かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

【コケ情報】6月は各地でコケにまつわるイベントが満載!

2018-05-15 11:08:38 | コケ情報

すっかりご無沙汰しております。久々のブログ更新です。 

ゴールデンウィークも終わり、不安定なお天気の日がありつつも、晴れた日の陽射しの強さや、
道端を日ごとに緑色で埋めていくコケや草木のあふれるような生命力を目の当たりにして初夏を感じつつある今日この頃。
このブログをのぞいてくださっている皆さま、お元気でしたでしょうか。

じつは3月はじめから体調を著しく崩してしまい、
一時は入院するなど病院にかなりお世話になったりもしていたもので、
このブログの更新もなかなかできずにいました。

当時は先がなかなか見えなかったので、いくつか約束していたことや依頼を受けていたことも
やむなくお断りせねばならなくて、ご迷惑をおかけした皆さま、その節は大変申し訳ありませんでした。

今後も、あいもかわらず気まぐれ更新ですが、
ぼちぼちマイペースに続けていこうと思います。


さて、私はコケの愛好会「岡山コケの会」とコケの学会「日本蘚苔類学会」に所属しているのですが、
季節もよくなって、これからコケにまつわるイベントが全国各地で予定されているとの情報が最近両会のMLによく流れてきます。

一般の初心者の方が参加できるものがほとんどですので、今日はそのご紹介をば。
ご興味がありましたら、各団体・施設に問い合わせてみてくださいませ。


<5/27、6/9&10~@長野県>
北八ヶ岳コケの会による「苔の森開き」・「苔の観察会」

今年も北八ヶ岳の苔の森で、5月に「苔の森開き」のイベントが、6月からは毎月1泊2日のコケ観察ツアーが開催されます。
観察会は樋口正信さんと上野健さんが交互に講師を務め、フィールドワークはもちろん、顕微鏡による観察、夜には講義や参加者によるコケ談義、
日本蘚苔類学会員である山小屋の店主の皆さんが見つけた珍しいコケの話など、楽しい集いも用意されているとのこと。
お子様のご参加も大歓迎で、夏休みの自由研究に参加されるお子様連れの方々も増えているそうです。

・日時
5月27日(日)「苔の森開き」(各小屋での前夜祭は26日)
6月9日(土)&10日(日)苔の観察会(青苔荘)
※10月まで毎月観察会を開催。受付は先着順。
・詳細・申込み きたやつネットHPにて


<6/2&3@青森県> 
「モス・ツーリズムシンポジウム2018」

奥入瀬自然観光資源研究会(通称:おいけん)が主催で今年初めて行われるイベントです。
コケ好きの間では「コケの三大聖地」としてもはや有名すぎる奥入瀬・北八ヶ岳・屋久島の各地から、
現地で第一線で活躍されている丹羽裕之さん(奥入瀬)、遠藤隆也さん(北八ヶ岳)、小原比呂志さん(屋久島)らの3人が登壇し、
モスーツーリズムの可能性を探ります。シンポジウム翌日にはコケ観察会もあり。

・日時
 6月2日(土)モス・ツーリズムシンポジウム2018 ~日本のコケ三大聖地を中心として~ :参加費無料、要申込
 6月3日(日)エクスカーション(コケ観察会):参加費1,500円、要申込
 ※5/15現在:6/3のエクスカーションは応募者多数のためいったん締め切られたとのこと。6/2のシンポジウムは受付中。
・申込み 奥入瀬自然観光資源研究会のHPにある専用申込フォームにて
・お問合せ 同じくHPに記載のメールアドレスまで



<6/3@三重県>
コケ観察会

三重県三重郡菰野町にある「三重県民の森」でコケ観察会が開かれます。
講師は三重県総合博物館の学芸員であり、コケ研究者であられる森田奈菜さん。
「三重県民の森」は自家用車でないと行きづらい場所らしいのですが、
広い敷地内には森や芝生の広場、小川など様々な環境があり、遊歩道が整備され、
テクテクお散歩しながら低地のコケを観察できるようです。

・日時 6月3日(日)10時~12時
・場所 三重県民の森(三重県三重郡菰野町千草7181-3)
・定員 20名(要事前申込・先着順)
・講師 森田奈菜氏(三重県総合博物館)
・詳細・申込み 三重県民の森HPにて



<6/16&17@長野県>
しらびそ高原のコケと地衣類を見る知る楽しむ

国立科学博物館主催、飯田市美術博物館協力による泊りがけの〝こけ合宿〟。
講師は科博の樋口正信さん(コケ類専門)、大村嘉人さん(地衣類専門)のお二人が務め、しらびそ高原のコケと地衣類を楽しみます。
毎年場所を変えて開催されているこの講座。私も以前参加しましたが、
観察地が普段はなかなかお目にかかれないようなコケや地衣類が豊富、動植物も豊富な場所ばかりなので、
勉強になることはもちろんながら、心の洗濯になるようなすばらしいコケトリップができます。
さらに魅力的な講師のお二人にも心わしづかみにされること間違いなしです!

・日時
 6月16日(土)13:00 ハイランドしらびそ集合
 6月17日(日)13:00  ハイランドしらびそ解散
・会場 しらびそ高原(長野県飯田市)
・定員 20名
・講師 樋口 正信氏、大村 嘉人氏
・詳細・問合せ 国立科学博物館のHPにて
・申込み 往復はがきかHPから。5月26日締切(申込み多数の場合は抽選)


<6/24@東京都>
コケ類入門講座:コケ類観察の基本テクニック

日本蘚苔類学会と国立科学博物館の共催。
蘚類専門の樋口正信さんと苔類専門の古木達郎さんのレクチャーを一日で受けられることから毎年人気のこのイベント。
初心者を対象に、コケ類の観察方法とそのポイントをわかりやすく解説してくださいます。
「コケに興味があるけれど、どうやって観察するのかわからない」という方、ぜひ!。

・日時 6月24日(日)10時00分~15時00分
・会場 国立科学博物館上野本館 地球館3階実験実習室
・講師 樋口正信氏(国立科学博物館)、古木達郎氏(千葉県立中央博物館)
・定員 20名(中学生以上対象)
・費用 保険料50円
・持参品 筆記用具(昼食は各自)
・詳細・問合せ 国立科学博物館のHPにて
・申込み 往復はがきかHPから。6月3日締切(申込み多数の場合は抽選)



●おまけ1:「苔むすび」さんのこと
先の土日に神奈川県鎌倉市の苔むすびさんで「鎌倉苔展」というコケ好きにはたまらないイベントが開催されました。





観察会あり、ワークショップあり、もちろん展示も充実、コケ観察が好きな人も園芸に興味がある人にも大満足のイベントのようでした。
本当はこのブログでも事前告知したかったのですが、私がモタモタしていたもので終わってからの案内で申し訳ないです。
ただ、苔むすびさんはこれからも鎌倉に常にあり続けるお店ですので、興味のある方はぜひ立ち寄ってみてください。

ちなみに、苔むすびさんの取材記事が神奈川の情報紙「タウンニュース」に掲載されています。
店主・園田さんがお店のオープンに至られた思いにとてもシンパシーを感じます。



●おまけ2:春の定点観察


▲わが家から徒歩1分の所にある花壇


今年は遠出のコケトリップができなかったぶん、初心に立ち返って身の回りのコケ(ご近所のコケ)に注目した春だった。
2月下旬から4月中旬まで近所の花壇に生えていたとあるコケ群落の成長を追い続けてみた。



▲2月24日。まだまだ寒さ厳しいなか、胞子体の柄がツンツンと長く伸びているのに気づく



▲3月1日。柄は紅色、膨らみつつある蒴は黄緑色、それぞれの色がはっきりしてきた



▲3月17日。蒴の膨らみがじょじょに目立ってくる。最初はバラバラだった蒴の大きさがいつの間にか揃うのが不思議



▲3月26日。蒴の黄緑色が不透明になり、はち切れんばかりに膨らんでいる。つい胞子体に目がいきがちだが葉の新緑も美しい



▲4月13日。サクラにちょっとうつつを抜かしている間に、気付けばこちらはベージュ系~オレンジ系の色味に変身。
 指先で蒴をちょっと動かしただけで、無数の胞子が一帯に舞い上がる。蒴がちょっと枯れて見えるこの状態こそまさに胞子成熟の時なのだろう


ちなみにコケ研究者Kさんのお見立てでは、種類はヘチマゴケの仲間だろうとのこと。
ヘチマゴケの仲間は分類がとても難しいことで有名な属の一つなのだけど、
時間がある時に顕微鏡で同定にチャレンジしてみたい。