旅に出た王子様が、まず最初に立ち寄ったのは王様の星。しかし、王様と言っても一人しかその星には住んでいない。王様は、王子様を家来として話をするが、なぜ王子様は自分が家来なのか訳がわからない。
次の星では、今度はうぬぼれ男が一人住んでいた。その男は星に一人しかいないのに、自分が一番優れていると言って聞かない。王子様は人から感心されることが、なぜ面白いのか訳がわからずその星を後にする。
次の星では呑んだくれが住んでいた。呑んだくれは、酒を呑むのが恥ずかしくて、それを忘れるために酒を呑み続けていた。王子様はそんな呑んだくれが理解できなかった。
次の星は実業家だ。実業家はただ星の数だけを数え続けるだけで、自分が最初に見つけた
星は自分のものと言い張り、ひたすら星を数え続けていた。
次の星は勤勉な点燈夫が住んでいた。点燈夫はただひたすら夜がきたら街灯をつけ、朝がきたらそれを消すことを続けていた。
最後に訪れたのは地理学者の星だ。地理学者といっても、自分の星からは出たことが無い。ひたすら人の話だけを聞いて、自分ではそのことを確かめず、本にまとめる作業だけを続けていた。
ここの章は、結構読み手が試されるところだ。
この話をただ馬鹿げていると考え、流してしまう人間は、実は自分がこれらのおかしな大人と同じになっていることに気がついていないように、私には思える。
なぜならば、日頃から物事と言うものを良く考えている人間ならば、他人がやっている無意味なことには気がつけるはずだし、そんな無意味なことに気がつけないからこそ、この本を読んでも共感することも無く、無意味なことを続けてしまっているのではないであろうか?
よく考えて見ると、これらのおかしな大人は実際の社会の中で頻繁に見かけているように思える。
みんな、忙しさや変なプライド、そして、素直な気持ちを忘れて、大切なものを見失い、意味のない毎日を過ごしているのではないか?
そのことに気づけるのは、やはり、物事をありのままに見つめ、真実に気づける心を持つことが大事なことだと、サンテックはこの章では言っているのであろう。