▲京都・祇王寺の苔庭(2012年12月29日 ※スマホで撮影。以下同じく)
2012年もついに大晦日になってしまった。
いまこのブログを実家のある神戸で書いています。
「奥入瀬コケ紀行」シリーズ、
とうとう年内にまとめきれなかったな・・・。
ちなみにこのあとは長野県・北八ヶ岳の
コケレポートを書く予定でいたんだけど
これも間に合わないな・・・。
心残りが山のようにありますが(すべて自分がのんびりしているせいなんだけど!)、
もろもろ2013年に持ち越しとして、今日は大晦日を家族と静かに過ごしたいと思う。
今年はモス・プロジェクトからのお声がけで
奥入瀬(青森県)へ行かせてもらったり、
プライベートでは赤目四十八滝(三重県)で
季節ごとのコケの定点観測ができたりと、
おかげさまで様々な場所でたくさんのコケ、
そしてコケが好きな人との出会いがあった。
またコケTシャツ制作や「ひみつの部屋でコケトリップ展」など、
今までにない角度からコケの魅力を人に伝える取り組みにチャレンジできたことなど、
大変しあわせなコケライフを送らせてもらうことができた。
これもひとえにコケのまわりに集まる
たくさんの皆様と家族のおかげです。
改めて深く感謝いたします。
帰郷の際はいつも、東京より西のコケスポットに
足を運ぶのが何よりの楽しみで。
数日前は、名古屋で途中下車して
とあるコケスポットへ寄り道してきた。
●<企画展>なんじゃ?もんじゃ? 木典雄とコケの世界
ちょっと不思議なコケ「ナンジャモンジャゴケ」を発見した
コケ研究者・木典雄氏(故人)の研究熱心であたたかなお人柄が
伝わってくるような手書きのレポートやコケの絵、観察グッズや採集物、
さらにナンジャモンジャゴケそのものについてなど、
こじんまりとした空間ながらコケ好きにはたまらない見ごたえバッチリの展示だった。
来年2月2日まで、入場無料で開催とのこと。
ご興味がある方は、ぜひ。
さらにそれから数日後の12月29日、
2012年をしめくくる今年最後のコケトリップは京都。
京都に住んでいる友人に車を出してもらい、
嵯峨野にある祇王寺へ行ってきた。
ここは今年、TBSの「報道ステーション」の
紅葉特集で取り上げられたお寺で、
関西在住のコケ研究者であるMさんとKさんも
イチオシされていたコケスポットである。
ちなみにお寺としてのゆかりも私にとっては興味深く、
その昔、平清盛の寵愛を受けるも悲恋と散り、
尼となった「祇王」という女性の碑が残る場所であるという。
当然のことながら紅葉はすでに時季を過ぎていたが、
庭は落ち葉や塵ひとつない手入れの行き届きようで、
もうただただ、ため息をつく美しさ。
晩秋は紅葉の赤とコケの緑のコントラストはさぞ美しかったと思うが、
冬のやわらかな陽射しを受けて輝くコケの緑もまた一興である。
この苔庭のメインはオオスギゴケ(Kさんから教えていただきました)。
濃い緑でモコモコと立ち上がって生えているのが、そうだ。
▲オオスギゴケ(俯瞰で見たところ)。
一方、地面をおおいつくす明るい緑も、これまたすべてコケ。
ぺたっと地を這うように生えるシノブゴケ、ツヤゴケの仲間が主な構成要員で、
背の高いオオスギゴケと対照的に、この苔庭の面的な広がりを演出しているように感じた。
そのほかにもクモノスゴケ、ヒノキゴケ、シッポゴケ、ホウオウゴケなど、
様々な種類の、独特の緑色をしたコケがそこかしこにいて、私は静かに大興奮(一応お寺ですしネ)。
紅葉の時季は観光客で大混雑だったようだが、
いまは暮れということもあってか訪れる人もちらほらで、
おかげで私たちはそれはそれはゆっくりと数時間かけて、
庭を3周も4周もしながら、今年最後のコケ見を満足いくまで堪能したのだった。
さてさて。
明日は寒くなるようですが、
地方によっては初日の出も拝める空模様だとか。
では皆様、今年もお世話になりました。
よいお年をお迎え下さい。
また来年、ここでお会いしましょう。
▲年越し蕎麦。お昼にひとあし早く食べちゃいました。
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