かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

【お知らせ】7月16日(金)いよいよ発売!コケの新刊『コケ見っけ! 日本全国もふもふコケめぐり』

2021-07-06 16:52:14 | コケの本棚


▲『『コケ見っけ! 日本全国もふもふコケめぐり』(発行元:家の光協会 、著者:藤井久子)


すっかりご無沙汰しております。

前回のブログ更新から早数か月・・・。
季節はもう夏に入ろうとしていますね。
みなさまお変わりないでしょうか?

おかげさまでこちらは少し前に、ようやく新しいコケの本を書き終えまして、
ただいま原稿は印刷所に入り、仕上げを待つばかりとなりました。

7月16日(金)頃に書店の店頭に並ぶ予定です。
Amazonはじめインターネット通販、インターネット書店ではすでに予約が始まっています。



▲Amazonの本書ページ


2017年に出した前作はコケの図鑑でしたが、今回のテーマはタイトルにもあるように「コケめぐり」。
かねてからこのブログでも何度も書いてきた、コケを主目的とした旅(コケトリップ)のお話です。

ご近所から北海道、屋久島までここ10数年で全国各地を歩きまわった記録を
「まち」「苔庭」「山と渓谷」の3章に分けて綴りました。
コケ好きによる、コケ目線のおでかけ案内となっています。


------本書概要(発行元:家の光協会より)-------------

身近な場所から全国の名所まで。
コケ目線のガイドブック

日本のみならず世界各地のどこにでも生えているコケ。
その魅力に惹かれ、コケを観察したり栽培したりする人が増えています。
本書は、「近所で観察したい」、「コケ観察におすすめの旅先を知りたい」、「コケの絶景を堪能したい」など、
コケ好き達のさまざまなニーズに応える、今までにないコケのガイドブックです。

紹介するのは街中や郊外などの身近にあるコケスポットのほか、
三大聖地(奥入瀬・北八ヶ岳・屋久島)や苔庭のお寺など、全国の名所の数々。
コケにスポットを当てた独自の視点で、元祖「コケ女子」の著者が各地の魅力やエピソードをつづります。
コケの観察方法や持ち物など、基本情報もわかりやすく紹介。
初心者でもすぐにコケに出合えます。

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いま気づきましたが、よく読むと「元祖『コケ女子』」って書いてある・・・。そ、そうなのか?!
担当の編集者Eさん(←敏腕)め、私の知らないうちに・・・(^^;)

しかしながら、これまでにないコケのガイドブックになっていることは間違いないです。

表紙カバーはじめイラストを担当してくださったのは恐れ多くも浅生ハルミンさん、
デザインを担当してくださったのは宮巻麗さん
このお二人が、私と一緒にディープなコケの世界に思いきり入り込んでくださり、
外見も中身もこちらの期待を大いに上回るすばらしいかたちに仕上げてくださいました。

しかもお値段は、前作『特徴がよくわかるコケ図鑑』よりも100円安い1,870円(税込)というお手頃(?!)価格!!

初心者の方からベテランの方まで、きっと楽しんで頂ける内容になっていると思うので、
多くの方に手に取って頂けたら嬉しいです。

しつこいですが、7月16日(金)発売!
すでにAmazon、ネット書店などでは予約受付中!

どうぞよろしくお願いします。



▲苦労のあとが残る色校紙。制作作業後半は、Eさん、ハルミンさん、宮巻さん、そして私、
 毎日頭がコケ一色になりながら、一致団結して取り組みました!



【コケ情報】苔テラリウムのさらなる高みへ!「魅せる苔テラリウムの作り方~部屋で育てる 小さな苔の森~」

2020-05-21 16:20:15 | コケの本棚

     

 

新型コロナウイルス蔓延の第1波が次第に落ち着き、近畿3府県は緊急事態宣言の解除が決定、
でもこれからの第2波、第3波に備えてまだまだ油断はままならない今日この頃です。
みなさまもお変わりなく、お元気でお過ごしですか?

さて、久々にコケ関係で明るいニュースが飛び込んできました。

つい先日、苔テラリウム作家で「道草」の屋号でおなじみの石河英作さんの新刊、
「魅せる苔テラリウムの作り方~部屋で育てる 小さな苔の森~」が家の光協会から発行されました。

第1弾「部屋で楽しむ 小さな苔の森」(2018年7月17日発行)からわずか2年弱。
拙著「知りたい会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑」も担当してくださった編集者Eさんとの
締切りをしっかり守って発行された今回のご本は、遅筆の私にはことさらにまぶしいのですが、
そのような歪んだ私観を抜きにしても、やはりすばらしい出来栄えです。

 ※編集者Eさん:家の光協会の図書編集部所属。コケの本をいくつも手掛け、社内で「コケ専属編集者」の異名も持つ。

 

 

今回の本書のメインテーマは「着生」。
自然の中にあるコケをよく見ると、土上以外にも岩の上に生育しているコケをよく見かけます。
他の植物に比べてからだが原始的で根っこが発達していないコケは、必要な養分は全身で吸収しながら生きているため、
(ちょっと乱暴な言い方ですが)逆に言えば、根っこから養分を摂取する必要がほとんどありません。
つまり、土の上に生きることに縛られることなく、栄養分がない岩の上にも「着生」して生きることができます。

これまでも苔園芸の世界では、接着剤や粘土質の土を使って岩にコケをはりつける着生方法はあったものの、
本書は何がすばらしいかって、コケ本来のポテンシャルを信じて、コケが人工的な環境の中でも自力で岩の上に生えるよう、
最小限かつ最適な手助けだけで、美しい苔テラリウムに仕上げてしまいましょうという、
まさにコケの生き方、特性を最優先に考えた苔テラリウム本なのです。

そして同時に「着生」を苔園芸界の立派な「技」としての高みへ導いた、おそらく世界初の指南書ともいえるでしょう。

 

 

着生のさせ方、着生させた後の育て方はもちろん、コケを着生させる基物は溶岩を基本にいろんな素材があること、
多種の着生ゴケをガラス容器の中にどのように配置したら美しく仕上がるか、着生ゴケならではのメンテナンスの仕方など、
今回も石河さんならではのテクニック、センスが惜しげもなく披露されています。
また、カサゴケやコウヤノマンネングサなど本来は腐葉土上を好むコケも
見事に岩の上に着生させて育てられているというのも興味深いところです。

 


▲シダを取り入れたり、石のレイアウトに一工夫加えれば、さらに広がる着生苔テラリウムの世界。
 他にもさまざまな作品イメージが紹介されています


さらに!石河さんといえば、知る人ぞ知るコケを食べる「苔食」の第一人者でもあります。
第1弾のご本に続き、今回もやっぱりありました。苔食のページが!

 


▲えぇっ!?衝撃的で思わず二度見してしまった、コケに見立てたコケ料理「苔テラリウム丼」。

 


▲真っ黒な溶岩はまさかの鶏肉。「竹炭パウダーを加えた黒い衣は不気味だが~」って。不気味です!(笑)


ちなみにこの料理の場合、コケの緑はブロッコリーやディルで再現されております。
現代人の私にはちょっと容易には真似できませんが(作ってくれたら絶対食べるけど!)、
いまよりさらに食文化が多様化した数十年先の未来には、
人々にとってこのご本が苔食の先駆的教科書としても活用されているはず!(たぶん)。


また、今回は料理レシピの後に「コケ愛好家」の紹介ページもあり、石河さんと親しくなるべくして親しくなったであろう、
ちょっと変わった(?!)苔友たちの活動も紹介されています。
そして僭越ながら私までご紹介いただきました(変わり者のつもりはないんだけど・・・)。

 


▲個人的には、台湾を旅した時にお世話になった苔友・ヤンさんとのツーショットを載せて頂けたのが嬉しかったです

 

とにかく、どこから切ってもパイオニア精神あふれた内容となっていることは間違いない一冊。
先日からすでに書店やAmazon等にも並んでいるとのことなので、コケに興味のある方はぜひ!

また、このコロナ禍、またはコロナ後に、私たちの生き方や価値観がどう変わっていくのかまだまだわかりませんが、
こういう時だからこそ新しいことにチャレンジしたい、今まで以上に植物や住空間と向き合って、
自分の人生に彩りを増やしたいと考えておられるような方にも、大いに役立つ本です。

いろんな方にぜひ手に取ってみてほしいなぁと思っています。

 

<魅せる苔テラリウムの作り方  部屋で育てる 小さな苔の森> (←クリックで出版社の紹介ページに飛びます)

▲著者:石河英作、発行:家の光協会 、発行日:2020年5月20日、定価(税込)1,650円


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●掲載誌情報

すでに発行済みですが、少し前に2冊の雑誌に文章を書かせていただきました。

 

 

ディアゴスティーニ・ジャパンの「日本の名峰」は以前も屋久島(宮之浦岳)がテーマの時に
コケの森の成り立ちについて書かせていただきましたが、今回は北八ヶ岳のコケの森についてです。

 


「J-B style」はクレジットカードのJCBの会員向け雑誌。
特集で「コケの楽園」として青森県の奥入瀬渓流、屋久島が取り上げられています。
私はコケの魅力、その他のコケスポットについて書かせていただきました。

 

お手に取るチャンスがありましたら、ぜひ読んでみてくださいませ。


コケ関連の新刊・特集ラッシュです!

2019-06-20 16:35:06 | コケの本棚

   



「かつて『コケ』に関した出版物がこんなに一度に発行されたことあっただろうか!!」

というくらい、令和元年の初夏はコケ本・雑誌が出版ラッシュです。

10年ほど前、田中美穂さんの『苔とあるく』(WAVE出版)と秋山弘之さんの『苔の話』(中央公論新社)を何度も何度も読み返し、
自分にとっての〝コケの教科書〟として後生大事に持っていた、あの頃の私に教えてあげたい。こんな時代が来たことを!

すでにご存じの方も多いと思いますが、こちらでもオススメの本・雑誌を紹介させていただきます。

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まずは福井県立大学の大石善隆さんによる、怒涛の3冊連続出版!




『じっくり観察 特徴がわかる コケ図鑑』(ナツメ社)

ナツメ社の〝見分け図鑑シリーズ〟からの1冊。最初はこのシリーズの枕言葉にならって「ぱっと見分け」だったそうなのだが、
担当編集者Yさんによると「コケを『ぱっと見分ける』なんてうたったらクレームが殺到しそう…」ということで、
「じっくり観察」になったのだそう。たしかに前者のままだったら、コケ関係者から物言いがあったかも…(笑)。

掲載種が506種ということで、この手のハンドブックのなかでは断トツの情報量の多さ。
さらに1ページごとに種の見分けに役立つポイントを顕微鏡画像と共に解説しているところも非常にありがたい。

コケというのはとにかく小さいので、見つけた際にルーペで観察しただけでは明確な同定ができないのが当たり前、という世界。
でも、おおよそのグループ(科・属)だけでも〝自分〟で〝その場〟で〝目途を立ててみる〟ということしておくだけで、
確実にコケを見る眼が養われていくのも、また事実なわけで。

そんな時に、やはり欠かせないのがカバンやリュックに携帯しやすいハンディ図鑑。
私もここ最近の観察会には、必ずこちらの本を携帯して参考にさせてもらっている。

ちなみに、できれば携帯する図鑑は1冊といわず、2~3冊持っておくと
各図鑑から違った情報を得られるのでおすすめである(一言一句同じ文言の図鑑はないので!)。

できましたら、拙著『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』(家の光協会)も先月、おかげさまで8刷目となりました(わー、ぱちぱち!)。
こちらのほうも引き続きお引き立てのほど、どうかよろしくお願いいたします。m(__)m(←ただの宣伝ねじ込み。失礼しました(^^;))。





『苔登山 もののけの森で山歩き』(岩波書店)

大石さんの初著書でやはり同出版社から2015年に刊行された『苔三昧 モコモコ・うるうる・寺めぐり』をご存じだろうか。こちらはその兄弟本。
前著書が社寺のコケがテーマだったのに対し、今回は山のコケがテーマである。

ピークを目指す「山歩き」と相反する、10メートルを1時間くらいのペースで進み、たいがいは麓で満足の「コケ歩き」。この両者が果たして両立できるのか?! 
大変興味深いテーマながら、私はこれから読むところでありまして、どのような内容になっているのか、
このブログを書いている今日時点ではまだ明らかではない(すみません!)。

だが、ざざっとページをめくったところ、前半は北海道から鹿児島県までの全国のコケの山・森スポット14か所の紹介と、山で見られるコケ図鑑、
後半は山の環境別のコケの生態と、各環境でコケがどのように自然に影響を与えているか等がまとめられていて、
フィールドに携帯して歩きたいという人にも、家でじっくり読みたいという人にもぴったりな内容となっている。





『コケはなぜに美しい』(NHK出版)

最後に、こちらは今まさに熟読中。大変面白いです。

しっかりしたデータを挙げながら、環境ごとのコケの生態について解説されていて、勉強になるのはもちろんのこと、
同時に文章の随所から大石さんのあふれ出るコケへの愛情も感じ取れ、時に行き過ぎとも取れる表現には笑ってしまった。
これを読めば、初心者でもコケをより身近な存在に感じ、コケともっと仲良くなりたいと思ってしまうだろう。

とくに猫より犬派の私としては、大石さんが完全にコケの生物学とは無関係に〝個人的な趣味〟として追っているという
「苔狛犬」についての文章はとりわけニヤニヤしながら読んだ(「庭園の章」の小話3「神社のコケ」より)。

苔狛犬とは、その名のとおり表面にコケが生えている狛犬のことを指し、
犬の毛並さながら美しくコケが生えそろったものほどすばらしい苔狛犬なのだそう。
ある時、大石さんが以前飼われていた愛犬(マルチーズ)に似た狛犬を神社で見つけたのが、苔狛犬探しのきっかけとなったらしい。
ただでさえ愛しいコケに愛犬の姿が重ね合わさったとなれば、研究そっちのけでついつい苔狛犬を追ってしまう気持ちも、やはり犬好きの私は共感できる。

他にも、「苔米は売れるか?」「コケのつく地名」「コケの花ことば」など、コケ好きなら誰もが気になるトピックも、
じつにユーモラスなコラムでまとめていらっしゃって、読んでいて楽しい。



▲オールカラーでコケの写真満載。各種のアップの写真も丸枠でついているのも嬉しい



▲新書なので書店での平積み期間は短く、さらに美しい苔庭のカバーもおそらく限定部数だと思われる(苔庭カバーの下には新書シリーズの定番カバー)。
 購入するならばぜひお早めに!


これらの本はいずれも「コケは楽しい、面白い、もっと知りたい!」という気持ちを高めてくれること請け合いだ。
しかし、のちに大石さんご本人からのメールで知ったのだが、大石さんは読者に対してあるメッセージを込めて、これら3冊のご本を執筆されたという。

それは、コケの保全

せっかくなので、大石さんの思いを私だけでなく、このブログを読んでくださっている方とも共有したい。
大石さんのメールの一部を抜粋してご紹介する。

「私がコケを始めてから、だいぶコケの景観も変わりました。
 環境変動や過剰な利用や乱獲、理由はさまざまですが、コケが減ったところはあれど、増えているところは見たことがほとんどないです。
 この本にどのくらいの影響力はあるか分からないのですが・・・コケの保全に一石を投じることができたら、と思っています。」


3冊のどの本でもよいので読んでいただけたら、どなたにもきっとこの重要なメッセージを感じていただけると思う。
ぜひ、お手に取ってみてほしい。

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さて、本部門だけですっかり長文になってしまいましたが、続きましては雑誌の中のコケ特集。

『&Premium』(マガジンハウス)のほうは、現在発売中の京都特集号の付録として、
京都のコケ名所とその周辺を紹介したガイドブックがついているというもの。




もともとはJR東海「そうだ 京都、行こう。」とのタイアップ企画で、期間中にJR東海を利用して京都に行った人、
毎日先着200人にこのガイドブックが京都駅にて無料配布されるそうなのだが、全国書店やアマゾン等で同誌を購入しても同じ付録を手に入れることができる。
7月末までに京都へ行く用事がないという人は、書店にてぜひ。

ちなみに付録ではなく本誌のほうには、以前から気になっている京都の花屋 みたてさんの四季折々のコラムが30本近く掲載されていて、
そちらは写真を見ているだけでも眼福。いつかお店も訪れてみたいなぁ。



そして最後の1冊は『婦人之友』(婦人之友社)
こちらの最新号(2019.6.12発売)にも「梅雨も愉しい苔歩き」と題して7Pのコケ特集が組まれている。
執筆は自分のコケ友である芝生かおりさん。ご本人も登場されて、コケさんぽの魅力やノウハウを優しい語り口で紹介されている。




ちなみに。本と違って、雑誌の良いところは目的の記事以外にもさまざまな世界の情報が載っているため、
何もしないでいるとついつい狭まりがちになる自分の視野を思わぬ方向にぐんと広げてくれることだ。
なんでも本号冒頭の目玉特集によると7月は「プラスチックフリー月間」とのこと。全然知らなかった。

 

<2019.6.21追記>

コケの大先輩Mさんに情報提供いただき、もう1冊!

Mossligt-LEDさんの作品が『園芸JAPAN』の7月号、新テラリウムのコーナーで5ページに渡り紹介されています。テラリウムにご興味のある方は、こちらもぜひ!

 

 


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さてさて。ここ最近、「お知らせ」続きで、すっかり情報発信のみのブログになってしまっているが、
今年は冬時期からほうぼうに出かけ、かなり充実したコケ活動を送らせてもらっている。

記憶をたどりながらにはなるが、もうそろそろブログにその一つひとつを記していかねば。
次回以降から少し季節はずれな話が続くかもしれませんがご容赦くださいませ。


●おまけ

最近の私。今年も東京都葛飾区の水元公園にて、初心者向けコケ観察会をさせてもらった。
今回で3回目だが、リピーターではなく初めて来られる方がほとんどで、
やはりコケがより多くの人の興味を惹いているのだと肌で感じることができた。
今回は5月開催だったが、いつも元気なコツボゴケが晴天続きでお疲れぎみ。やはり3月~4月初旬に行うのがベストだろう。


▲撮影:水元かわせみの里 水辺のふれあいルーム


暑中お見舞い申し上げます。

2018-07-26 11:34:06 | コケの本棚


▲コケカレンダー「苔暦2018」の中から。7月、オオホウキゴケ



またまたご無沙汰しております。
毎日、毎日、本当に暑い日の連続ですが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか?

今年のこの暑さ、たぶん私が生まれてきてから体感した中でいちばん暑いのではないかと思うほど。
「暑い」というよりも、「あづいーー」や「熱っつ」とつい書きたくなってしまう、この耐え難い暑さよ…。
とにかく今は、不要不急の外出は控え、昼間は外に出ないのがこの夏を乗りきる最善策と考えて、
コケ観察よりも読書や室内園芸、コケグッズの整理などに勤しんでいる毎日なのであります(本当はコケを見に行きたいけど…)。


さて、今日はすでにご存じの方も多いと思いますが、コケ関係の新刊のご紹介です。



▲「部屋で楽しむ 小さな苔の森」(著者:石河英作、発行元:家の光協会、2018年7月17日発行)


コケテラリウム作家で「道草」ブランドを立ち上げてらっしゃる石河英作さんの初著書です。
テラリウムに向くコケ・向かないコケの紹介、コケ別の作り方・育て方、生長スピードなども押さえた親切な内容に加え、
コケの楽しみ方として「五感」を取り上げ、味覚・聴覚についても書かれているのがじつに石河さんらしい。
誌面には、石河さんのライフワークである〝ジャゴケ食研究〟の成果としてジャゴケを使った「モス(moss)バーガー」が紹介されていたり、
さらには、コケの遺伝子配列を利用して制作された〝コケ音楽〟が聴けるバーコードも付いていて、書籍として斬新すぎる!





また、テラリウムの本としては珍しく、ゼニゴケ、ジャゴケ、ムチゴケなどの苔類もテラリウム素材として扱っているというのも特徴的。
これも日本でも指折りの「ゼニゴケ馬鹿・ジャゴケ馬鹿」であるじつに石河さんらしい、ブレてない内容だなぁと。
              ※↑注)れっきとした誉め言葉です(笑)







じつは拙著『コケはともだち』を読んで、ぐぐっとコケの世界に入り込むようになったという石河さん。
私が講師を務めさせてもらった観察会に参加してくださったのをきっかけにコケ友になって早6、7年が経つ。

まさか同じ出版社からお互いにコケの本を出すことになるなんて、出会った頃は想像もしなかったこと。
初著書の完成を心からお祝いするとともに、コケで繋がるご縁って本当に不思議だなぁとしみじみしてしまう。




▲カバーの袖の部分には「コケの本」シリーズとして拙著も。おかげさまで今年7月1日に6刷目となりました


ちなみに家の光協会では、古くは「原色コケ・シダ」(著:井上浩/1980年)という専門書も出されていて、なにげにコケ本充実の出版社さんなのです。




●おまけ

コケとはまったく関係ないけれど「この本を手に取れてとてもよかった」と久々に思えた本。



▲「知らなかった、ぼくらの戦争」(著者:アーサー・ビナード、発行元:小学館、2017年4月2日発行)


読書が趣味の叔母からのお勧めでなにげなく読み始めたのだが、とても有意義な読書時間を過ごさせてもらった。
第二次世界大戦という重いテーマながら23人の戦争体験者の話はコンパクトな1話完結型で読みやすく、
個人個人が経験してきた事実とその時の気持ち(辛い・悲しいだけでなく、驚き・疑い・ピンとこないなども)には親近感すら湧いてきて、
「戦争を知らない自分が、ここまで戦争を身近に感じることができるとは!」という驚きと共に、
悲惨な時代を生き抜いた体験者の知恵やたくましさに、むしろ勇気をもらえたような内容だった。

また、池袋の高層ビル「サンシャインシティ」がどうして〝サンシャイン〟と命名されたのか、「ピカ」と「ピカドン」はなにがちがうのか?
日本とアメリカの「戦後」の捉え方のちがい、日本語を巧みに利用した政府の国民に対する意識操作(という言葉が正しいのかな…)などにも触れられていて、
インタビュアーとしてのアーサー・ビナードさんの手腕と推考の深さにも唸らされるばかりだ。

なお、各話の冒頭には必ず、インタビューを受けた戦争体験者ご本人とアーサーさんの2ショット写真が載っているのだが、
この本が執筆・編集されている間に亡くなってしまった方が何人もいらっしゃる(写真のキャプションに「2015年(ないし2016年)○月○日永眠」と書かれている)。
アーサーさんは本当にギリギリのタイミングで日本各地やアメリカを駆け巡り、彼らの声を記録したのだと想像するとさらに感慨深いものがある。
23人の中には、今年4月に亡くなられたアニメーション監督の高畑勲さんも含まれている。

アマゾンでも高い評価を受けている本なので、こちらもご興味がある方はぜひ。


苔の本棚

2017-07-26 12:10:01 | コケの本棚

       

       

       
   ▲「道草したい、小さな苔の森@アウラの部屋」 の苔の本棚のなかでPOP紹介した本たち


心斎橋アセンス書店で約2週間にわたって開催していた
「道草したい、小さな苔の森@アウラの部屋」 が7月17日(月・祝)に無事に終了しました。
たくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。

フェアの一つひとつの展示物などについては、道草さんのブログが詳しいので、ぜひご覧になってみて下さい。


 
  ▲最終日、道草さんの苔テラリウム講座


 
  ▲同じく最終日のトークイベント。どちらもありがたいことに満席でした


道草さんもブログに書いておられるとおり、今回のフェアはアセンス書店さんから
「自由にコケな空間を作ってほしい」とおっしゃっていただき、ほぼゼロの状態から道草さんと相談して展示内容を決めていきました。

そのなかで、どうしても私がやりたかった展示がこの「苔の本棚」。



▲コケ関連の本と苔テラリウムがひしめき合う本棚


コケにまつわる、もしくはコケ好きなら思わず手を取りたくなる本を集めた本棚で、
なかでもとりわけオススメの本には、コケ好きさんによる推薦文(POP)をつけるというもの。

「書店で開かれるコケフェアなのだから絶対にやってほしいっ」と初めての打ち合わせの時から
アセンスの担当者Kさんに熱弁し(きっと暑苦しかったと思う…)、図鑑から文芸書まで
約70種のコケ好きが読みたい本、読んでおくべき本を集めていただきました。

ここに、会場に来られなかった方と、POP執筆に協力してくださった遠方のコケ好きさん達に向けて、
全POP15枚の内容を紹介したいと思います。  ※並びは執筆者のお名前から、あいうえお順に。



「粘菌生活のススメ」(著:新井文彦・川上新一 誠文堂新光社)

     

「粘菌」というのはコケを野外で探していると結構な確立で出会うことができる、小さく不思議な生き物です。
この本ではその粘菌がどんな生活をしているのか、どんな姿をしているのか、
そしてどんな楽しみ方があるのか、奥深き粘菌生活を綺麗な写真盛り沢山で紹介しています。
変形菌と一緒にコケが映っている写真が多いので、コケ好きの方はそれを眺めるという楽しみ方もありますよ。
【池田英彦/岡山コケの会、マイナー生物好きの生物調査屋】

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「苔のある生活」(著:大島恵・木村日出資 日東書院本社)

     

苔好きには、苔のある生活は当然なのですが(笑)
「苔を育ててんだけど、どれに手を出していいからわからないのよねぇ~」という方には、とても良い本だと思います。
苔玉や、苔テラリウムに、苔盆栽、苔盆景と、苔栽培でも色んなジャンルの作り方を説明してくれているし、
苔の基礎知識、採取方法、増やし方、そして数種類だけど図鑑まで載っている。
ここから、自分の好みに合った、苔のある生活、を知れると思います。
【石倉良信/苔役者】

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「小さな緑の世界 テラリウムをつくろう」(著:ミシェル インシアラーノ・ケイティ マスロウ 草思社)

     

著者が外国の方なので、日本でよく見るテラリウムと違い、ニューヨーカーの苔のレイアウトの発想が面白い。
苔はジオラマの中の芝生や草木扱いで使われていて、多肉植物や、瓶、石、フィギュアなどの小物のチョイスも良い。
センスの良い物だけあって高価な分、自分では中々真似できないが、レイアウトの勉強にはなる一冊だ。
そして、苔好きの人の苔愛は日本も外国も関係ないことがわかる。
【石倉良信/苔役者】

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「こけこけコケコッコー」(著:にしはらみのり PHP研究所)

     

ジャゴケやゼニゴケなど普段光の当たらないコケも多数出演!? コケコロッケや話題のコケスイーツも!
リアルコケスイーツを食べた人間としては、ドキドキしちゃいます。
隠れキャラや、細かな小道具の設定など、コケ好きにとってたまらない絵本です。
【石河英作/道草の人】

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「苔の話」(著:秋山弘之 中央公論新社)

     

活字からコケ入門
文系男子がコケガールの彼女から「コケを見に行きたい」と言われたらどうするか。
まずは他のコケ関連書で美しい写真を予習して、次に本書のしっかりした説明で知識を補完すればまちがいなし! 
基本的な苔の生態から人とコケとの結びつきまで幅広く解説され、明解な文章は何度読み返しても新しい発見に満ちています。
あらかじめ知識を蓄えてから実物に向き合いたい人にお勧めです。
【おおた/読書会主催】

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「胞子文学 名作選」(編:田中美穂 港の人)

    

まず、装丁が奇抜。そして、胞子文学とは何ぞや? 
それは、苔、羊歯、茸など胞子で殖える生物のもつ特殊性を胞子性と呼び、その胞子性を宿した作品を呼びます。
最初の作品は永瀬清子さんの「苔について」、苔について語りながら地球生態系のこと、そして人生観を綴っています。
尾崎翠さんの「第七官界彷徨」の表紙は蘚苔類図鑑。読み進めると、
「みろ、人類が昼寝のさめぎわなどに、ふつと蘚の心に還ることがあるだらう。・・・」。
何のことか気になるでしょう? さあ、この本を手に取って、胞子文学の胞子性を探ってみましょう!
【岸本亨/なりたてほやほやの日本蘚苔類学会会員】

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「コケのふしぎ」(著:樋口正信 SBクリエイティブ)

       

“苔を見てると癒される”“苔ってかわいい!”苔が気になりだすきっかけは人それぞれ。
でも、一度気になりだすと、“苔って花が咲くのかな?”“コンクリートにどうやってくっついてるの??”・・・次々に疑問が湧いてきます。
そんな、苔が気になりだした私たちに“コケなるもの”の生きざまを分かりやすく教えてくれるのが、本書「コケのふしぎ」。
コケの生態から、果てはコケ文学にまで話が及ぶ本書を読めば、気分はもうコケ博士。
超文系人間が読んでもスーっと頭に入る、優れものの1冊です。
【鈴木紫乃/コケ好きの図書館司書】

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「校庭のコケ―野外観察ハンドブック」(著:中村俊彦・原田浩・古木達郎 全国農村教育協会)

    

コケ観察の本格的な入門書
セン類76種、タイ類42種、ツノゴケ類4種の野外でのコケの生態写真と的確な解説、
さらに特徴をとらえた拡大写真や顕微鏡写真が豊富です。
付録には、「センタイ類を顕微鏡で同定する時の特徴」としてセン類58種、タイ類34種の線画が掲載されていて、
ゼニゴケの仲間に注目している私にはこの線画がとても重宝しています。
他のコケの図鑑と並行して見ることが多く、手放せない本です。
【辻久志/コケ写真愛好家】

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「コケの生物学」(著:北川尚史 研成社)

       

難しそうなタイトルですが、何冊かコケの本を読まれた方にはおすすめです。
写真はないですが、挿絵が繊細で美しく、丁寧な言葉での説明がよくわかります。
コケそのもののことだけでなく、これまであまり注目されていなかった
コケとコケを取り巻く生きものたちとの関わりについても教えてくれる興味深い本です。
【辻野由喜/コケ勉強中の会社員】

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「苔盆景入門」(著:木村日出資・左古文男 日東書院本社)

    

大自然の情景を卓上に。
コケにも、様々な表情が…
コケの表現力に注目。
【中川秀行/苔オブジェ専門店「苔なっこ」店主】

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「コケはともだち」(著:藤井久子 リトルモア)

        

ぼくは、この本がおもしろくて、分かりやすいと思いました。
コケをキャラクターにしてコケの個性をあらわしているので分かりやすかったです。
コケの成長のサイクルやコケスポット、コケの主な生息地、コケの見分け方、コケと仲よくする方法といったことが書いてあります。
コケのことを知りたい方や初心者の方にオススメです。
【中川弘光/コケ少年(小学6年生)】

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「コケ図鑑」(著:藤井久子 家の光協会)

    

『出たー!』と叫びたくなる待望のコケ図鑑。コケに興味を持ち始めたら迷うことなく、この一冊だ。
ルーペで覗くコケの小さな世界。ページをめくるたびに実物を見たくなる。フィールドに出たとき、「こんなに役にたつとは」と思うことだろう。
生育場所、分布、サイズと要点がまとめられ、更に近縁種の記述は中級者になれば、ありがたさは倍増する。
また筆者のコケ目線からのメモは必見だ。姿、形に特徴のある182種のコケたちは、低地で観察できるものも多く楽しみだ。
さぁ!コケ図鑑片手にフィールドへGo!
【のだふみ/コケ愛好家・海上の森の会 会員】

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「ミクロの森: 1㎡の原生林が語る生命・進化・地球」
(著:デヴィッド・ジョージ・ハスケル、訳:三木直子 築地書館)


     

テネシーの原生林に1㎡ほどの観察地を設け、1年間通い続けたハスケル博士の記録。
「曼荼羅」と呼ばれるその場所に息づく生物の観察を通して、森羅万象すべての存在が繋がりをもって生きていることを教えてくれる。
全43章の中でコケの章はたった7頁にすぎないが、博士はぜったいコケ好きに違いない!と錯覚するほど
コケに寄り添って観察されているし、進化や生態や味についても書かれており、けっこうコケが褒めてられている(ように思う)。
科学系読み物にしてはかなり詩的で美しい比喩があちこちにちりばめられているので、文系寄りのコケ好きさんにはとくにおすすめしたい。
小さなコケの観察から、さらに感じ取れるものが広がるかもしれません。
【ムシメガネ/岡山コケの会会員】

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「苔とあるく」(著:田中美穂 WAVE出版)

    

コケ初心者がコケマスターになるための指南書。
元祖コケガールともいえる田中美穂氏の手ほどきで自分にピッタリのコケの楽しみ方が見つけられます。
知らなかったことを知る喜び、ルーペ1つとこの本であなたもコケの世界へ!
【森田/主婦(生息地 杉並)】

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「原稿零枚日記」(著:小川洋子 集英社)

    
   
著者の小川さんが「苔とあるく」を読んで発想したという〝苔料理専門店〟が早々から登場し、たちまち奇妙な世界に引き込まれていく。
ルーペ越しの繊細なコケ描写、絶妙なコケチョイスとメニュー、そして独特な食し方はコケ屋視点をも満足させ、興奮させる。
コケ初心者にはぜひとも図鑑を片手に読み進めて欲しいくらいなのです。
【吉田有沙/コケ手芸作家】

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あなたの心が惹かれる1冊はありましたでしょうか。

すでに読んだことがある本でも、その本についての他の人の感じ方や発見を聞くことで、
また手に取ってみようかなという気持ちになったりします。

この夏の読書に加えていただけたら嬉しいです。

最後に、今回のPOP執筆にご協力いただいた
日本各地のコケ好きの皆さまに改めてお礼申し上げます。



 <お知らせ>
明日、7月27日(木)TBS系列の朝の報道番組「あさチャン」(メインキャスター:夏目三久さん)の
「あさトク」(7:40頃~10分間ほど)のコーナーで、コケ特集が放送されます。

北八ヶ岳や奥入瀬渓流でのコケの楽しみ方のほか、今回のイベントの様子も少し放送される予定です。
私は各地について、おすすめポイントなども案内させていただいています。

(以下、言いわけ)
自分で言うのもなんですが、私は内心は緊張していても、
あまりそれが顔に出ないみたいで、トークイベントなどはお相手の力もあって、
いつもなんとなく上手く進んでいたつもりでいたのです。

しかし、テレビカメラに撮られながら話すというがどうにも苦手で、
今回はとくに緊張し、表情もガチガチで、噛みまくりました・・・。

なので個人的には、本当はあまり見てほしくないのですが、
各地のコケの名所についてはぜひ知っていただきたくもあり、もどかしい限り・・・。

もし画面に映ったら私の顔を見ないようにお顔は即座に伏せていただき、
お耳で声だけ聴いていただければと思います。よろしくお願いします(懇願!)。


【お知らせ】いよいよ発行間近とか。『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』について&春の赤目四十八滝

2017-04-07 13:03:35 | コケの本棚
 
  ▲タマゴケ。赤目四十八滝にて(2017.3月下旬)


またも更新が滞ってしまった。

早春~春にかけての時季にこのブログの更新がないというのは、
たいがいコケを見に出かけているか、風邪を引いているかのどちらかなのだが、
今回はその両方なのであった。

コケを見に行っては風邪を引き、
ちょっとよくなったと思ってまた出かけると
風邪がぶり返すを繰り返していた。

しかも家族全員が患っていたので、風邪をひきつつも家族の世話もせねばならず、
余計に体力を消耗して治りにくかったのかもしれない。

長引く風邪前線は先月下旬からいまだわが家に停滞しており、
いまのところ私の喉と鼻の調子はいつもの6割程度。

味と匂いがよくわからないからか、気付いたら、
ここぞの執筆のためにとっておいたチョコレートを
無駄をむさぼってしまい昨日は激しく後悔した。
こういう時は特売のアーモンドチョコにしておかねば。

だいぶ気候も暖かくなってはきましたが、どうぞ皆様もお身体にはお気をつけください。


さて先日、幼なじみからLINEで「アマゾンで新しいコケの本の表紙、見たよ~」との連絡があり、驚いた。

慌ててパソコンを開いたところ、確かに出ている。
画面左側には本の表紙が、そして画面右側には「ただいま予約受付中です。」とばばんと出ている。

なんと。いつのまに!




ここ最近、そんな具合でコケ観察と風邪治療に全精神が向いていたためすっかり油断していたが、
時は、いよいよ新しいコケの本の発行目前を迎えていたのであった。
いやはや、風邪を引いている場合ではなかった。


というわけで、アマゾンでも表紙画像は見られるのだが、
せっかくなのでこのブログでも紹介させていただきたい。

今回の本は、こんなお顔をしております。


  
   ▲『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』(発行元:家の光協会 著者:藤井久子 監修:秋山弘之)


「初心者~中級者がルーペでわかる、楽しめるコケを紹介する図鑑」というのが今回の本のコンセプトなので、
デザイナーのNさんが、「ルーペでのぞく、ちょっと不思議なコケの世界」というイメージで、このデザインに仕上げてくださった。

黒色がベースなのでコケたちがキリリと際立ち、
書店でもちょっと目立つのではないかと期待している。

発行日は4月15日前後になるようだ。

また本の詳しい内容については、これからじわじわと紹介していきたいと思うが、
どうぞご興味のある方は、お手に取っていただければ嬉しいです。

なお、担当編集者Eさんの直近の情報によると、
すでにAmazonでの予約がなかなか好調とのこと。

どなたが予約してくださっているのかは存じませんが、
お一人お一人にお礼を言ってまわりたいくらい感謝しております。

ありがとうございます。


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●おまけ

3月下旬、風邪引き前に行ってきたのが赤目四十八滝(三重県)。
毎年早春~春にここを訪れるのが、4、5年前から恒例行事となっている。

今回も期待どおりイキイキとした春のコケたちにたくさん出会えた。
とくに今回はこの時季に胞子体をよく伸ばす苔類を中心に見て回った。






▲クモノスゴケがいっせいに胞子体を伸ばし始めている。
 群落の真ん中にはちょこっと間借りしたコマチゴケも。こちらも胞子体がちょっとだけ伸びている



▲この時季がまさに見頃のジャゴケ。キノコの山がにょきにょき



▲シダレヤスデゴケ(おそらく)。毎回通っている道なのに、今回初めて彼らの存在に気付いた



▲滝のしぶきがかかりそうな場所の木の葉の上に生えるカビゴケ。パッと見は本当にカビのようだが・・・



▲ルーペで見てみると、細い茎にてんてんと葉がついて、ちゃんと植物らしい姿をしているのがわかる



▲ナガサキツノゴケもちょうどツノ(蒴)を伸ばしていた。ツノゴケ類は、日本に知られるコケ約1700種中、
 たった17種しかいないため、出会えるとそれだけで得した気分になってしまう


ちなみに、じつはこの日、偶然にも今回の本の監修をしてくださった秋山弘之さんと現地でバッタリお会いし、
久々にお顔を見て(制作中はメールのやり取りばかりだったので)、ひとまずのお礼が言えたのもとても嬉しい出来事だった。


新しいコケの本『コケの生物学』をやっと手に取れた幸せ

2017-03-10 12:50:38 | コケの本棚


▲『コケの生物学』(発行:研成社 1,600円+税)
 表紙絵のコケは「Cheilolejeunea kitagawae」。苔類クサリゴケ科シゲリゴケ属の仲間。北川博士にちなんだ学名がついている


2月はとんで3月。しばらくぶりの更新である。
ようやっとインターネットの世界に戻ってきました。

更新のない間も、ちょこちょことこちらをのぞいてくださった
奇特な方がいたようで、ありがたいやら申し訳ないやらでした。

また、1月・2月は「苔暦はまだありますか?」というお問い合わせも
何件かいただきましたが、完売御礼につき、ご期待に沿えず申し訳ない限りです。

 ※一応、お問い合わせいただいたすべての方に返信は出しているのですが、時々メールが届かないみたいで。
  あらためてこちらにてお詫びいたします。また晩秋に2018年版カレンダーのお知らせをすると思います。



さて、前回のブログにも書いた通り、年末から私史上最高のフルスロットルで執筆を続けてきたコケ図鑑の原稿が、
先日ようやく印刷所に入り、あとはもう一度校正紙をチェックしたら完成というところまできている。



▲本のタイトルは『知りたい 会いたい 特徴がよくわかるコケ図鑑』(著:藤井久子、監修:秋山弘之、発行:家の光協会)。
図鑑ページのほかにも、グラビアページあり、コラムありのもりだくさんな内容で、182種のコケの情報が載っています


ちなみにどれくらいフルスロットルだったかを例えるなら
「すでに3浪してもう後がない受験生」くらいの必死さはあったのではなかろうか。
(それもこれももとはといえば、すべて私の遅筆が悪いのだが…)。

さらにどうでもよい話だが、なぜそのような例えになるかもついでなので言うと、
家族が家にいる週末は、いつも近所のカフェに通って仕事をしていたのだが、
年末から2月頃といえば、ちょうど巷は受験シーズン。

カフェに参考書を持ち込んで最後の追い込みに必死な学生さんたちに混じって(そして時には席取り合戦にも巻き込まれて)、
猛執筆に励んだのが、「今回の本の制作で思い出深かった出来事」のベスト5には確実に入るからである。

いやはや、巷の受験生の皆さんたちもひとまずお疲れさまでした。
あ、この本についてはまたあらためてお知らせします。4月中旬に発行予定です。


さて、近況報告がつい長くなって話が横道にそれたが、
今日書きたかったことはタイトル通り。

1月に発行された新しいコケの本『コケの生物学』を
皆さまはすでにお手に取られただろうか。

著者は、苔類(たいるい)を専門に長年研究をされてきた北川尚史博士。
残念なことに去年の1月に満80歳でご逝去され、すでに故人である。

しかし、北川博士の教え子の方々(現役のコケの研究者&アマチュアの皆さん)が、
博士が雑誌『植物の自然誌 プランタ』(研成社発行)で6年間続けていた連載の内容が
終了からすでに20年以上が経っているにもかかわらず少しも古びたところがなく、
「このまま埋もれさせてしまうにはあまりにも惜しい!」ということで、
必要な部分に最小限の手を加えられ、このたびの書籍化が実現した。

残念ながら私は一度も北川博士にお会いしたことがないのだが、
お弟子の皆さんが博士について語られる時、
どの方も饒舌になるのを前々から印象深く思っていた。

北川博士のこととなると、いくら時間があっても足りないというくらい、
皆さんそれぞれに濃いエピソードがあるらしい。

鋭い観察眼を持った、とてもお話の上手な博士だったようだ。


発行後しばらくはアマゾンでも「売り切れ」状態になったため手に入れられず、
ようやく注文できても、なんせここ数か月は先に書いたような状態だったので、
アマゾンから届いた箱を開ける隙が一瞬たりともなく・・・。

注文から1か月以上たってようやく昨日、箱から開けて手に取ることができた。

ぱらぱらとページをめくってみたが、必ず前から順に読むべきものではなく、
気になるテーマから読めばよいような構成になっているのもありがたい。

正直、まったくのコケ初心者には専門用語も多くてちょっと難しい内容かもしれないが、
コケが誕生した歴史や、コケの生活史、コケのからだの特性のことなど、どのテーマも大変深く掘り下げられていて、
このような本が一般書として世に出回る機会はそうそうないのではないだろうか。
入門書を数冊読んだのちに、よりいっそうコケに興味が出てきたという人はぜひ持っておくべき1冊だと思う。

さぁ、私もこれから日々の楽しみとして毎日少しずつ読み進めていこう。
きっと読み終わる頃には北川博士に会ってみたかったという思いがさらに強くなりそうだ。



▲そしてもう1冊、読むのを楽しみにしていたのがこちら『シャボテン幻想』(著:龍胆寺 雄)。
 巻末の「解説」を書いておられるのが蟲文庫の田中美穂さんなのだ


-----【おまけ】-----------------------------------------

先日、歩いていて、思わずスマホで撮ってしまった。
巷はもうコケの春到来!
サクラの花見の前に、苔見に行かねば!!



▲最近の近所の道端。小石や枯葉に紛れながらも、明らかに色鮮やかな何かが!



▲胞子体を伸ばしコケの春が到来中。ノミハニワゴケかコメバキヌゴケあたりかな?!(めっちゃピンボケですみません…)


奥入瀬コケ紀行 その2: 森を愛する旅人に〜「奥入瀬自然誌博物館」のこと〜

2016-09-06 17:22:46 | コケの本棚


▲「奥入瀬自然誌博物館」のコケのページ


8月29~31日開催の日本蘚苔類学会 第45回屋久島大会から無事帰宅した。

8月しょっぱなは奥入瀬渓流のコケ旅から始まって、
最後のしめくくりが屋久島だなんて、なんという贅沢な夏だったんだろう。
こんな夏休み、人生でもう二度とないかもしれない。

旅から帰ってきたら私の住む街はすっかり涼しい風が吹き、秋になっていた。
窓辺から秋の虫が歌うのを聴きながら、しばらくはこの夏の思い出をゆっくりと噛み締めて秋の夜長を過ごすことになるだろう。


さて、前回の奥入瀬コケ紀行のつづきである。
今日は一冊の本を紹介したい。

それはこちら。





前回のブログにも書いたが、河井大輔さんの「奥入瀬自然誌博物館」である。
この春に出版されて出版当初も読んだが、今回の奥入瀬の旅に向けて再読。
あらためて、じつによい本だと思う。

河井さんは北海道でアウトドア雑誌の編集や野鳥図鑑の執筆、環境調査業などに携わられたあと、
2007年から奥入瀬渓流を拠点に仲間の皆さんとネイチャーガイド業をされるようになり、
2014年からは「NPO法人 奥入瀬自然観光資源研究会」(通称:おいけん)の理事長として
奥入瀬観光のますますの発展と充実に努めておられる方である。

この本は、奥入瀬渓流がどうして今のような姿になったのかという成り立ちや、奥入瀬渓流で出会えるさまざまな生き物のお話が、
長年、奥入瀬の自然を見つめ続けてきた河井さんならではの視点で語られている。
具体的には樹木、野草、シダ、コケ、地衣類、菌類、哺乳類、鳥類、両性類、爬虫類、昆虫、
さらには水や地層にいたるまで、そのジャンルは多岐にわたる。











▲誌面の一部。どの写真も「よくぞこんな瞬間を!」と言いたくなるほど、芸術的で美しいのも特筆すべき点のひとつ


私は屋久島や奥入瀬渓流などを訪れた時には、現地の自然についてより深く理解したいという思いから、
必ず河井さんのようなプロのガイドがついてレクチャーしてくれるネイチャーツアー(なかでも森歩きツアーは必須)を利用するのだが、
欲張りなツアー利用者である私にとって、この本はまさに救いの書であった。

というのもこの本には、ツアー中にガイドさんの話を聞きつつも、その解説された対象物についつい夢中になるあまり、
途中からきっと聞き逃している(こういう経験って私だけだろうか?!)であろう話がふんだんに散りばめられており、
さらには私のように感覚的に森を楽しんできた人間が、もう一歩森に理解を深めるのに役立つ「自然科学的な眼をもつこと」の重要性を説いてくれているからである。

しかもまったく小難しくなく、読んでいるとまさに本のタイトル通り、
奥入瀬の森の博物館で河井学芸員が老若男女に向けて
ミュージアムトークをしてくれているかのように、語り口が優しく大変読みやすい。





たとえばこの「流れのしくみを読む」という短い文章。
「沢の流れ」とひとことで言ってもじつは「流心」「副流」「逆流」など場所によってさまざまな流れ方がある。
それがどのように生き物の暮らしに作用しているのか、そういうことも考えてみませんかと読者に説いている。

正直、私は水流の美しさには毎度のように目を奪われるものの、それが何にどう影響しているかなんて考えもしなかった。
ちょっと立ち止まって沢の流れをじっくりと見ることで、そこに生きる虫や魚、そしてコケの姿までもが見えてくる面白さ。

そいう眼差しを持ち、想像力を膨らまして、見えていないものにも思いを馳せること。
この本で河井さんが伝えたいことの一つなのではないかと思う。






奥入瀬の森をすでに歩いたことがある人、またはこれから訪れる予定がある人はもちろん、
奥入瀬に行ったことがない人も、この本を読めばきっと、どこかの森へ行って自分の「森を見る眼」を試したくなるだろう。

そう言った意味では全国各地の森歩きで役立つ本だと思うし、これは素人のみならず、案内する側のガイドさんにも参考になること間違いなしなのではないかと思う。
まったくもって素人の余計なお世話だが、全国のネイチャーガイドの方も各自1冊必携!と強くオススメしたい。

そしてこれはひそかな期待なのだが、もしも河井大輔さんのような自分のフィールドを心を尽くして見つめ続ける、そして発信し続けるガイドさんが全国各地いたら。
森好き、ネイチャーツアー好きの私としては、これからの森を巡る旅にとても希望がもてる。


ちなみに、この本は限定600部のみの販売なのだが、現時点で残り200部を切ってきたとのこと。
「限定」とある通り、おそらく売り切れてしまうと再版があるかどうかわからないので、
どうぞご興味のある方はお早めに。 → お問い合わせ・お申し込みはこちら  (※スクロールしてページの下の方を見てください)

ちなみにここまで勧めておいて最後に水を差すようだが、お値段は正直、高い。
でも以前『コケの自然誌』(ロビン・ウォール・キマラー著)を「いい値段するなぁ!」とちょっと財布を出し渋りつつも買って読み、
予想以上に満足感があったあの感じとこの本はどこか似ている。
コケ好きの方なら、この気持ち、たぶんわかってもらえると思います(笑)


   
    ▲奥入瀬の森の上流、十和田湖畔近くで見かけたツチアケビ。菌類から栄養をもらって生きる不思議な植物。
     秋につける真っ赤な果実は「森のソーセージ」とか「山のトウガラシ」などと呼ばれるそう


ミカヅキゼニゴケについて海外の文献を読んでみる

2016-07-30 10:51:27 | コケの本棚

▲ミカヅキゼニゴケ(撮影2013年12月・福井県)


じつはこの春から英会話を習いに毎週1回、近所の英会話教室へ通っている。

目下の目標は「いつか海外のコケが好きな人とコケの話をして盛り上がる!」ことである。
いや、これだけコケが好きな人が日本にいるのだから(…って私の周りだけかもしれないけど)、海外にだって自分と同じような人々がいるはずだろう。
ツイッターなどのSNSを見ていても、さまざまな国の人たちがコケの美しい写真をアップしているのを目にするし。
そういう人たちと出会った時に、臆することなく英語で会話できたら・・・きっとさらに世界が広がるにちがいあるまい。

そんなわけで、いつそんなタイミングがくるのかはわからないが、思いついたら実行せずにはいられない私である。

仕事で定期的に海外へ行くご近所のAさん(以前、スギゴケのリースを買い付けてくださった、あのAさん)と意気投合して、
お互い30代で一念発起して英会話習得のために教室に通い始めたというわけだ。


学生時代は勉強がそんなに好きではなかったが、そのなかでも英語はまだマシな方だった。
でも「会話」となると話は別で、文法は理解していてもスッと言葉が出てこない、発音も悪い。

なかなか道は険しい。

しかし、私を受け持ってくれているイギリス人のロバートさんは、
「あなたの趣味は何ですか?」という英会話のレッスン初回にありがちな質問で、
とうとうと私がコケの話をしたものだから、私がいかにコケ好きかをすでに理解してくれており、
「なにかコケのことで英訳したいことがあったら、いつでも言って!」と非常に親切である。

そこでその言葉に甘えて、先日、「Mosses and Liverworts of the Mediterranean(地中海のコケ)」(Jan Peter Frahm著)という本の
ミカヅキゼニゴケについて書かれたページを私なりに翻訳したものをチェックしてもらった。


  


そう、ここからが今日の本題、前回のミカヅキゼニゴケの話のしめくくりである。

どのようなことが書かれているのか、日本の一般書で書かれている内容と違いはあるのか、自分の記録のためにも翻訳内容を載せておく。
とはいえ、私もロバートさんもコケの専門家ではないため、正直、専門用語についてはちょっと訳が怪しい・・・。その点はどうかご了承ください。


----------「Mosses and Liverworts of the Mediterranean」より-------------------------------------------------------------------------

Lunularia cruciata(ミカヅキゼニゴケ)

ミカヅキゼニゴケは地中海沿岸ではもっともありふれた葉状体の苔類だ。
このコケは谷や渓谷の小川に沿った土上や岩上のより湿っぽいところや、
川岸の道の影になったところ、岩の裂け目などで育つ。

ミカヅキゼニゴケは、レンズ豆のような形をした無性芽で無性繁殖をよく行い、無性芽は半月状の無性芽器で作られている。
無性芽器を持たない植物体は説明するのがちょっと難しい。

雄の植物体はイボのような形の生殖器官を葉状体の上に作る。
雌の植物体は葉状体の中に穴があり、その中に生殖器官を作り、それは明るく白っぽい小片なので目立つ。

受精後は、雌器托には弱々しい柄が出て雌器托の傘の下には4つの胞子のうがつく。
雄株と雌株が別々な以上、受精して胞子のうが作られることはめったにない。

ミカヅキゼニゴケが中欧で最初に記録されたのは1828年、ドイツの都市・カールスルーエ(Karlsruhe)の植物園で、
おそらく地中海からの植物を載せたコンテナによって運ばれ、植物園から公園や墓地などに広まっていったものと思われる。
そしてそれはだいたい無性繁殖によってである。雄もしくは雌の植物体の生殖器官は例外的なことなのだ。

ミカヅキゼニゴケは霜(寒さ)への耐性がなかったが、温室でならば冬場も生き残ることができた。
ここ50年は、冬場でも凍らないような小川が主な生育地であることがわかっている。


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さすが「地中海のコケ」と題した本だけあって、地中海沿岸が原産といわれるミカヅキゼニゴケについて
有性生殖や最初の発見地などにも触れられており、なんだか読んでいて新鮮だった。

そしてやはり、海外でも雌株が受精して胞子体を作ることは珍しいことのよう。

ちなみに前回の記事では、日本ではミカヅキゼニゴケの胞子体はほとんど見つかっていないことを書いたが、まったくの皆無ではない。
日本蘚苔類学会の会報誌「蘚苔類研究」(2015年8月 第11巻第5号 )に掲載されている古木達郎さんの「新・コケ百選」の中のミカヅキゼニゴケ科の記述によると、
外来種として大正12年に広島で初めて採集されて以来、長い間雄株しか見つかっていなかったが、90年代に兵庫県で造卵器と胞子体が報告され、
2000年代には広島県でも研究者たちによって胞子体が発見されているということである。
ただし、関東地方ではいまだ胞子体は見つかっていないということだ。



▲「Mosses and Liverworts of the Mediterranean」のミカヅキゼニゴケのページ


最後に余談だが、英会話教室のロバートさんはなかなかユーモアのある人で、私が発音や単語の綴りなどをミスすると、
「mistake」ならぬ「mosstake!」と言ってダジャレをとばしてくるので、ついつい笑ってしまう。




【コケ情報】『女性自身』と『望星』にコケ特集が掲載

2016-06-20 16:21:43 | コケの本棚
池上本門寺の記事の続きにいく前に、とりいそぎお知らせです。
現在発売中の2冊の雑誌にコケの特集が組まれています。


その1:『女性自身』(光文社/通巻2731号:2016年6月28日号/2016年6月14日発売/定価:400円)


 


「大人苔ガールデビュー」というタイトルで本誌の読者層にオススメの苔旅スポットを紹介しています。
定番の京都をはじめ、近年コケ好きのあいだでは「コケの三大聖地」として知られている
奥入瀬渓流(青森県)、北八ヶ岳(長野県)、屋久島(鹿児島県)の魅力が簡潔にまとめられてるほか、
私は上記以外の苔旅おすすめスポットをいくつか挙げさせてもらい、コメントを書かせてもらいました。
さらにおすすめコケ本の紹介や、YUKA KOHARAさん指導による苔玉の作り方も載っていて、充実のオールカラー7ページの特集です。

ちなみに、発売早々本誌を読まれたオカモス関西の重鎮Mさんから「おすすめスポットに服部植物研究所を挙げるなんて、ええやん!」
と褒められたのがひそかに嬉しかったです。宮崎県の服部植物研究所、オススメです!

なお、私自身が本誌を手に取るのが遅くて非常に告知が遅れて申し訳なかったのですが、今日(6/21月曜)中なら、書店やコンビニで手に入ると思います。
(・・・といってもすでにこの記事を投稿しているのは16時台。。。スミマセン…)
光文社のホームページからは在庫がある限り、バックナンバーが購入できるようです。


 
▲こちらの表紙が目印です




その2:『望星』(東海大学出版研究所/2016年7月号/発売日2016年6月15日/定価:本体556円+税)


 

こちらは月刊誌で、モノクロですがなんと30ページ以上にわたるコケ特集です。

掲載されている方のメンツを見ても面白そうでしょう?!
私は4月に東京で開催されたコケ観察会の取材を受けたほか、
一コケ好きとしてとにかく「溢れ出るコケ愛」を語らせていただきました(笑)

こちらの雑誌は大型書店じゃないとなかなか手に入らないようなのですが、
やはり『望星』のホームページから購入可能とのことですので、ご興味がありましたらぜひ。