たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

西日本豪雨考その1 <論点 西日本豪雨の教訓>などを読みながら

2018-07-18 | 災害と事前・事後

180718 西日本豪雨考その1 <論点 西日本豪雨の教訓>などを読みながら

 

ある交通事故の内容証明郵便をなんとか差し出すことができてほっとしたら、もう7時近いのです。内容自体はあまり時間を要するものではなかったのですが、電子内容証明郵便の出し方がどんどん変わるため、すぐに忘れて、あたふたして、IT技能というより、もっと低レベルの知識がないため、もたつきました。以前は簡単だったのに、どうもややこしくなってきた印象です。

 

さてもうすぐ7時なので、今日も簡潔にブログを仕上げたいと思います。テーマはあまり思いつかず、見出しのものにしました。

 

サンデー毎日記事では<西日本豪雨「政府の人災」だ! 「災害有事」初動遅れた官邸側近の浅はか 「待ったなし」政府の組織改編>と与党の対応を問題にしています。ま、たしかにカジノIR法案とか、公選法改正法案とか、あまりにひどい国会審議かと思う中で、政府対応も気になります。ただ、政府批判もいいですが、別の見方もあってもよいかと思います。

 

毎日朝刊記事<論点西日本豪雨の教訓>は、<雨量増加、温暖化の影響も 木本昌秀・東京大大気海洋研究所副所長>、<危機感、住民に伝わらず 牛山素行・静岡大防災総合センター教授>、<新たな防災の制度設計を 柳田邦男・ノンフィクション作家>と3人の識者の見解を並べています。

 

それぞれ異常な雨量増大という気候変動の観点、行政の危険広報は適切だったが、住民に周知されていない点、大規模自然災害に対する国家的な中央機関の創設とともに広域的な地域組織の設置といった組織論と異なる議論を展開しています。

 

他方で、同じ毎日朝刊記事<西日本豪雨危険地盤、対策前に崩落 警戒区域指定急務>も注目したい点です。そこに掲載された写真には、山頂付近の緑豊かな山肌が随所にカミソリではぎ取られたような痛々しい裸地が露出し、中には土砂崩れが下方に連続して、山麓の集落を襲って土砂で覆ってしまった状態が浮き上がっています。

 

そこでは<77人が死亡した2014年8月の広島土砂災害の後、災害リスクの高い土地を警戒区域などに指定する動きが進んでいるが、対策が完了しない中で被害に見舞われた。異なるメカニズムによる地盤の崩壊が同時多発的に起きていたことも判明し、住民への周知も含めた土砂災害対策の重要性が増している。>と指摘されています。

 

<警戒区域や特別警戒区域の指定の前提となる危険箇所の基礎調査>が、完了したところもありますが、今回災害が多発した広島県、岡山県、愛媛県は未了でした。

 

この基礎調査が完了したからといって、安全対策が直ちに講じられるわけでないことは、他の類似の危険地区の例を見れば明らかです。こういった調査自体が、なかなか土地所有者の理解を得られないこともあるでしょう。まして警戒区域などの指定がされると価値が下がることを心配して、容易に指定に至らないこともあるでしょう。

 

住民の意識の変革も必要であると思うのです。災害列島日本、それは日本列島誕生以来、わが国が持って生まれた特徴、特性と考える必要があるように思うのです。

 

私見では、江戸時代までは、あるいは場合によって戦前までは、体験の言い伝えが生きていて、災害は多様であって、いつ襲われるか分からないとの意識が相当あったのではないかと思うのです。

 

それが西欧化とともに、法制度も移入し、土地利用に関する各種法制度ができあがっていく中で、所有権制度を必要以上に絶対化し、土地利用の規制をさまざまな観点で怠ったことにより、緩い土地規制に適合すれば、自由に開発ができ、どこにでも住めると言った意識がいつの間にか生まれてしまったのではないかと思うのです。

 

むろん今回のような異常豪雨が頻繁に起こるといったことは、最近の温暖化の影響もあるでしょう。しかし、気候変動でいえば、小氷期があったり、干ばつ・日照りなどはもちろん、火山噴火や大地震・大津波など自然災害は縄文期から頻繁にあったはずです。

 

やはり人間の記録として意識化できるのはわずかな体験でしかないのかもしれません。

 

ちょっと話は変わりますが、当地に来てある防災訓練に出たことがあります。その防災訓練が一体どのような意味を持っているのか、参加してよく分かりませんでした。災害は多様です。災害に応じた避難の伝達、避難路、避難先が違ってくるはずです。そういった具体の災害を想定した訓練が行われていないと思わざるを得ないのです。

 

大津波を想定した訓練が行われても、地震の時、豪雨のときはどうするかなど、実践的に行われているのでしょうか。日常の用事で忙しくて、災害訓練ばかりに応じられないというのかもしれません。しかし、災害時こそ、共同作業が不可欠です。災害弱者というか、障害のある方や高齢者など、支援が必要です。

 

それは一方的な災害警報では役立たないことは明らかです。地域に住む住民の特性に応じて、そういった伝達も、避難方法も、避難先も、日頃から訓練していないと、制度をいかに作っても対応できるはずがありません。

 

そして再び、土地所有のあり方にも災害リスクをしっかり斟酌して抜本的に変えていく時代が迫ってきていると思うのです。

 

30分と思っていたのが少し過ぎてしまいました。またいつか書いてみようと思います。今日はこの辺でおしまい。また明日。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿