かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

奥入瀬コケ紀行(番外)

2013-02-28 18:30:00 | 近所のコケ
本文が全然追いつけていないが、後日書こうと思っている「コケガールミーティング」にて、
苔玉作り教室を開いてくれた、苔玉職人・起田さんが新聞に出ていると、
先日ツイッターのフォロワーさんから教えていただいた。

ご興味のある方は、ぜひ読んでみてくださいマセ。

東奥日報の記事

なお、実際の紙の紙面にも記事は掲載されていて、
こちらは長年にわたり奥入瀬や八甲田などの自然を撮り続け、
去年からはアトリエを東京・恵比寿から青森の十和田市に移した
写真家・岩木登さんも紹介されているとのこと。



  ※起田さんのブログから画像を拝借(事後報告でスミマセン!)


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実は明日から、日本蘚苔類学会の毎年恒例のイベントとなっている
「コケフォーレ」(このブログでは「コケ強化合宿」と呼んでいる)に参加してきます。
一昨年は長野、昨年は福岡と、毎年開催地が違うのだが、今回はなんと屋久島(!)。

帰京は3月6日の予定。ブログのトップにも書きましたが『苔暦』の発送や、
メッセージを頂いた場合のお返事は6日以降となります。勝手都合をいいますがご了承ください。


1月と2月の読書

2013-02-27 01:36:52 | コケの本棚
今年はなるたけ本を読もうと
試みている自分のための備忘録として、
いきなりだがこのブログにその月に読んだ
本について書き留めておきたいと思う。

コケに関係ないものも多々出てくるのでご容赦を。
そしてもともと読むスピードが遅いため、冊数も大したことなく。

さらに1月は書くタイミングがなくて、
さっそく2か月分のまとめるという横着ぶりデス・・・。


余談になるが、思い返すと2011年は
本を書かせていただいたりと、
わりとバタバタしていたという理由もあるが、
震災直後から昨年の暮れくらいまで、
なぜだかあまり本を読みたいという気分になれなかった。

目の前の日常が急に状況が一転し、それに伴って
ものすごい量の情報がものすごいスピードで目の前を通りすぎていった。

それらをどう咀嚼して、自分の中でどう判断するのか、家族と決めていくのか、
そういうことに精一杯で、本から知識を得たり、感情を豊かにしたりという
本来当たり前のようにあった日常のささいな欲求にまで、心が届かなかったのかもしれない。

従来は読書や映画鑑賞などわりと「静」な手段が
自分の中のストレス解消法や心の支えがだったりしたのに、
あの頃は旅行やハイキングに出かけるなど、
わりと「動」な手段が心のモヤモヤを解消してくれていた気がする。

なんだかんだあったが(そしてそれはまだ続いているが)、
あの震災は来月でもう2年前のことになるのだ。



<1月>

『おしかくさま』(谷川直子・河出書房新社)



「第49回文藝賞」受賞作。新聞の書評で絶賛されていて、気になるあまり年末に購入。
銀行のATMを神とあがめる新興宗教にはまる主婦集団と、
次第にその宗教活動に巻き込まれてしまうと家族の物語。

久々に買ったハードカバーの文芸本。
2日のうちに読み切った。

語り手が私・姉・母・父と順番に変わっていくのだけど、ややこしくはない。
話の筋は常に明確で、その誰もの気持ちに感情移入ができる。
最後は怪しい新興宗教の主婦集団の論説にもつい納得してしまった。

読後感は爽快で書評や帯にあったとおり、面白かった。


『ときめくきのこ図鑑』(文:堀博美、写真:桝井亮、監修:吹春俊光・山と渓谷社)



キノコ本は本当にたくさんあるので、
毎回視点を変えた本を出すのは大変だろうなぁと
おせっかいながら職業柄、勝手に思ってしまうのだけど、
本書も従来とは視点を変えた初心者向けの入門書となっている。

図鑑部分が3/4位のボリュームを占めているが、
「さまざまな愛のかたち」の章では、
文を書かれた堀さんとその周りのきのこ好きの方々の
キノコ愛がひしひしと伝わってくる内容。

この「ときめく図鑑シリーズ」は他にも
星空だったり鉱物だったりのテーマで出ていて、
おそらく若い女子を読者対象に想定しているのではないかなと思う。
でも、なぜかどれも文字が小さくてちょっと読みにくい。
女子向けにかわいさ重視ということなのか…そこだけが気になる。


<2月>

『そして生活はつづく』(星野源・文藝春秋)



ミュージシャンで俳優である星野源がひそかに好きだ。
でもハードカバーで同書が出ていたのは全然知らなくて、
つい最近、文庫版が出ていたところを本屋さんで見つけて購入。

その名のとおり生活をテーマにしたエッセイなのだが、
淡々と書かれていながらも、わりとしっかりオチもついていて笑えた。
同感する部分も多々あり、もともと星野ファンということもあって、癒されながら読んだ。


『長生きしたけりゃ肉は食べるな』(若杉友子・幻冬舎)



なんともすごいタイトルだ。そしてタイトル通りの本だ。
友人のススメにより友人から借りて、1~2時間で読了。
自分からはこの手の本は絶対手に取らないので、ある意味刺激的。
ちょっと極論すぎると思うけど・・・。


『コケの自然誌』(ロビン・ウォール・キマラー<著>、三木 直子<翻訳>・築地書館)



去年11月に発売早々購入したものの、
文章が独特ゆえに冒頭がちょっと読みづらく、
そのままにしていたのだが、今年から再度挑戦。

しかし気合を入れ直してページを進んでいくと、
今度はむしろどんどんはまっていき、
最後は読み終わるのがもったいなくなるほど、
自分にとっては発見と感動の多いすばらしい作品だった。

このようなコケ本を翻訳出版してくれて、
築地書館さんありがとう!と言いたい。
いまや私は著者・キマラーさんのすっかりファンである。

なお値段は2,525円とわりと高めだが、
コケに興味のある人なら買って損はない。

初心者には最初ちょっと難しいと感じてしまう内容だが、
フィールドワークなどでコケを知りながら、
この本をたびたび読み返していけば、
かなりコケへの理解が深まると思う。

奥入瀬コケ紀行(モス・プロジェクトその7)

2013-02-15 16:32:11 | コケをめぐる旅
奥入瀬に来て3日目。

朝食の前に少し早く起きてホテルの周りを散策した。
それがいつも旅をした時の習慣だ。

ホテルのすぐ裏手には奥入瀬川が流れていて、
建物と川の間に横たわる小さな雑木林の中を歩く。

空気は思ったほど冷たくない。

風と川のせせらぎに自分の足が落ち葉を
踏みしめる音だけが聞こえる。

とっても静かな時間だ。

こう静かだと、なんだか小さなものたちの声も聞こえてきそうな気がしてくる。











そして、なぜだかこの雑木林は地衣類がやたら豊富で、
幹は地図みたいな模様で埋めつくされていた。






















▲これなんかまるで世界史で習った中世ヨーロッパの古地図みたいだ!


山にはまだ紅葉がたくさん残っていて、モミジもきれいだった。





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<お知らせ>



最新号「山と渓谷」に、今回のモス・プロジェクトのことが
見開きページ(P182-183)で紹介されています。

企画タイトルは「コケは招くよ!」。
なんともかわいいタイトルです。

おそらく今日あたりから書店に並んでいるようです。
ご興味のある方はぜひご覧くださいマセ。

コケ情報:2/9(土)深夜24時30分~TBSラジオでコケ番組!/「苔暦」のこと

2013-02-07 18:58:49 | 文系女子のコケ目線
今週の土曜日、コケについてのラジオ番組が、
全国ネットで放送されるそうです。


●TBSラジオ(他全国のネット局)「夢★夢エンジン

 ・放送日: 2013年2月9日(土)深夜24時30分~25時00分 ※地方局では放送時間の変更あり。
 ・テーマ: 「コケ植物の不思議な生態」

出演は国立科学博物館植物研究部の樋口正信さん。
コケ初心者向けの内容になっているとのことだが、
そんなの関係ネェ!(古い?) これは聞くしかないでしょう。


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「苔暦」のこと

昨年末からご希望の方にお分けしている
コケカレンダー「苔暦」ですが、
おかげさまでたくさんの方からご要望があり、
1月いっぱいまでけっこうその作業に追われていました。

ご注文者の方から、フィールドワークになかなか出られないけど、
自宅や職場で「苔暦」を見て和んでいるというお声を頂いたりすると
とても嬉しく、思いきって作った甲斐があったなぁとしみじみ。

さらに2月に入っても「まだ間に合いますか?」との
お問い合わせもいくつか頂いています。

実は、少しばかりですがまだ手元にあります。
なので、もしご希望の方がいれば
かけこみ注文を受け付けたいと思います。



▲「苔暦」表紙

なくなり次第終了とさせていただきますので、
その点はご容赦くださいませ。

●内容・申込詳細はこちら→ コケ好きのためのコケカレンダー「苔暦2013」


奥入瀬コケ紀行(モス・プロジェクトその6)

2013-02-06 15:42:04 | コケをめぐる旅

▲隠花帝国に魅了される人々。ウェアが隠花植物と同化して保護色のようだ

〝奥入瀬隠花帝国〟を堪能した私たちは、いったんお昼ごはんを食べに、
奥入瀬渓流エリアの入口にあるノースビレッジさんの事務所へ戻る。

この景観の雰囲気にぴったりのログハウスで、2階が事務所、
1階はツアー客も利用するカフェレストランになっている。


▲どうです、なんかステキでしょ。



▲ベンチではコケがお出迎え。なんでも芸術家の方の作品だとか。



▲入口前では奥入瀬渓流で見られる代表種を紹介。


さらにど~しても書いておきたかったのが、
ここの石窯で焼かれたピザの味。

これが、なんとも美味しかった!

クラストは薄くて噛みしめるごとに
パリパリとその音まで美味。
さすが石窯焼き、絶妙な火のとおりだ。

さらにトッピングはいろいろと種類があったのだが、
とりわけ地元名産のニンニクと長芋(生産量日本一!)のピザが超絶品だった。




ニンニクならではの香りのきつさを懸念していたのだが、
意外にもそれはまったく気にならず、むしろニンニクの甘みやホクホク感、
長芋のほどよいみずみずしさが残ったシャキシャキ感に、
さらにそこに海苔の香ばしい風味とチーズのコクと塩気が絶妙に効いていて、
どんどん食が進み、ついつい「もう1枚」と手を伸ばしてしまう。

私ごときがピザを語るのもなんなのだが、
私史上〝最も記憶に残るピザ歴代1位〟の座に
堂々君臨したのです、このピザは!

これからノースビレッジに行かれることがあれば、
そして和風ピザに抵抗がなければ、
ぜひあのニンニク長芋ピザを食べてみてほしい。
とにかくオススメです。

ノースビレッジレストラン



▲ピザ以外にも石窯で焼いたホットサラダやチキンなども美味でした


▲レストランの外に設置された石窯。ちょうど奥でピザが焼けています


さて、コケブログがピザブログになったかと思われるほど
熱弁を振るってしまったが(食いしん坊でごめんなさい)、
心地よい充実感で胃袋を満たした私たちは、ふたたびフィールドワークへ。

河井さんと河井さんの部下にあたる
ガイドの丹羽さん(通称:イケメンガイド)がオススメの、
日本一大きいともいわれるブナを見に行く。

樹齢は推定400年、木こりの間で「三本に分かれた木には神が宿る」と信じられたため、
切られずに残ったとのことで、今でも地元の人々から「森の神」と呼ばれている木なのだそうだ。



▲曲がることなくすくっと立ち、空いっぱいに枝を広げる「森の神」。たしかに途中から幹が3本に分かれている



▲看板の右側の支柱が削れているのは、クマが味見したからだそう


しばしこの雄大な「森の神」に見とれるが、
気づけばまたみなこのとおり。


▲ノースビレッジのガイドの皆さん。右が河井さん


何を見ているのかな?と近寄ってみると・・・



▲あ、キノコだ



▲キヌガサタケ系かな?



▲種類はよくわからないけど、その根元に注目。卵形の立派な幼菌が土から顔を出している



▲さらに周りをよく見ると、同じ菌と思われる白い菌糸があちこちに!



▲枝を拾い上げると、やはり白い菌糸の束がからみついている



▲落ち葉もこのとおり


▲キノコまで!


「菌は森の分解者」、「枯れ木や枯れ葉などの有機物を菌が分解してこそ森が生きていける」

とは、本ではよく目にしてきたフレーズだが、
まさにその現場を目の当たりにしたかんじ。

人知れず物音ひとつ立てずに粛々と任務を遂行していく
菌の底知れぬパワーに感服。



●おまけ:森で出会った美味しいキノコ


▲クリタケ


▲ナメコ


▲つるんとした水まんじゅうのようなナメコの傘。
 表面にカメラマンとブナの森が映っています。
 ナメコには世界がこんなふうに映ってるんだねぇ。