前回ご紹介したジョイントは、初めはご覧のような六角棒から削りだして製作していきます。
精度的には、旋盤を使用しなくても、キャスト(鋳物)の方が安価に出来るのですが、年間の生産量が中途半端な数(200個ほど)のため、少量生産が効く削りだしで作っています。
少々オーバークオリティーなのですが、現状はこの方が効率的です。
この六角棒は7N01アルミの押し出し成型品で、もともとはオートバイのフレーム用として生産されていたものを流用しました。
7N01材は、強度は7075にはかないませんが、衝撃を受けても曲がって力を吸収し、折れることが極めて少ない、信頼性のある材質です。
RXCハーネスには、この7N01材が他にもピッチトリマーと、スライドレール台座の角パイプに使用されています。
航空用の材料は、強度や軽さはもちろん大事なのですが、重要な箇所については、たとえ衝撃を受けても材料が「アメ」のように曲がってくれ、決して破断せず、重大な破壊を防ぐような、信頼性の高い材料が多く使われています。
ハンググライダ-に多く使用されているANボルトも、まさにこの例で、衝撃を受けても、曲がって破断することを防いでくれています。