かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

私のなかの春一番

2011-01-25 18:30:33 | コケをめぐる旅
世間で言われる「春一番」にはまだ遠いけど、
コケの春は他の植物よりちょっと早く訪れる。


今月から毎月の予定で、お寺好きの友人と、
「鎌倉三十三観音&コケを巡る旅」を始めた。

第九番「浄妙寺」の庭で見つけた
コバノチョウチンゴケの若い胞子体。

これが私のなかの春一番。



▲地面から見えるたくさんの赤い針のようなもの。これが胞子体だ。



また、コバノチョウチンゴケは胞子体と新芽がほぼ同時期に出る。
 
もう少ししたら先端の(胞子を入れる袋)が膨らんできて、
新芽ももっと長く伸びてくるだろう。

来月またどこかのお寺で会えるかな。


これこそ春にしか出会えない、美しいコケの顔。



▲胞子体の足元の若い緑色が新芽。

必見!明日の朝7:24から →見逃した!?(追記あり)→コメントにて解決

2011-01-24 18:28:07 | 文系女子のコケ目線
先週、岡山コケの会のメーリングリストで、
以下の情報が回ってきた。

私はまったく関与していないことなのですが、
なんといってもコケのこと。


より多くの人に見てもらう機会となりますよう、
微力ながらここでも告知をさせていただきます。


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●日テレのズームイン・スーパー「おはまりさん」のコーナーにて。
 明日1月25日(火)朝7:24~7:32頃の放送予定。

40年間コケにはまっておられるMさんが取材を受け、出演。

「綺麗な『こけ庭』がうつしだされるとおもいますので、
そこだけはご覧いただけたらと思います」

とのこと。

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この時間なら、出勤前の人も多いですよね。

明日の朝が、とっても楽しみ。
見逃さないように予約録画もしておこう。


最後に関係ないけど。。
お年玉つき年賀状、今年も1枚として当たらなかった・・・。涙

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<追記>1月25日AM10:00

すみません、今朝、上記の時間含む前後30分を予約録画して
見てみたのですが、放送されずだったようです。

いつもの電車を1本遅らせてでも、
この時間にテレビの前でスタンバッていらっしゃった方がいたら、
本当に申し訳ない。心からお詫び申し上げます。


それにしてもなぜ放送されなかったのか・・・。
生放送特有の急な構成変更?
それとも地域によってコーナーがちがう!?(ちなみに私は関東です)
もしくは私が見逃しただけなのか・・・。

もしご覧になった方がいたら、よければ教えてください。
楽しみにしてただけに・・・うーん、気になる・・・

京都の苔庭めぐり<②法然院>

2011-01-21 11:15:42 | コケをめぐる旅

▲京都・法然院にて。

昨夜のこと。

湯たんぽに湯を入れるため、
やかんを手にしたところ、

チリチリッ。

ふいに、こんな音がした。


音の先を見てみると・・・


やられた。

うっかり髪の一部が燃えている。


みなさまもどうか火の取り扱いにはお気をつけて。
この季節、乾燥していて普段以上に燃えますので。
くれぐれも私のようにはならぬよう・・・。涙

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さて、気を取り直して京都コケ巡りの続き。


銀閣寺を後にした私たちは、
次に徒歩10分くらいの所にある法然院へ。

ここは法然上人(鎌倉時代の方)ゆかりの地に建てられた念佛道場が起源。

建立は1680年(江戸時代初期)というから、
京都の中ではやや若手のお寺と言えるかもしれない。


銀閣寺がめっぽう混んでいたのに対し、
ここはそう離れていないにもかかわらず、
非常に穴場(しかも参拝無料)。

人けもない静けさの中、
まずはじっくり山門を鑑賞する。



▲あらあら、なにやら立派な山門が見えてきました。




▲コケに覆われる屋根。思わず三脚を立てる友人。



山門をくぐると、白い盛り砂。
「白砂壇(びゃくさだん)」というらしい。





この盛り砂を水に見立て、この間を通ることは
心身の浄化してから境内に入ることを意味しているという。

砂なのに水。水を置かずにあえて砂。なんか不思議。
きっとなにか仏教的な意味があるのだろう。


そして盛り砂の間を抜け、ふと振り返る。


すると入り口よりも、こっちのほうがすごかった!


▲どーん! 屋根全面にコケ。ハイゴケ系だった。



また、こじんまりした庭もコケの緑で埋め尽くされており、
さらに雨上がりということもあって、マットはふかふか。




ここもメインはハイゴケ。
でもオオスギゴケ(もしくはウマスギゴケかもしれない)も、じわじわと。






▲ヒノキゴケの巨大群落。木の根元も見えやしないほど。




▲こちらは社殿の裏手。表の庭で活躍できなかったオオスギゴケが、
ここでは植え込みから脱走中。道に侵入してくるほど元気があります。




▲「もはやオレたちに国境はねぇ!」とばかりに裸地にわらわらと広がり始めた
ボーダレスなオオスギゴケさんたち。でも紅葉が舞いちり、意外と風流!?


光線が足りなくていまいち写真がきれいに撮れず、
本来のコケの美しさをお伝えしきれないのがザンネンだが、
こじんまりしたお庭でコケとゆっくり対話ができる、とてもいい寺院だった。



●おまけ
コケめぐりの後は、街なかへ繰り出す。

京都はなんだかんだで毎年1~2回は訪れているけど、
そのたびに私の中の新名所ができる。


とくに最近は古い街並みの中に(もしくはそれを活用して)、
どんどん新しい灯がともされ始めている印象。


  
▲お茶のペットボトルでおなじみの「伊右衛門」が京都ではおしゃれなカフェに。
 ホソバオキナゴケを使った見事な盆栽がお出迎え。




▲友人の粋な計らいで、町家をリフォームしたおしゃれなレストランでランチ。
 お料理が美味しくて写真を撮り忘れた。なので、水だけ。


京都の苔庭めぐり<①銀閣寺>

2011-01-10 13:57:18 | コケをめぐる旅

▲京都・慈照寺(銀閣寺)の東求堂(とうぐどう)。国宝。



あけましておめでとうございます。
2011年、早くも2度目の月曜日。祝日・成人の日。

すっかり年が明けてしまいましたが、
今年もコケを入り口として自然に畏敬の念を忘れず、
コケたちと楽しいお付き合いができるよう、そして、
より多くの人がコケの存在に気づいてくださるよう願って、
あれこれ、気ままに綴っていこうと思います。

どうぞよろしくお付き合いくださいマセ。


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なんやかんやと年明けから、
旧年中にやりきれなかったことを、
コツコツとこなす日々が続いている。


いや、「こなす」と言ってはこぬるい、
水脈を求めてひたすら地を掘り続けているとでもいうべきか。

それにつけても時間がない中で、
寄って見て、引いて眺めて、また寄せて見る。

結局この一連の流れを何日もかけて成さないと、
よい着地点を見つけられない自分に辟易しつつ、
とはいえ今までにない未知の経験の積み重ねに
心にはどんどん嬉しい財産がたまっていっているというか。


なんとも複雑きわまる心理状態の年始めなのだが、
ふとベランダを見ると、わが家のコケ鉢たちが
冬のわずかな日光を浴びながら、日に日に緑が蘇っていて
その小さくもしたたかな生命力に、ホッと心が癒される。

そして旅の行く先々で撮ったコケ写真をめくって
出会ったコケたち、人たちに思いを馳せるひと時の幸福感。


相変わらずの性分である。



さて、もう「昨年の出来事」と書くと古めかしく聞こえてしまうが、
12月30日、帰省がてら友人と会うために京都へ。

友人に付き合ってもらい、久々に銀閣寺を訪ねる。


年の瀬にもかかわらず、観光客であふれかえる界隈。
しかし、やはり一歩、境内に入るとパッと空気が変わる。


うまく言葉にできないけど、
歴史深い場所ならではの
神聖な雰囲気とでもいおうか。



▲右奥はかの有名な銀閣(国宝)。手前の縞状の砂が「銀沙難(ぎんしゃだん)」、
 カップ状の砂山が「光月台(こうげつだい)」で高さ180cmもある。



▲友人も「人工物より自然に興味あり!」な人なので、
国宝の建造物見物はそこそこに、二人はじっくり苔庭観察。




▲朝露に濡れてフカフカのエゾスナゴケのマット。
 近隣からの流れ者らしきオオスギゴケも、負けじと群落を形成中!?



銀閣寺は室町幕府第8代将軍・足利義政が
1482年に造営した山荘が起こりという。

いつごろからかはわからないけれど、
庭のコケたちも寺と共に少なからぬ
歴史を歩んできたはずである。

そしてある時からは「国宝の寺」として
世界各地から観光客が押し寄せるようになると、
コケたちも「ただのコケ」から「見られるコケ」へ。

よりいっそう気を引き締めて、
この幽玄なムードを守り続けてきたに
ちがいあるまい。


そんな妄想を膨らませながら歩いて回ると、
岩にへばりついているコケひとつさえ、
なんとも趣き深く見えてくる。



▲「洗月泉」。この何色にもわたる、コケの緑のコントラストといったら!!
 コケたちの「どやさ!?」が聞こえんばかりの美しさ!



▲本寺は東山の山麓に位置するので、斜面を生かした景観作り。
 日向と日影とバランスもいいのだろう、コケたちも上手に住み分けて暮らしているご様子。




▲木の根元が好きなのは、ホソバオキナゴケ。
 他のコケと住み分けしている姿が、色に顕著に出ていておもしろい。




▲斜面を覆うコケたち。写真じゃ伝わりにくいが、かなり厚みのあるマット。
 そんじょそこらの年月じゃ、この厚みとうねりは出せまいて!
 



▲大きな木の根元は、木を好むコケたちの集合住宅。何種もの緑色が覆う。




▲アップで見てみると、ヒノキゴケの群落が。私の好きなコケのひとつでもある。



また、何人かの通りすがりの人が、

「ここはコケがすごく元気なんだね、なんかいいね」

というようなことを連れ合いに話されているのを小耳に挟み、
なんだかこっちまで嬉しくなってしまった。

これからも、がんばれ!コケさんたちよ!



雨がそぼ降る中、2時間ほど散策しただろうか。


雨脚が強くなってきたので、
出口で傘を買い、団子屋で休憩。


最近、野鳥を撮るために買ったという
友人のカメラを見せてもらいながら、
今度は野鳥談義に花が咲く。



●今回出会ったコケ
・オオスギゴケ
・ナミガタタチゴケ
・コバノチョウチンゴケ
・ヒノキゴケ
・ハイゴケ
・ホソバオキナゴケ
・コツボゴケ
・エゾスナゴケ
・ジャゴケ 
・樹幹にも何種か ・・・などなど。



●おたずねもの
木の根元にハイゴケ、ホソバオキナゴケに混じって群落を形成。
ルーペで見るには足場が悪く、また取って帰るわけにもいかず、
帰宅後、写真を図鑑と照らし合わせて見るも不明。
似ている限りでは、ラセンゴケかな?


▲斜面に生えている木の根元のやや日影がちなところに生えていた。


▲アップ。やわらかな葉が内側に巻き込むようになって、全体が長細いシッポのよう。