「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

宇宙人は悪者!?

2010年05月02日 05時55分11秒 | Weblog
 

車椅子の物理学者として知られる
スティーブン・ホーキング博士(68)が
先日、宇宙についての米TV番組に出演
その中で博士は「人類はエイリアンと
コンタクトすべきでない」と発言した

その理由は「コロンブスがアメリカ大陸に到着したのは
アメリカ先住民にはよくなかった。同様の結果になる」

つまり、高度に発達した科学文明を持つ異星人に
地球は侵略され、地球人は殺され消えていく…
というのだ

博士の想像する異星人は“自らの資源を
使い果たした宇宙をさ迷う遊牧民となっており
征服して移住できる惑星を探している”らしい

だから
こちらから妙なコンタクトの信号などを流し
彼らに地球の存在を判らせるなど
とんでもないことだというのだ

なんとも、天才物理学者らしからぬ
三流のSF映画的発想に
失笑してしまうのば僕だけだろうか
これでは、まるで作家スティーブン・キング
(期せずして同じ名前だ)の描く
“よそ者は悪者”と思い込んでいる
無知な田舎の男達のようではないか


しかし、実は
欧米のキリスト教徒の多くは
博士と同じような発想を持っているのだ

そう、これはキリスト教徒的発想なのだ



そもそも、キリスト教は発祥以来
八~九世紀に至るまで
地中海周辺が主な舞台だった
今の北アフリカやトルコ
そしてイタリア周辺だ

それがイスラーム勢力に押され
信者を奪われた格好で後退し
キリスト勢力はヨーロッパ内陸部に
閉じこもる結果となった
いわば、よそ者の侵略に屈したのだ
この体験が信者のDNAに刻み込まれた

その後、11世紀頃からキリスト勢力は
イスラーム勢力に対し、武力を使って布教をする
(十字軍)のだが、これは過去にイジメを受けた子供が
暴力的になり、受けたイジメ以上の虐待をするのに似ている


ま、ともかく
そういう過去の体験が
“よそ者を信じるな”
“よそ者は悪い奴だ”
“他者=悪”的発想に繋がった

それが基にあり
コロンブス云々の発言になったのだ

けれども、だ
コロンブスはキリスト教徒で
アメリカ先住民は、その彼らに惨殺され
生活の場を奪われたのだ
宇宙人がキリスト教徒なら
博士の心配は理解できるが
少なくとも、宇宙人が
キリスト信者でない可能性の方が高い
(神は宇宙の全能と信じている
者にとっては信じられないことだろうが)

むしろ心配なのは
将来、NASAが宇宙に乗り出し
文明のある星を見つけた際に
「強引に布教」「自分の尺度を押し付け」ようとして
彼らを殺し全滅させる…ような事態に陥る事だ
そちらの方が現実的のような気がする


それも、もうひとつ
博士は宇宙人の容姿について
「目や口、脚はあるだろうが
 マリリン・モンローのような容姿は
 期待しない方がいい」と語ったという

これも自己中心的な可笑しな話だ
この発想がルワンダのツチ族とフツ族の対立を生んだ
いわゆる少数派のツチ族の方が
欧米人並に鼻が高いので優れているという
間違った思想を、占領側のキリスト教国が植え込んだのだ

宇宙人からすればマリリン・モンローこそ
恐ろしいほど醜く見えるかも知れないのだ


ま、あまり世界的著名な博士を
責めるのは本意ではないので
ここらにしておくが
他者を大切にしない文明は
滅びているのが歴史の教訓だ

宇宙に、もし、高度に発達した
文明の星があるなら
それは他者を悪と決め付けない
多様性と普遍性を重んじる
寛容の思想をもつ宇宙人に違いない

そうでなければ
互いに争い絶滅しているに違いないのだから

宇宙人とのコンタクトを心配する前に
百年先、千年先、地球上に
人間は存在しているのかを
ホーキング博士は心配すべきだと思うのだが…
コメント
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