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ビール飲みオヤジの日々雑感

ビール飲みオヤジが日々感じる雑感を徒然なるままに。

痛み、傷み、悼み

2015年02月10日 | 時事
賛否両論あると思いますが、マスコミの論調は総じて批判的です。

オヤジが気になるのは、遺体画像→凄惨→子供に見せるのは不適切→教育者としてあるまじき行為→ケシカラン。
そして、子供がショックを受ける→心のケアが必要だ。
こういった実際の状況や背景を踏まえない方程式のような論調です。

オヤジもネットで修正のかかっていない画像を見ました。とても直視には耐えられない凄惨なものでした。
だからこそ「イスラム国」を名乗るテロ集団の残虐性と、一方で犠牲となられたジャーナリストの覚悟とを肌感覚で実感しました。

どこまでが許容されるのかの議論は勿論必要なことですが、現実を目の当たりにすることはとても大事だと思います。
伝える側の一方的な判断で肝心なところが隠されている、あるいは言葉だけで伝えようとしても、伝えたいことが本当に子供たちに伝わるのか。
理科は実験を通じて現実を確認させるのに、社会科は大人の判断で情報フィルターをかけていやしないか。

記事にあるとおり、教師が子供の意思を確認した上で見せたのであれば、それは子供の意思、選択でもあります。
ネットではどんなに規制をかけても、それをかいくぐって情報は拡散します。
親がどうブロックをかけても、子供の自律性が高いほど、そのブロックは無きに等しいものです。

現実を目の当たりにした時に、どのように反応し、どのように考え、どのように行動するのか、そこに積極的に関与することこそ教育なのではと思います。

「心のケア」が叫ばれて久しいですが、「心の病」が一向に減らないのは何故なんでしょう。

オヤジは「痛み」、「傷み」、「悼み」、どれも人として現実を目の当たりにしてこそ実感し、真に理解できるからこそ育つものだと考えています。
そこから守られ、言葉だけで「痛くないように」、「怪我をしないように」、「人の死を直視させないように」して育ててしまったら、人としてどうなってしまうのか、そこを真剣に議論し考える必要があると思います。

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<「イスラム国」人質:遺体画像授業で見せる 栃木の中学校>
毎日新聞 http://mainichi.jp/ 2015年02月10日

 栃木県さくら市の市立中学校で今月2日、50代の男性教諭がイスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の人質となって殺害されたとみられる後藤健二さん(47)の遺体の画像を社会科の授業で生徒に見せていたことが分かった。同市教委が10日午前、記者会見し、「生徒の受け止め方に配慮が足りない不適切な対応だった」と謝罪した。

 市教委によると、男性教諭は2年生1クラスと3年生2クラスで、モザイク処理されていない遺体の画像や処理後の動画を教室の電子黒板や自分のスマートフォンで見せたという。いずれも事前に「見なくてもいい」「見ても大丈夫か」などと伝え、計約80人の生徒が見たが、体調不良などの訴えはなかったという。

 教諭は日ごろから授業で時事ニュースを取り上げているといい、今回は「非人道的な行為をしないでほしいとの思いで見せた」と話しているという。市教委は生徒の心のケアのためスクールカウンセラーの配置増を検討するという。【加藤佑輔、田中友梨】
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