バルカン半島・セルビア南部のコソボ自治州が
セルビアからの独立を宣言した
欧米諸国や日本は、独立を認める方向だが
当のセルビアは強く反発している
また、紛争が起こらねばいいが…
コソボには、イスラム教を信じるアルバニア人と
キリスト教一派のセルビア正教を信じるセルビア人が
住んでいる
その比率は、アルバニア人が9割と圧倒的に多い
歴史的にみると、コソボ自治州はセルビア領土で
この地は民族発祥の地・聖地だった
だが14世紀の後半、オスマン・トルコが攻めてきた
オスマンの圧倒的な軍事力に、セルビアは大敗を期す
敗戦後にやってきたのが、アルバニア人だった
負けたセルビア人にとってコソボは
「キリスト教を守るために
イスラム教と戦い、犠牲になった地」なのだ
いわば宗教の怨念の地だ
だから、特別の思い入れがある
「イスラムからキリストを守れ」という
大義名分もあり、アルバニア人を弾圧もした
そのセルビアに対し
NATO軍が空爆をかけた
紛争に拍車がかかった
お互いに殺しあった
多くの罪のない市民が死んだ…
人を幸せにするためのはずの宗教が
人々を殺す原因になっている
人が「宗教の道具」になってしまった結果だ
宗教が堕落した結果だが
それを権力者は利用している
実は、上記の「過去の怨念」や
「宗教対立」「民族」云々を声高に言い出したのは
権力者が自らの権力保持のために言い出したことだ
その結果、旧ユーゴは分裂し
美しかったバルカン半島が
“欧州の火薬庫”と化した
(堕落した宗教と醜い権力が結びつくと
こうなるのは、繰り返される歴史の教訓だ
過去に日本でもあった
国家神道と軍部権力者だ)
本来は、セルビア人もアルバニア人も
人懐っこく陽気で
チトー大統領が生きている頃までは
皆で平和に暮らしていたのだ
さて、コソボを支援する欧米諸国に対し
セルビアを擁護するロシアは対決姿勢を見せている
NATO軍も、当分コソボから離れないつもりという
また、きな臭いことにならなければいいが…
正しい教育を受けた人間は
自分の主張を“言葉”で伝え
理解させようとする
相手が理解しないと、さらに“言葉”を尽くし
さらに、相手の考えも理解しようとする
そうして、相互に理解する努力をする
彼らの目的は“平和”だ
主張を通すため、嫌いな相手を排除するため
軍事という“暴力”を行使するのは
愚かな犯罪者か低脳な野蛮人くらいなもの
彼らの目的は“究極のエゴ・戦争”だ
ブッシュ・アメリカやアルカイダや
チェチェンを攻撃するロシアや
ミャンマー政府やソマリヤのソマリ族や
ルワンダのツチ族やフツ族や
キム・ジョンなんだか
その他エトセトラ…
彼ら、正しい教育を受けた人間のはずの目的は
果たして…?
←暴力は絶対反対
矛盾するようだが
スタローンの「ランボー」や
セガールの「沈黙」シリーズなどの
暴力解決映画で興奮するのも事実
彼らが粘り強く「話し合い」で紛争を避け
平和な結末を迎えたら
観客は納得するだろうか…
エイリアンや侵略者にも
彼らなりの理屈があると
理解を示す結末は
人々に受け入れられるだろうか…
現実と映画は違う
違うけれど…