たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

黒田バズーカの行方 <都市銀の事業削減計画>と<不動産バブル再熱>を見ながらふと思う  

2017-11-22 | 企業運営のあり方

171122 黒田バズーカの行方 <都市銀の事業削減計画>と<不動産バブル再熱>を見ながらふと思う

 

昨夜のBS日経プラス10では、都市銀の本来の事業部門の業績下落を踏まえた、目標時期を異にしつつ事業削減計画を大手都市銀3行発表などを証券会社の銀行担当が開設していました。みずほは行員の4分の1に当たる1.9万人を26年度までに削減、店舗も100カ所でしたか削減です。三菱UFJも、三井住友も23年度とか少し短期で何千人規模の削減計画でした。

 

といっても定年退職と新規採用減という自然減をうたっていて、リストラ的なものではないようです。しかし、それだけ都市銀に限らず金融機関はほとんどが本来業務である預金・貸出が大幅に減っているようです。まさに黒田バズーカのマイナス金利を含む金融緩和策が金融機関の従来業務のあり方に変更を求めた結果でしょうか。

 

とりわけ窓口業務などは、AIなどを活用して、現在の業務内容を大幅短縮するということでしょう。これは銀行業務に限りませんが、AIIoTは、専門分野も含めあらゆる分野で、現在人が行っている作業を代替することになるでしょうね。

 

北米で90年代半ばを過ごしたとき、どの銀行でもたいてい窓口が簡素で、だいたい待つ人のための椅子の席やスペースもあまりなかった記憶です。個人や企業向けの投資・金融相談のために、個室のブースが別に用意されていて、そこで充実した行員の専門能力が発揮されていたように思います。

 

帰国してシティ銀行などと預金取引していましたが、やはり北米並みの感じがありましたか。でもわが国の金融機関は、大手都市銀の本店でもゆったりとした席を用意して窓口対応のお客さんを大事にしてきた状況が長く変わらなかったように思います。私は小口預金者にすぎませんがその席が好きでのんびりくつろがせてもらいましたが。むろんわが国では行員がお客さん周りで自宅や企業訪問して個別対応してきたと思いますが、AIなど高度な専門技術を活用するとなると、戸別訪問では容易でなかったでしょう。

 

黒田バズーカの影響もあってか、最近ではどの金融機関も、仕切りをして個別相談に対応する方向が鮮明になってきましたが、まだまだという状況でしょうか。

 

他方で、人員削減策は、少なくともバブル破綻以降、大手都市銀や地銀など、一定年齢になれば子会社・関連会社に出向させる形で、行員の人数調整を行い、一方、契約社員などで対応するといったマネジメントはやってきたと思います。

 

でもこれらは本来的な銀行の構造改革ではないですね。その意味で、AIなど最新技術を活用できる能力を行員がもち、窓口業務を含む店舗機能は大きく変わらないといけないのでしょう。

 

ただ、そうなると高齢者などはどうするのでしょう。ゆうちょ銀行やのJAバンクが対応するから大丈夫でしょうか。これらもいまは対応できていますが、現在の状態では業績悪化は避けられないので、新たな対応が求められるでしょう。

 

と脇道にそれましたが、昨夜の日経プラスでは大手都市銀の新戦略みたいなものに期待できそうな雰囲気でした。

 

しかし、今朝のNHKおはよう日本は、バブル破綻20年の検証で、不動産バブルの再熱が取り上げられていました。東京や大阪など一部に限られていると思われますが、バブル期と不動産価格が同じになった銀座地価も紹介されました。その要因の一端を現場レポートで紹介されていました。マンション一棟を買おうかとか、あるいは何棟も保有しているとか、まるで少し以前取りざたされた中国バブルのような出来事がわが国のサラリーマンにも起こっているのです。

 

それぞれの発言は、銀行がどんどん貸してくれる。1億以上の物件を購入しても、賃貸料でローンの支払いをした後、収益が上がっている、だから新たに次の物件を物色しているとか、海外の200㎡を超える戸建て物件(北米では普通の大きさ・設備)が3,500万円とかだから、購入したとか(高すぎる)との話です。

 

いま現在アメリカで起こっている不動産バブルは、リーマンショックのときのジャンク債権の集積とはいいきれませんが、日本を含む各国の大幅金融緩和でだぶついた金がやはり投資が投資を求める形で実体のない地価上昇を招いている危険性を感じます。

 

すでに破綻者がでている報告もわずかにありました。地方のアパートに投資したが、賃貸率が60%とかで、ローンが支払えず、毎月20万円を手持ちから持ち出しているというのです。そういった投資物件のローンを支払えないという相談も相談センターに増えているというのです。

 

それは破綻の前触れではないかと感じない人は少なくないと思います。現在の証券バブル、さらに不動産バブルが、適正な金融機関の審査によって貸出が行われていれば問題ないのですが、横並び式、あるいはただ同じように不動産投資の競争に励んでいる、銀行貸し出しによるものであれば、危険きわまりないことになりますね。

 

昨夜と今朝の金融機関をめぐる報道を見て、ふと懸念が過ぎりました。

 

 


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