かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

苔の里 ‐叡智の杜‐から苔盆景届く

2015-07-18 08:38:30 | 文系女子のコケ目線


昨年、このブログでもお知らせした「叡智の杜プロジェクト」から先日、ついに苔盆景が届いた!

このプロジェクトは、石川県小松市日用町にある苔庭・苔の里(旧・苔の園)を、

 「世界中から未来を考える人々の叡智を集めて国際会議の開催や九谷焼や山中漆器を現代に蘇らせる展示、
  苔を大切にする活動、さらには山菜料理と現代のフードカルチャーを合わせた食のイベントの企画、蛍やトンボ鑑賞会、
  伝統音楽と現代音楽のコンサートなど様々な動きを作っていく」
 (Motion Gallery「叡智の杜プロジェクト」より)

そのための場所として設備を整え、そして世界の人々に開放していこうという主旨で、
日用町で長年、苔の里の苔庭を守ってきた人たちが中心になって立ち上げられたもの。

昨年の秋、クラウドファンディングで公に呼びかけてこのプロジェクトに賛同してくれる人から寄付を集め、
苔の里の敷地内にある古民家「Wisdom House」の修繕費に充てたとのことだったのだが、
そのWisdom Houseがついに完成したということである。

そして、クラウドファンディングの面白いところはただ寄付を集めるのではなく、
寄付をしてくれた人には、のちほど〝お楽しみ〟が待っているということ。
応援の「コース」が選べ、その寄付の額に応じた特典が付いている。

私のもとに届いたのは叡智の杜ポストカード、そして今回の苔盆景と「Wisdom House」の招待状。


  
   ▲小松市出身の長谷川銀さんの叡智の杜ポストカードは、年賀状として年始に届いていた


驚いたことに苔盆景は、届いた箱を開けると、まるで白ごはんを茶碗に入れて温めるときのように
鉢全体にラップをかけらた状態であった。そのため背の高いヒノキゴケとスギゴケ類(オオスギゴケかな?!)は
ラップで抑えられていた名残でいまだやや倒れ気味であるけれど、次第にもとどおりになるのだろう。

普通の植物(維管束植物)ならそんなことをしたら茎が折れてダメにになってしまうだろうに、
コケの場合、このような少々手荒い(?!)梱包でも鉢から土さえ漏れなければ、この方法もアリなのだ。
自分は園芸方面には疎いので、このような方法が一般的なのかわからないのだが、
このナイスアイデアに感心するとともに、鉢の形からしてまさに「温め前のコケごはん」のありさまに思わず笑ってしまった。


なおこの苔盆景、日用町の神社(苔の里のすぐ隣にあるコケむす神社)に
広く生えているヒノキゴケでつくったものということである。
さらにシラガゴケ類、スギゴケ類、スナゴケ類が一緒に盛られているのは、
苔の里に群生している種類をイメージしてのことかもしれない。

自分はたまたまこのプロジェクトの主催者のお一人である
Kさんと知り合いだったことから2013年に現地を訪れ、
大正時代に建てられたという修繕前の古民家と苔庭の専門家であられた
故・大石鉄郎氏の苔庭(旧・苔の園/現・苔の里)を拝見した。

同地の銘木である日用杉の木立の足元にヒノキゴケやシッポゴケ類、スギゴケ類を中心に
まさに「コケの絨毯」という形容がぴったりのコケの群落がどこまでも広がっており、
山中の静けさもあいまって、なんとも幻想的な雰囲気に心が洗われるような気持ちになった。
あの感覚はいまもありありと思いだすことができる(あぁ、またすぐにでも行きたいなぁ)。




説明書によると、ケアは2~3日おきに霧吹きなどで
表面がしっとりするくらい細かい水をかけてあげるとのこと。
コケ育てのウデはいつまでたっても上達しない自分であるけれど、
今回は繊細なヒノキゴケも入っているし、いつにもまして気合を入れてかからねば。


最後に、叡智の杜から最近、以下の告知が出ていたので転載いたします。
苔庭のお掃除なんて、それこそ苔庭が自宅にあるというなら話は別だけど、
普通はなかなかできるチャンスがないと思うので、
ご興味のある方はぜひ参加されてみてはいかがでしょう。

----------<苔の里(叡智の杜)8月2日 ボランティア活動 参加者募集>------------------------

楽しく語らいながら、苔の里づくりをしませんか?
苔の里 夏のボランティア活動に、ぜひご参加ください!
子供連れ、学生・企業団体など皆様のご参加をお待ちしています

●日時:8月2日 9:30~11:30(小雨決行。荒天時延期)

●趣旨:苔の里(里山)の美しい景観や文化の維持・継承と生物多様性の保全を目的とする産官学民参加型のボランティア活動

●内容:苔の里の清掃や草刈りなどの景観維持活動。景観維持活動終了後に、苔の里と古民家交流施設ウィズダムハウスについて、ご案内させていただきます。

●備考:子供から大人までどなたでもご参加いただけます
   ボランティア保険には、主催者側で加入します
   石川県里山ポイントの対象活動です
   持参必須物はありませんが、飲料は各自ご用意ください。

●申込先:0761-65-1426 高(たか)まで
    (原則7月25日までにお申し込みください)

●集合:9:25迄に石川県小松市日用町寅71横の苔の里駐車場
(日用町Pの看板あり)

皆様からのお申込みを、お待ちしております。

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【お知らせ】2015.7.17(金)~「ちいさな苔の写真展 Ⅱ」が始まります @オリンパスプラザ大阪

2015-07-10 18:19:57 | 文系女子のコケ目線
     


大阪は本町にある「オリンパスプラザ大阪」にて、
オカモス関西で集っているコケ仲間の皆さんと
写真展を行うことになったので今日はそのお知らせをば。

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●会場/オリンパスプラザ大阪 オープンフォトスペース
      <アドレス>
      大阪市西区阿波座1-6 MID西本町ビル1階
      <アクセス>
      地下鉄四つ橋線本町駅22番23番出口からすぐ

●期間/2015年7月17日(金)~23日(木)まで ※ただし19日(日)・20日(月祝)は休館です。

●時間/10~18時 ※最終日は15時まで

●写真/オカモス関西(佐伯・辻・辻野・波戸・藤井・村井)


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プロの写真家は一人もおりませんが、
コケを見つめる視線のアツさは皆人一倍のコケ愛好者たち。

どんなコケの何をどうフレームに切り取るか、
それぞれの個性が出たコケ写真がそろっています。

「スマホでこんな美しい写真が撮れるんだ~」
「コケをこんなふうに撮るなんて!Mさんは光の魔術師やね!」

と展示する前からお互いの作品を前にすでに内輪で盛り上がったりも。

この暑さの中、透明感のあるコケの緑は見ているだけですっと心が涼みますので、
お近くの方、ご興味がある方、ぜひ足をお運びいただければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。



▲私の展示写真の中から。白谷雲水峡のフォーリースギバゴケ(2012.8月 屋久島)