かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

コケの滝

2010-07-30 11:48:25 | 山登りとコケ
八ヶ岳山行のつづき。


1日目、山小屋に到着してザックを降ろしたあと、
ひとっ風呂浴びようということになり、
本沢温泉の野天風呂に向かう。


その道の途中、こんな不思議な光景が目に飛び込んできた。







なんだろう? この白い滝のようなものは??



よくよく近づいて見てみると・・・








なんと! これはコケの胞子体ではないかい?!


   ※胞子体(ほうしたい)=コケ植物の胞子を作る部分。
       配偶体(いわゆる普段から私たちが見ているコケ)から
       伸び出てているもので、先端には胞子の入った袋部分「(さく)」をつけている。





さらにルーペでアップにしてみて見ると、
白く見えているのは柄(さくへい)で、
柄の先にはカニの目玉みたいな黒くて細長いがついている。


   ※柄(さくへい)=「」を支える柄の部分のこと。





▲ルーペでのぞいたところ。




コケの群生からいっせいに白い柄が伸びる
その様子は、まるで森を流れる滝のよう。



このコケの名前はちょっとわからないけれど、
モヤシのようにやわらかく白い柄から、
たぶんコケ植物の中でも苔類(たいるい)と思われる。


   ※苔類(たいるい)=コケ植物はその生態の違いから、
       蘚類(せんるい)・苔類・ツノゴケ類の3タイプに分けられている。
       苔類の柄は、が熟成すると急速に伸び、短期間で枯れてしまう。





まぁ、難しいコケのメカニズムはさておき、
つまりはこのような苔類の胞子体が見られるというのは、
コケ好きにとっては、とてもラッキーということなのだ。



あぁあ。こんな神秘的な場面に出会えるなんて!!




まさに・・・・



Yes!! fall in love!!


(↑これを書いている私いま、「滝(fall)とうまいことかけ合わせたった!」とドヤ顔してます)



おあとがよろしいようで。

夏山、八ヶ岳に登る。

2010-07-29 12:48:35 | 山登りとコケ



先週末は1年2ヵ月ぶりに八ヶ岳に登ってきた。


あいかわらず赤岳(2899m)の急斜面を登るのは、
心が折れそうになるくらい苦しかった…。

でも、天気に恵まれて景色は最高!
色とりどりの高山植物が咲きほこる夏山は
やはり楽しいものだった。



  
▲高山植物たち。ピンク色はコマクサ。




もちろん、山のコケチェックも欠かさず。


コケは本当にたくましい植物で、樹林帯はもちろんのこと、
森林限界点のハイマツしか生えないような
吹きさらしの乾燥した場所でも生えているのを見かける。


また圧倒的に数は少ないが、
頂上近辺のゴツゴツした岩だらけの場所に生え、
つつましくその命をまっとうしているコケもいる。







▲こういうゴツゴツした稜線を上り下りしながら歩いていると…








▲ぴたっと岩肌にはりつくコケを見かける。




空に近いので紫外線は強く、温暖の差も激しいこの場所で、
彼らは岩と岩の隙間や岩の穴ぼこにぎゅっと身を固め、
息を潜めるようにして生きている。


どうしてわざわざこんなしんどい場所に生えるのかは、わからない。


偶然胞子が飛んで、うっかり生えちゃったのかもしれないし、
コケ同士の陣地争いがないから細々と生きながらえているのかもしれない。


でも、このような過酷な場所で生きているコケに出会うと、
私は毎回、心が洗われるような気持ちになる。




初めて来たときも、前回来たときも彼らの様子はまったく変わらない。


乾燥により険しい表情を見せながらも、格別の景色を望みながら、
岩にしみた水を頼りに、少しずつ次の命を繋ぎ続けている。




▲夏沢峠から見た朝陽。



▲稜線を歩いている途中に見えた富士山。



そしてそんな彼らを見ている私自身も、
標高3000m近くのここまで来るのに息切もたえだえ、
精神的にも体力的にも相当辛い(なんでこんな山登ってるんだろう!?と毎回思う)。



だからよけいに彼らを見つけると、
まるで同志に再会したような気持ちになり、
「あいかわらず、ずっとここで生きてるんだねぇ。がんばってるねぇ」と
つい心の中でコケたちに声をかけてしまう。

そして「私ももうちょっとだけ、がんばるか!」と前向きな気持ちになるのだ。




今回も、同行した愉快な山仲間たちと、
そして物静かな緑の友人たちに支えられながら
無事充実した山行を果たすことができた。






【山行ルート】
●7月24日
 JR小海線・松原湖駅からタクシーで登山口へ→約2時間登りで本沢温泉
 →日本最高所野天風呂「雲上の湯」に入り、山びこ山荘泊→夜8時過ぎ就寝。

●7月25日
 朝4時に出発→約1時間の登りで夏沢峠で日の出拝む→硫黄岳(2760m)
 →稜線を伝いながら横岳(2829m)→赤岳(2899m)を登る→地蔵尾根を下って行者小屋へ
 →Myコケパラダイス・南沢を抜けて美濃戸口へ16時10分に到着。→バス・電車で帰宅。

田中美穂植物店コーヒーショップ

2010-07-23 14:07:35 | コケをめぐる旅



うだるような暑さが続く今日このごろ。
みなさんお元気にお過ごしでしょうか?

1週間ほどご無沙汰してしまいました。


ブログが更新できなかったあいだも、
わが家にはまた新しいコケが増えたり、
少しでも暑さをしのぐため、コケまわりの環境を整えたりと、
あれやこれやと地味に活動しておりました。



とにかく暑すぎて体力を消耗するせいか、
ちょっとあいた時間ができても、
すぐ冷たいものを飲んだり、ソファで休んだりと
ボーっとした時間を過ごしてしまい、
ブログのほうはすっかり後回しに・・・。


今朝の天気予報によると、
来週には少しはこの暑さもましになるというから、
早くそうなってほしいと心から願うばかり。




さて先日は、「田中美穂植物店コーヒーショップ」が
期間限定で東京に支店を出すというので行ってきた。


とはいえ実は私も、渋谷のとある本屋さんに置いてあったDMで、
このお店の存在を初めて知ったのだけど・・・。


なんとなーく気になっていて、
京都にあるというそのお店のホームページを見てみると、
なんとお店のロゴがゼニゴケとコーヒー豆という斬新な組み合わせ!

そこにものすごく興味をひかれ、
支店が置かれているというアノニマスタジオへ
足を運んだというわけなのである。




店内はコケ自体のボリュームは少なかったけど、
シダやら多肉植物やら藻やらがいっぱいで、
心ひかれる植物空間であった。


基本的にこのお店では切り花ではほぼなく、
鉢植え専門店であるとのこと。

  
▲よくみると葉が縮れていたり、乾燥していたりと珍しい種類がたくさん。
 左端のツルっぽい植物は、江戸時代につくられた変形タイプの南天なのだそう。



また、消しゴムくらいの小さな鉢やガラスの小瓶、
アンティークの手挽きミルやポット、
さらには年季の入った植物図鑑など、田中さんが長年かけて集められたのであろう
センスが光る小物も充実していて、とても目の保養になった。


  






この暑さのせいか、コケもいいけど
シダも葉が涼しげでいいなーとか思いながら、
かなり時間をかけて、わが家にお招きしたい鉢を吟味。


お財布事情とも相談のうえ、結局、ビロードシダの鉢と、
コケ&シノブがセットになっている軽石の鉢を購入。


とくにこのビロードシダについては、「田中さんとこじゃないと、
他ではなかなか手に入らないかも」というレアモノなのだが、
葉の生え方は不規則だし、葉自体もくねくねっとしていて、
元気なんだかそうじゃないんだか見ただけではよくわからず、
他のシダ類と比べても、正直あまりかわいくない。




▲左端がビロードシダ。横の2つと比べても明らかに地味。



それでも、いくつかの葉を裏返してみると、
けなげにもちっちゃな葉に、せいいっぱい茶色い胞子をつけていて、
〝こいつ・・・なんかほっとけない!〟的な
あまずっぱい気持ちになり、悩んだすえ購入することに。


シダは今まで育てたことないけれど、
どんなふうな成長が見られるのかちょっと楽しみだ。




この日は店主の田中さんは、
京都のお店に戻られていて不在だったけど、
お留守番のスタッフの方がとても親切にしてくださり、
特別サービスでコーヒーもごちそうになってしまった。


この東京支店は7月31日(土)まで。
最終日近くには田中さん本人も来られるのだそう。

とても心和む空間なので、
お近くの方や興味のある方はぜひ。


●田中美穂植物店コーヒーショップ
http://d.hatena.ne.jp/kafekosen/

●アノニマスタジオ
http://www.anonima-studio.com/



Red & White

2010-07-15 13:46:04 | コケをめぐる旅
箱根美術館のつづき。

苔庭の隅のほうにこんもりとした緑の一角を発見。






近寄ってみると・・・





それは、ホソバミズゴケの群生だった。


さらに近寄ってみると・・・



▲アブっぽい虫がとまっている。ひと休み中か、しばらく動かなかった。



ホソバミズゴケと親しむには、
まず触ってみることを強くオススメする。


ホソバミズゴケはじめとするミズゴケ科の仲間は、
からだの中に、穴の開いた袋状の細胞をたくさん持っていて、
大量の水を体内に貯めこむことができるのだ。


だからその柔らかなからだを強くつまむと、
ジュワッと水がしみ出てきて、
まるでスポンジのようなのだ。


私はこのことを屋久島に行ったときに
小原ガイドに教えていただき(ブログの左横にブックマークしているコケ友さんです)、
見つけるといつも、この「ジュワッ」が見たくて、
何本かをたばねてギュッとつまんでしまう。



分布は北海道から九州の森林。

しかし愛媛県や京都府では、
絶滅があやぶまれる野生動物リスト
「レッドデータ」にも載っていたりする。



私はまだ図鑑の中でしか観たことがないのだが、
ミズゴケ科の中にはコケにもかかわらず
赤紫色を帯びている種類もある。

しかし、このホソバミズゴケは、
どのコケ図鑑を見ても「淡緑色で、赤くならない」とある。


でも、、あれ?

こちらのホソバミズゴケ、
なんか部分的に赤っぽくないかしら?






さらに、白っぽいホソバミズゴケも発見。
これはものの本によると乾燥している証拠とのこと。
でもあまりにも白すぎるような・・・(突然変異ってことはないのかなぁ。。)。









▲こちらは、やたら下葉が長いホソバミズゴケ。仙人みたい。



ちなみに、私はこのミズゴケ類を見るといつも、
モリゾー&キッコロを思い出してしまうのである。


▲愛知万博でおなじみになったキャラクター。いまはNHK教育で活躍中。

癒しのコケパラダイス、箱根美術館へ。

2010-07-13 12:20:08 | コケをめぐる旅

▲コツボゴケとカエデの種。



土曜日は前々から行きたい行きたいと
思っていた箱根美術館へ。


  ※箱根美術館
  http://www.moaart.or.jp/hakone/
  ▲創設者は岡田茂吉(宗教家、美術品収集家など複数の肩書きが・・・)。
   約半世紀前に建てられた美術館で、氏のアイデアで120~130種のコケを密生させた庭がある。



ここのコケ庭はすごい!とコケ好きさんたちの
ウワサでは聞いていたが、
いざ行くとなると自宅から2時間以上かかるため、
ずっと足踏みをしていたのだ。

 
  
しかし、ぽんと空いた時間ができたことと、
前日に雨がよくふったことが私の背中を押し、
朝7時の電車に飛び乗り、いざ箱根へ!


アジサイが見ごろの箱根登山鉄道で
「公園上」駅まで登り、
10時前に箱根美術館に着く。




観覧料は900円。


え、900円!?


(ちょっと高くない?)


一瞬そう思ったけど、
今日の箱根はここに入ることを
最大の目的に来たのだ!

しぶってどうする!!


というわけで、ささっと受付を済ませて、いざ中へ。




そして目の前に現れた景色がこれ!





ほぅ。。。なんと美しいんだろう!!!



それからしばらくは、「すごい!」「いいわぁ」と
興奮すると出るいつもの癖、〝とめどないひとり言〟を連発。


幸運にも開園まもなくで他に人がいなかったため、
どなたさまにも怪しまれることもなく、
ブツブツ言いながらこの感動をかみしめる。



京都や鎌倉のお寺をはじめ日本には数多くの苔庭があるが、
ここの苔庭の何が良いって、「苔庭」の名にたがわないコケの主役ぶりである。


コケ以外で主に配置されているのは、
カエデ、大きな岩、小川、そして石畳の通路くらい。


非常にシンプルなつくりは、
まさに「コケを堪能せよ」と言わんばかりなのである。



▲コケに囲まれたシンプルな空間。




▲よく見るのは「芝生に入らないでください」だが、ここはコケバージョン。



そう思って今度は地面を見てみると、
多種多様なコケが元気なこと。


まだ湿度の高い午前中に来たのもよかったのだろうが、
地面には余すところなくほどよい湿り気を帯びたコケが生え尽くし、
種類によって異なる緑の濃い薄いの色合いが
グラデーションになっていて、とても美しい。



下を見ればコケ、上を見ればカエデの若葉、
そんな上下緑に囲まれた世界を進んでいくと、
あれ? あそこにうずくまっている人が・・・。





▲この方は庭師さん。苔庭を美しく保つために、
 コケの隙間に生える雑草を一本、一本、毎日手作業で抜いておられるとのこと。




しばらくの間、数人の庭師さんと私以外は誰もいなかったので、
庭師さんと同じようなポーズで私も地面にうずくまり、コケ観察。



すると、同年代くらいの女性の庭師さんに声をかけられる。



「なにされてるんですか?」


「いや・・・あの、コケが好きで観察しているんです」


「まぁ!そんなうずくまってまで、コケを見てくれてるなんて!うれしいなぁ。
 コケも喜んでますよ。ゆっくり観てあげてくださいね。いやー、うれしいなぁ」


またいつものように怪訝な顔をされるんじゃないかと(コケを観察しているとよくある)
びくびくしていたら、思いのほか庭師さんはすごく喜んでくれて、
なんだか私まで嬉しくなってしまった。


まったくコケを見ていると、
いつもいいご縁があるなぁ。




▲ホソバオキナゴケとキノコのツーショット




園内はけっこう広かったので、
あっちへこっちへとルーペ片手にウロウロしながら
さらにコケ観察を続けること数時間、
心ゆくまでコケとの会話を楽しんだ後、
おなかが空いたので、庭に設けられた茶室へ。



和菓子とお抹茶をいただきながら、
今度は遠目に「苔庭」という空間を眺めてみる。



静寂の中にあっても、
コケをはじめとする植物たち、そして虫たちの、
無数の息づかいが聞こえてくるようである。


もともとは人が作った庭とはいえ、
いまやこの空間は彼らのもの。


そういった人智の及ばぬ自然の中に、
自分が置かれていると思うと
不思議と気持ちが落ち着く。


箱根美術館はまさにコケパラダイス、
マクロにミクロに、四方八方から、
コケとコケのある空間を堪能できて本当に癒された。




<メモ:私の知識の中で確認できたコケ>

・スギゴケ
・タチゴケ
・ヒノキゴケ
・コツボゴケ
・エビゴケ
・フデゴケ
・ホソバミズゴケ
・ホソバオキナゴケ
・ジャゴケ
・ヒメジャゴケ
・ヒジキゴケ
・シノブゴケ
・ハイゴケ
・エダツヤゴケ
・フルノコゴケ?
・コアミメヒシャクゴケ? ・・・などなど。


  

  
▲左上から時計回りに、スギゴケ、エダツヤゴケ、ヒメジャゴケ、エビゴケ。

コケの花言葉

2010-07-07 10:40:52 | 文系女子のコケ目線
コケにも花言葉があるってご存じだろうか?


ここ最近、コケについていろいろと調べ物をしているのだが、
コケに花言葉があったことを知って驚いている。



花言葉は、世界各国にその気候風土や
文化をもとにした土着の花言葉があるが、
現在、日本で用いられている花言葉の
多くはヨーロッパのものらしい。



コケの花言葉は19世紀にイギリスで決められたもので、
和訳では「コケ(地衣類)の花言葉」と書いてあるところを見ると、
その時代がまだコケの分類学が確立していなくて、
地衣類もコケの一種として考えられていたことがうかがい知れる。


  ※地衣類…藻類と菌類が共生している植物。コケのようにごく小さな植物で、
   「○○ゴケ」と名のつくものも多いが、現在では地衣類はコケとは別分類されている。




実はこの花言葉、「誕生花」の意味合いも含んでいる。


しかもなんとコケは366日のうち、
4日も誕生花として登場しているではないか!


ただでさえ花の咲かない隠花植物であるにもかかわらず、
「花言葉」がつけられていたことにも驚きだが、
さらに1年のうち4日分もの誕生花を担当しているなんて・・・。


ちょっとコケにゃ荷が重すぎやしませんかい!?



・・・と言っていてもはじまらないので、
さっそくコケの花言葉とその該当日を紹介しよう。




<コケが誕生花の日・その花言葉・この日生まれの著名人>

●1月22日「母の愛」・・・・・・F・ベーコン、岡部茉莉、星野仙一、高橋恵子など

●1月29日 「母の愛」・・・・・・チェーホフ、テレサ・テン、岡村孝子など

●8月10日 「あなたの愛はお母様のようです」・・・・・・大久保利通、角野卓造など

●12月2日 「母の愛をもって」・・・・・・山崎努、夏木豊、ドラミなど

―「花言葉全集」吉津良恭著・タキイ種苗(株)出版部/「366日誕生花の本」瀧井康勝著・日本ヴォーグ社刊―



さて、あなたの誕生日はあっただろうか?


なぜドラミちゃんまでが著名人枠に?
という疑問は横に置いといて、
ちょっとずつニュアンスはちがうものの、
総じてコケの花言葉は「母性愛」を象徴するもののようである。



たしかにコケは暑さ寒さに耐え、
厳しい環境でも生き抜くたくましさがあり、
一方でしっとりと水気を含んだ葉で地面や石岩を覆って、
他の植物が生きやすい大地のクッションにもなっている。


そんなコケの生態を思うと、
よりこの花言葉がつけられたゆえんが
わかるような気がする。




ちなみに、実は私は今日が誕生日。

毎年いろんな人から「七夕が誕生日なんてうらやましい」
「ロマンチックでいいなぁ」と声をかけていただき、
自分でも「ちょっとラッキー♪」とか思っていたのだが、
私から見たら「コケが誕生花の人は、なんてラッキーなんだ!!」と思わずにいられない。


これを機に、はじめて他人様の気持ちがわかった次第。


せめて、これからもさらにコケとお近づきになって、
その万物を包み込むような母性愛パワーにあやかりたいところである。




▲コケの胞子体(葉の間から生える胞子が入った袋「朔」をつけた植物体)。
 コケは花をつけないが、この胞子体が通称「コケの花」と言われている。

涼をさそう・・・

2010-07-03 15:31:38 | 近所のコケ
ここ最近の日本はつとに蒸し暑い。

雨もよく降り、傘が手放せない。


まぁこの湿度の高さと、雨の多さが梅雨の風物詩であり、
ヨーロッパのようにカラッとしてしまっては、
それはそれで物足りないのだけれど。



こういうときこそ、
コケを見て涼もうではないか。





▲というわけで、八ヶ岳・南沢の森での一枚。




コケに雫がしたたり、キラキラと輝く姿は
見ているだけで涼やかな気持ちになる。



もちろん、こういう美しい姿は、
森じゃないと見られないというわけではない。


コケにはたくさん種類があるから(日本だけでも1600種!)、
生える場所もちがえば、水滴の含み方も、緑の輝き方もそれぞれにちがう。






▲水滴を含むというよりは、濡れしたたるコケや・・・ (公園の壁面のホウオウゴケの一種(たぶん))





▲水をたたえ、しっとりとしたコケ・・・ (地べたのジャゴケ)





▲葉の先に玉のような雫をいっぱいちりばているコケも・・・ (川べりのサワゴケ(たぶん))



雨の日に外を歩いていて、
ちょっと目を留めると
いろんなコケの表情が見られて楽しい。


こないだはそんな道ばたのコケたちの隣りで、
カエルが気持ち良さそうに空を仰いでいた。



こういう瞬間に出会えると、
梅雨のある国に生まれてよかったなぁと思う。