かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』が3刷目になりました&コケ情報(雑誌にコケ特集あり)

2017-08-22 11:37:08 | コケ情報


▲獅子ヶ鼻湿原にて(2017.8月 秋田県)


残暑お見舞い申し上げます。
関東は不安定なお天気が続いているそうですが、関西はあいかわらず暑いです。
お盆休みは山形で過ごしたのですが、あちらは朝晩がとても涼しくて、久々に快適に眠ることができました。



さて、8月18日付で『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』(家の光協会)がおかげさまで3刷目に入りました。
一時、書店やAmazonで品切れ状態でご迷惑をおかけしましたが、在庫も補充されているようなので、また見かけたらお手にとっていただければ幸いです。




なお、3刷目からは何種類かのコケの線図を改定、蘚類・苔類のインデックスのズレも改善されています。
(すでに1刷目、2刷目をお持ちの方は、お持ちのものがボロボロになったら3刷目をぜひ!)



文教堂二子玉川店さん(東京)でのディスプレイ。筆者の「タマゴケのおすすめポイント」を書いた手書きPOPとともに



農業書センターさん(東京)でのディスプレイ。
 こちらもかわいいコケキャラクターとともに本物のコケを一緒に展示してくださっています


ちなみに本書でコケの生態により興味を持たれた方は、
本書の監修をしてくださった秋山弘之さん(兵庫県立人と自然の博物館)の『苔の話』(中央公論新社)がおすすめです。
通勤・通学中にも読みやすい新書サイズ。この夏の1冊にぜひ。




以上、ちょっと宣伝でした。 m(__)m



【コケ情報】

現在発売中の雑誌『岳人』(9月号)と『山野草とミニ盆栽』(夏号)はもうご覧になりましたか?

『岳人』にはコケ研究者・木村全邦さん(森と水の源流館)のインタビュー記事「コケの生態学」が4ページで掲載されています。
コケの生態の基本を抑えつつ、「食べてみました」「コケを愛でる日本人の美意識」「大阪・ミナミの水掛不動の謎」など初心者が楽しんで読める話題が満載です。





ちなみに木村さん、『こけの謎-ゲッチョ先生、コケを食う-』(盛口満著、どうぶつ舎)では、
「コケ屋のキムラさん」として登場している、あの木村さんです。



また、『山野草とミニ盆栽』では特集1「苔を楽しむ」として16ページが組まれ、北八ヶ岳のグラビアページに始まり、
岡山コケの会関西支部世話人の道盛正樹さんや、関西では知る人ぞ知るコケ育ての達人・田上順一さん、
「コケのインテリア コケリウム」主宰の岡村真史さんらが執筆・登場。
「新感覚のBONSAIたち」と題した特集2では6ページにわたり盆栽家・園芸家の方々のインタビュー記事が掲載されています。





いずれもカラーページでとても読みやすいですよ。


                  
●おまけ

この夏に訪れた和歌山県と秋田県でコケを見に山を歩いていたところ、腐生植物なるものと遭遇。
これまで腐生植物といえばギンリョウソウを5年ほど前に1度見たきりだったので、最初はこれらがいったい何かわからず。
とくに初めて見たヒナノシャクジョウは「これはもしや新種のキノコかも?!」と発見時はちょっと興奮してしまいました。



▲ヒナノシャクジョウ(2017.8月 和歌山県)



▲おそらくギンリョウソウの古株(2017.8月 秋田県) 

 (2017.8.23追記)↑ギンリョウソウではいようです。「タシロラン」や「シャクジョウソウ」の可能性ありとのご指摘をいただきました。失礼しました!

 


暑中お見舞い申し上げます。

2017-08-03 16:45:50 | 未分類

▲ムツデチョウチンゴケの雄株の雄花盤(ゆうかばん)。氷菓子みたい  (2017.6月 長野県北八ヶ岳)


暑い。とにかく毎日、えらく暑いです。

とはいえ私自身はもともと暑さにはわりと強いほうで、日に焼けるのもそれほどイヤではなかったりする。
普段から、頭が熱くなるので日傘くらいはさすけれど、アームカバーは解せない派(←どうでもよい情報ですがっ)。

じりじり焼けるアスファルトの上で街路樹のクマゼミやアブラゼミの数を数えたり、
青い空と桃色のサルスベリの見事なコントラストをぼーっと眺めたり、
洗濯ものの乾きの早さに感動したり、この暑い日々をそこそこ満喫中だ。

一方で、暑いからこそ「涼を感じる」というのもまた夏ならではの楽しみ。

というわけで、今日は視覚的に涼しさ満点、
6月に行った北八ヶ岳の森から、
涼しげなコケたちをおすそ分けいたします。

気分だけでも少し涼しくなりますように。



▲ムツデチョウチンゴケの群落。雄株の雄花盤はまるで緑の花



▲下から回り込んで見ると・・・虫の目線から見たコケってこんな感じなのかな



▲ムツデチョウチンゴケの胞子体つき雌株。ムツデ(六手または六出?)の名前の通り6本の胞子体をつけていることは、じつは意外と少ない




▲一方こちらはスジチョウチンゴケの雌株。ムツデチョウチンゴケの圧倒的存在感の影に隠れがちだが、こちらもぷっくりとした蒴(さく)がかわいらしいこと



▲スジチョウチンゴケの雄株。透きとおるように薄い葉。1枚拝借してうちわにしたい
 ※事実、分類は「ウチワチョウチンゴケ属」に属するコケだったりします



▲スジチョウチンゴケの雄株の雄花盤。雄株の雄花盤は、なんてフォトジェニック!


その花のような容姿ゆえ、チョウチンゴケ科の仲間を見ると、ついつい雄株ばかりに目がいってしまうが、
雌株の面目も立てるべく、最後に「チョウチンゴケ科のヴィーナス」と自分が勝手に呼んでいるこのお方もご紹介。


じゃじゃん!




▲タチチョウチンゴケ。東南アジアが主な生育地で、日本では南方に多い。絶滅危惧種(2015.12月 兵庫県)


このたわわな胞子体。
あるものにそっくりなことから通称があるのですが、
何かわかるでしょうか?







正解は・・・・・・「オッパイゴケ」。


そう言われると、見るほどにどこもかしこもオッパイに見えてくる不思議。
あ。ただでさえ暑いのに、最後の最後でドキドキさせちゃってスミマセン・・・。

皆さま、楽しい夏を!