緊急事態宣言の対象地域が11都府県に拡大になってしまいました。
一人ひとりがこの事態を把握して、再び自らの行動を謙虚に見直す努力が必要とは思いつつ、
この国のリーダーの指導力のなさ、求心力のなさを思うと、途方に暮れてしまう。
前回お知らせした大阪・咲くやこの花館で開催中の「咲かない植物 こけ展」も、気づけば会期終了まであと数日。
このような状況下でも、(おそらく大阪府民を中心に)来館してくださる方が一定数いることは大変ありがたいことだが、
やはり「行きたくても、今回は行けない」という方も多いのではないかと思う。
こちらとしてもオカモス関西の有志メンバーと咲くやこの花館のスタッフの皆さんで、一丸となって作り上げた展示。
東京のコケ友たちに「こんなコケ展をやるよ」と画像を送ったら皆、「いいね~!」「すごいね~!」と喜んでくれたので、
このブログでもちょこっと紹介させて頂こうと思います。
会期前日の搬入時の画像、さらにスマホで撮ったものなので、
構図があまりよくありませんが、雰囲気だけでもお楽しみくださいませ。
まずはトップにも載せておりますが、こちらはコケの博物画ギャラリー。
19世紀前後の銅版画で、オカモス関西のボスであるMさんと私の持ち物を展示しました。
画の後ろに吊るしてある大きな垂れ幕は、コケに詳しい方はご存じの人も多いでしょう、
左右どちらも生物学者のエルンスト・ヘッケル(1834-1919/ドイツ)の作品。
画像をよく見て頂くと、実際の銅版画もどちらも展示しています(それぞれ中心にある大きな額装のもの)。
そのほか、博物学者であり博物画家のジェームズ・サワビー(1757-1822/イギリス)などの作品もあります。
一方、こちらはオカモス関西メンバー有志らによるコケの魅力を伝える写真パネルの数々。
コケの生態がわかるものから、お気に入りのコケ風景まで、十人十色のコケの見方・楽しみ方が伝わってくる展示です。
さて、雰囲気がガラッと変わってこちらはコケ園芸のコーナー。本展でいちばん華やかな一角です。
これこそ、作家によって器の形状一つとっても全然違っていて、個性が出ますね。
今回、展示されていたのは、
・江津苔プロジェクト
・苔・なっこ
・城東社中
・MOSS GARDEN
・Mosslight-LED
・金木犀
・「こけちゃっかー」
・The★Moss
・Japoriumu®
の皆様です。
金木犀さん(東大阪)と苔・なっこさん(大阪)ほか、何社かは会場で作品も販売。
会場の様子は金木犀さんのブログでも紹介されていますよ。
このご時世なので、寒いけど会場の窓は全開とか。皆様、本当にお疲れさまです!!
咲くやこの花館は、日本最大の温室を有することをご存じでしょうか。
そして温室内の熱帯植物や多肉植物、はたまた高山植物の足元には、意外と豊富にコケがあります。
今回、咲くやこの花館のスタッフさんとオカモス関西メンバーでブログ「そよ風のなかで part2」のSさんによって、
温室のコケにスポットをあてたコケMAPを作成。その名も「咲くやズッこけ散策MAP」。
〝コケを探すのに下ばかり見過ぎて、コケんように気をつけなはれや!〟ということでしょうか(笑)。
温室を一巡りして会場に戻ってきたら、群落から一部を採取した標本をじっくり見ることができる解説ゾーンもあります。
ちなみに。私も温室を見て回ったのですが、普段は生殖器官をつけているところをほとんど見かけないミカヅキゼニゴケが、
ここの温室では多くの群落が雄器托をたくさんつけていたので、個人的にビックリしました。
以上、駆け足でしたが今回の「咲かない植物 こけ展」の展示紹介でした。
またこれまでのように、みんなで集まってわいわい言いながら楽しめるコケ展が早く戻ってくるといいなぁ。
その日のためにも、いましばらくは不便はあれど、健康体でいなくては・・・。
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最後に。
昨年中にあっという間に完売御礼となってしまったコケカレンダー「苔暦2021」ですが、
東京文京区にある弥生坂・緑の本棚さんで、まだ取り扱いがあるとのこと。
10部納品させて頂き、いくつか売れて、いまは残り何部かはわからないのですが、店頭でも通販でもお取り扱いいただいています。
買いそびれた~!という方、まだ間に合います!
ぜひ緑の本棚の通販ページをご覧くださいませ。
※緑の本棚 「苔暦2021」通販ページはこちら→ ☆
2021年、明けましておめでとうございます。
昨年からの世界的な新型コロナウイルス感染拡大がいまだ終息をみない状況、
感染者治療の最前線に立つ医療関係者の皆様には心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。
今年はワクチン開発・接種がぐんと進んでくると思いますが、
引き続き皆さまがお身体ご自愛のうえ、ご活躍されることをお祈り申し上げます。
どうか一日も早く平和で穏やかな世の中が戻ってきますように。
私個人としては今年は新たなコケの本の完成を目指しつつ、
日本各地のコケ名所を巡れる日がくることを祈るばかりです。
▲赤目四十八滝(三重県)のホソバミズゼニゴケ。今年の苔年賀に使いました
さて、このようなご時世の中での開催となるので大々的な宣伝も難しく、
「各地からこぞってお越しください!」とも言えないのが心苦しいのですが、
大阪府大阪市の咲くやこの花館(日本最大の温室を有する屋内植物園)にて、
「こけ展」が開催されます。昨年に続く2回目です。
コケテラリウム、コケ盆栽などのコケの園芸作品の展示を中心に、
岡山コケの会(コケの愛好会)の関西支部メンバーによるコケの写真展、
また「あるコケ好きの画廊」と題し、コケのボタニカルアートを中心としたコケの画や図鑑など
関西支部メンバーのコレクションの数々を披露いたします。
会場ではコケ園芸作品の販売、少人数予約制のテラリウム作りワークショップなども開催されますので、
詳しくは咲くやこの花館のホームページをご覧くださいませ。
●咲くやこの花館HP「こけ展」詳細はこちら→ ☆
●おまけ
コケのボタニカルアート、じつは10年ほど前からひそかにコレクションをしています。
▲生物学者エルンスト・ヘッケルによる蘚類のイラスト。額装がまだなのですが、間に合えばこちらも展示します