「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

新ヒーローの最強の武器は「優れた人間性」

2009年06月24日 11時59分01秒 | Weblog
 
イラン国内が暴力に支配されている
事の発端は、イラン大統領選の結果に対する
市民の抗議から始まったもの
選挙に不正があると感じているのだ

その市民に対し イラン政府は
暴力を持って鎮圧しようとしている
(その行動そのものが
 不正をしたことを物語っているが…)


さて、ほんの少し前まで
市民が団結し、政府に抗議などしようものなら
日本でもアメリカでも、どの先進国でも
政府は軍隊や警官を使い
市民をこん棒で殴り発砲し
理不尽に拘束したものだ

中国の天安門事件は酷かったが
それを非難した米国も日本も
つい最近まで それをやっていたのだ

昨日まで泥棒をやっていた男が
今日の泥棒を非難する図にも似て
僕は時の中国政府に怒ると共に
非難している日本や米国を
白けた目で見ていた

ともかく 世界の権力は 
団結する市民を弾圧してきた
(それは現在も続いているかも…)


権力者の不正に対し
イランの市民が立ち上がった
それに対する酷い暴力

そんなイラン政府に対して
オバマ米大統領は
抗議デモ参加者への暴力的鎮圧を
「不当な行為」と強く非難した
「国際社会からの敬意を求めるのなら
 自国民の権利を尊重し
 意思を聞き入れなければならない」と


それまでイラン政府との対話
そして対話による和解と共存を公言してきた彼に
内外共に批判が巻き起こった
マスコミなどは「弱腰」のレッテルを貼ろうとした
「善良な市民が不当に叩かれているのに
 それでも“対話”なのか!」と

それに対して彼は態度を変えざるを得なかった
リーダーが「弱い」印象を持ってしまえば
国民の間に「不安感」が広がる
それはリーダーとして致命的だ

それがあっての「抗議発言」なのだが
彼の苦悩は深い

悪い奴を正義の味方が暴力で叩く
(あるいは殺す)というのは
古今東西 誰もが望む正義のヒーロー像だ

月光仮面、忍者・赤影、丹下左ゼン
スーパーマン、キャプテンアメリカ、スパイダーマン
怪傑ゾロ、ファントム、そしてXメン…

どれもが、悪に対して暴力を使う
「まぁまぁ、ここは話し合いで…」
なんてヒーローが言うと
観客はドン引きしてしまうのだが
有無を言わさず ドカンと殴れば
観客は総立ちで拍手喝さい

対話には力がないからムダ
そんなことに時間をかけるのは面倒だから
手っ取り早く暴力で解決するのだ!

…というのが、多くの人間の心理にある
だから、高い教育を受けたジャーナリストも
「暴力を使え!」と声高に言い
庶民もそれに同調する
原始時代から受け継がれた本能は
暴力団のそれとなんら変わりはないのに
また、それによってお互いに
多くの血が流されることになるのに
彼らは叫ぶ
「暴力を使え!」

しかしオバマは、それは短絡的で
本当の解決にはならないことを知っているのだ
「人間性への信頼」があるように思う
だから、今までの大統領のように
軍事で押さえ込む方法をためらうのかも知れない

軍事によっては何も解決しない
それは歴史が証明しているのだが
人間は愚かなそれを繰り返す

ここは彼にとって正念場だ
なぜなら、人々は暴力による解決を望んでいるからだ
根強い「従来のヒーロー像」が人間にあるからだ
それに抵抗することは
「悪を許す」と受け取られる

彼の苦悩は深い

多くの声に負けて
イランや北朝鮮と戦うか
優れた人間性から発する
知性と対話で解決するか
お手並みを拝見したい

対話が暴力より
いかに優れ力があり
本物の平和にどれほど貢献するか
そんなメッセージを発する
優れた人間性を持った新ヒーローが登場すれば
世界は少しは良くなるかも知れない


いや、実はそんなヒーローが
既にいるかも知れない
そしてオバマ大統領は
彼の存在を知っているのかも…

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