言っても過言じゃないと思います)、
もしくはキノコや粘菌の世界でも何冊もすばらしい図鑑を残されている写真家でいらっしゃる。
そして最近は、「糞土師(ふんどし)」としてもご活躍されている。

モスプロの主催者の一人であるノースビレッジの河井さんから、
そんな伊沢さんの貴重なお話を一般の人が無料で聴ける機会を設けたという
趣旨のメールを頂いた。河井さんいわく、

「奥入瀬モス・プロジェクトでは、次回のガイド研修会に、
 かの伊沢正名さんをお呼びするのですが、
 うち9月2日の午後を、一般の方の聴講も可能な<特別講演>といたしました。
 この機会に、できるだけ多くの方に伊沢さんのお話を聴いて頂きたいと思っております。

 講演テーマは蘚苔類の研修とは直接的な関係は薄いのですが、
 隠花植物写真の第一人者がたどりついた思想であること、
 そしてこれからの循環型社会を真剣に考えていくうえで、
 とても貴重なお話であることから、講演をお願いを致しました」

とのこと。


伊沢さんのお話が聞けるのは、たしかにめったにない機会。
しかも豊かな自然が残る奥入瀬というすばらしいロケーション!

奥入瀬の魅力は、河井さんのブログをご覧になられたらよくわかるかと思います。
「ネイチャーランブリング」といって、ゆっくり森を歩いて楽しむツアーはまさにコケ好きにはうってつけ。
しかも、現地にはコケ大好き&コケ勉強に熱心なガイドさんがたくさんおられるようです。


ご興味がある方は、ぜひこの機会に奥入瀬へ足を運ばれてはいかがでしょうか。



●日時:9月2日(日)14時~16時

●会場:奥入瀬渓流館

●定員:50名(要申込み)

●入場:無料

●お申込み・お問い合わせ:ノースビレッジ TEL0176-70-5955



夏のAKM48 その2

2012-08-13 14:40:27 | コケをめぐる旅

▲ヒノキゴケ(三重県・赤目四十八滝 6月下旬)


今回のAKM48で一番の美人さん。

前回訪れた春は、ヒノキゴケはどの群落も
あまり元気がなく、存在感が薄かったのだが、
今回訪れるまでの数か月の間で新芽も生えそろったようだ。

歩いているとこのエメラルドのような輝きが
何度も目に飛び込んできて、そのたびに足をとめずにはいられない。

ヒノキゴケはもともと好きなコケの一つではあるが、
このフワフワとした丸み、潤い感、
そしてなんといっても幻想的なたたずまい、
私の中の総選挙では堂々の第1位です。

ちなみに頭の上から出ている2本の角のようなものは、
おそらくシダの一種であるトウゲシバの仲間。

彼らのおかげでヒノキゴケがまるで森の精霊のような、
ある種のキャラクターのように見えてくる。

なにかこちらに向かって話しかけているみたいだ。




▲他にもこのようにあちらこちらで元気なヒノキゴケの群落と出会えた。


夏のAKM48 その1

2012-08-04 13:17:03 | コケをめぐる旅

▲コマチゴケの雄株の群落。(三重県・赤目四十八滝 6月下旬)


いよいよ夏本番、暑い日が続く。

先週・今週と珍しく仕事が忙しく、
さらにオリンピックも気になるしで
またもブログを定期的に更新できず・・・。 ←なんかコレ、毎回言ってますね。。。

そんなわけでそんな時は無理しないで
しばらくは短縮バージョンでお届けしたい(とか言っといて結局以下、長文ですが…汗)。


今年、できる限り回数を重ねて
訪れようとしている赤目四十八瀧(略してAKM48!)。

6月下旬に3回目の訪問が叶い、
またAKM48のコケたちに会ってきた。

前回訪問の時には気づかなかった
ニューフェースたちも何種類か。

その中でもとくに印象的だったのが、
冒頭に載せたコマチゴケ(雄株)だ。


肉厚で柔らかく、そのまま大きくなれば
多肉植物のようにも見えるこのコケは、
女性的な可憐で美しい見た目から
絶世の美女と名高い平安時代の女流歌人・小野小町の
名前を頂いてその名がついたとか。


じつは花のように見えるものの
中心部分は、精子をつくる造精器。

よ~く見ると、この中心部分が、
花びらのように見える葉の部分よりも
くぼんで高さが低くなっているのがわかる。





このような造精器の構造は専門用語で
「スプラッシュ・カップ」と呼ばれ、
雨や朝露で水滴がくぼみに落ちれば、
水がたまるという仕組み。

つまり、コケの精子は水を介して雌株の造卵器へと移動するため、
カップ状にくぼんだ造精器の部分に水をためておけば、
新たに雨粒などが当たった時に、うまく精子が周囲に飛び散る。

そして運がよければそのまま雌株のもとへ。

ただ美しいだけかと思いきや!

コケが効率よく繁殖することを
追求した結果生まれた機能美というわけか。

う~ん、エクセレント!



▲生えていた場所は、こんな感じ。瀧のそばの、湿度たっぷり、マイナスイオンたっぷりの涼しい日陰がお好きのよう。



●おまけ

ちなみにこれら雄株、造精器の部分が黄色っぽい。
しかし手元の図鑑をいくつか見ると、
黄色ではなく緑色をしている写真ばかりが載っていた。

時季から察するに、まだ若い造精器だから黄色で、
これから成熟すると緑色になるということだろうか。

次回訪れたときはもう一度よく観察したいと思うが、
どなたかご存じの方がいらっしゃったら、よかったら教えてください。