かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

苔のむすまで

2009-12-31 15:07:30 | コケをめぐる旅
クリスマスが終わるとあっという間に師走ムード。

ここ数日は年賀状書きと大掃除に押されて、
なかなかブログが更新できず・・・。

ようやく一段落が付いた。


このブログを読まれるみなさんも、
新年の準備もすんで落ち着かれたところだろうか。



今回はこれが今年ラストの更新ということで、
年明けには足を運ぶ人も多いであろう
社寺仏閣のコケに注目したい。


「寺にコケ」といえば京都の苔寺(西芳寺)を
思い浮かべる方は多いと思うが、
近所のお寺や神社でも魅力的なコケはたくさんある。


例えばどこの社寺仏閣にもある、ご神木、石垣や石段、石灯篭、
そして参拝前に身を清める手水舎(ちょうずしゃ)の水溜めなどを
よく見てみてみると・・・









ほら、こんなところやあんなところに
コケを見つけることができるはず。




社寺仏閣に生えているコケは、
道端に生えているコケとは何かちがう、
風格のようなものを感じる。


堂々としておごそかなたたずまいで、
それこそ“苔のむすまで”社寺仏閣と
長い時間をともにしてきた
「悠久のエネルギー」とでもいおうか。


今年の夏に「関西コケ巡り」と称した一人旅で訪れた
和歌山県新宮市にある神倉神社で見たコケたちは、
とくにそういったパワーに満ちあふれていた。


そんなコケたちをぜひここで紹介したい。



でもその前にまず、
神倉神社についてちょっとだけ説明を。


神倉神社一帯はいわゆる「熊野地方」と呼ばれ、
この神社から徒歩で行ける熊野速玉大社は世界遺産にも登録されている。


神倉神社はその熊野速玉大社と由縁が深く、
「ゴトビキ岩」と呼ばれる巨石が御神体である。

また毎年2月には「お燈祭り(おとうまつり)」という
1400年も続く男の火祭りが行なわれることでも有名な神社だ。




▲社殿とゴトビキ岩。



山の斜面に位置していることもあり、
境内はたっぷりの緑に囲まれ、
清水も湧き出ていている。


なので当然、コケも生気に満ちて元気いっぱいのご様子。


たとえば境内の水路に生えていたコケはこんなかんじ。







▲どうですか、この緑のコントラストの美しさ!!






▲寄って見るとこんなかんじ。
 まるでコケ界のエメラルドと翡翠が一堂に現れたようだ!!(←おおげさ。笑)




さらに一つひとつをよく見てみよう。

(一昨日から実家に戻っていて、うっかりコケ図鑑を持ち合わせていないので、
 たしかな同定はできないが・・・)




▲たぶんシノブゴケ。







▲たぶんジャゴケ(蛇苔)。

 じめじめした所にべっとりと張りついているイメージが強いコケだけど、
 この神社では清水をいっぱいその体に受けて、今にも立ち上がりそうな勢い。




▲アップにすると蛇のようなウロコ模様がわかる。






▲石碑の足もとに群生していたコツボゴケのアップ。






▲石段の側面に群生していたコケ。いつからここを住処にしているのだろう。
 もしかしたら、昔の人もこのコケの先祖を愛でたかもしれない。



この神社のコケのあまりの多彩さと美しさに
すっかり魅了された私は、参拝もそこそこに、
結局、ルーペ片手に2時間ほど地面にへばりついていたのだった。





あなたの近所のお寺や神社はどうだろうか?


もし初詣に行かれたら“苔のむすまで”を
地で行くコケたちをぜひ見つけてあげてほしい。







-----------------------------------------------------------


<追伸>

今年もお世話になりました。

このブログを読んでいただき、
ありがとうございました。


来年もまたコケの魅力を自分なりの視点で追究しながら、
このブログでちょくちょく紹介できればと思っていますので、
またのぞいていただければ幸いです。

ではまた。良いお年を!

クリスマスプレゼント

2009-12-16 18:22:30 | 文系女子のコケ目線
クリスマスも近づく今日のこのごろ、
クリスマスカードを贈るのがマイブームだ。

かわいいカードを見つけるのが毎年の楽しみで、
どちらかと言えば年賀状よりも心が躍る。


今年見つけたのはこんなカードたち。






▲開くと飛び出すポップアップ式。近所の児童書専門書店で購入(しかも超お値引き価格だった!)。





先日のブログに書き込みをしてくれたtaitaiさんより、
「うちの職場にあるコケを見てみて」とコケの画像つきメールをいただいた。

これは私にとってはうれしいクリスマスプレゼント!!


早速拝見したところ・・・







▲建物の壁にデザインとして埋め込まれているコケ。
 なにゴケかはちょっとわからず・・・。


水が不足していたり日が当たらなかったりで
茶色くなっているコケが心配になったtaitaiさん。

ビルの業者の人に尋ねたところ、
「水をあげすぎるとコケが壁から抜けやすくなるから
水分不足ぎみがベスト」との回答を得たとのこと。


よくぞそこまで尋ねてくれました!
でもたしかにこれではちょっとコケがかわいそうな気がしてしまう・・・。



コケはかなり強い生命力を持っているので、
見放さないで面倒を見てあげていると、
枯れて見えるものもけっこう復活したりする。


蘭の鉢植えに使われているコケのように、
完全に用土の目的ならばまだしも、
オフィスの景観や緑化を目的としているのであれば、
たしかにもう少し水をあげてほしいところ・・・。


taitaiさん、ぜひこっそりがんばってくださいな!!





また、クリスマスプレゼントと言うには前だけど、
以前、友人から届いたコケにまつわるプレゼントもここで紹介したい。



▲「Muschio Bianco(イタリア語で、白いコケ)」という名の香水。


やさしい木の香り。

コケが植物たちの土台となって成り立つ、
森をイメージして作られたと思われる。


心をぎゅっとわしづかみにされたうれしいプレゼントだった。


---------------------------------------------------------------------


最後に告知を・・・。

もしよろしければご希望の方に、
上記のクリスマスカードを贈りたいと思います。
カードのチョイスはおまかせで。


さらに!

せっかくだからサプライズとして
「あなたにぴったりのコケ」を書き添えさせていただこうかなと(いらないって!?)


コケコメントはともかく、このカードはお部屋に飾るとかわいいです。
もし欲しいという方は、ぜひご一報くださいませ。

※あくまでコミュニケーションとしてカードを贈りたいと思っているので、
 べつに料金とかかかりません。念のため。

雨上がりのあとは

2009-12-04 09:33:53 | 近所のコケ


今朝はカーテンの隙間から差し込んだ
強烈な光で目が覚めた。

空は真っ青。

いわし雲ならぬしゃけ雲(いわしよりもっと大きなタイプ。勝手に命名)が
東へ退散していくところだった。


ここのブログはコケ好きの人よりも、
たぶんmixiから飛んできてくれている
読者のほうがまだ多いと思う。

なので朝から「コケコケ」言うのは
ちょっと気がひけるのだが、
今日のような爽やかな雨上がりの朝は
ぜひ地面に注目してほしい。


きっといつも目立たず地面に
へばりついているコケが、
雨水をじゅうぶんに含んで、
ふっくらと盛り上がり、
キラキラ輝いているはず。



▲自宅前のコケ。いつもの状態。



▲今朝のコケ。



これがコケとして最高に美しい状態です!!


ふだんはしずかにじっと
自然の流れに身を任せ、
ときに強烈な日ざしや乾燥を
何日も耐え忍び続けているコケ。

彼らにとって今朝の湿度は
まさに「待ってました~!!!」の
ベストコンディション。










▲近所のコケたち。ふっくら盛り上がってイキイキ!



こんな小さなものでも
地道に命を紡いでいるんだなと
見ていてハッとさせられる。


ただし雨上がりのコケは
虹のようなものだ。


乾燥して水分含有量が減ると、
あっというまに元の姿に戻ってしまう。


見られる時間が短いので、
今日午前中にでも出歩かれる人は
ぜひ注目してみてほしい。