暑さで、しばらく薪ストーブネタをお休みしていましたので、そろそろ再開します
薪ストーブのセルフビルドで皆さんが最後に悩むのが「煙突」です。
最初は煙突なんてどうでもよい部品のように考えてしまうのですが、実は、薪ストーブにとって煙突は大変大事な部品なのです。
車で例えると、薪ストーブ本体がボディーならば煙突はエンジンといったところでしょうか‥。
どんなに優れた薪ストーブでも、その動力となる煙突がダメだと、全くその性能を出すことはできません。
その煙突も、種類はピンからキリまで‥。
1メーター物で¥1000から¥40000近いものまでかなり品質に差があるものなのです!
具体的にどのように品質が違うのか‥。
安いものでは、「ハゼ折り」といって、缶詰の缶と同じような製法で板金を折り曲げてパイプにしているものがあります。
そうかと思えば高級なものになると、断熱材を二重に作った煙突の壁面に詰めて、質の良いステンレスをレーザー溶接して作ったゴージャスなものまであります。
それらの煙突を、段階式にご紹介すると
シングルハゼ折り煙突→ただステンレス板をハゼ折り接続して煙突にしたもの。
シングル溶接煙突→ シングル管で、溶接でつなぎあわせて煙突にしたもの。
二重断熱煙突→ 煙突を二重構造にし、断熱材を詰めた物。断熱材が入っていないものも ある。たいていは溶接だがハゼ折りも国産である。
ざっとこのように分けることが出来ると思います。
で、率直に良い煙突はどれかというと、もちろん二重断熱煙突になります。
煙突の役目は、空気を吸い上げる力「ドラフト」を作り上げ、ストーブの中に薪が燃えるために十分な空気を供給することです。
つまり、煙突が悪くて十分な空気をストーブに供給できなければ、ストーブは「酸欠」になってうまく燃えなくなってしまうのです。
だからこそ、薪ストーブにとって煙突は「エンジン」と言えるのです。
シングル煙突の場合、煙が冷えた煙突で温度が低下してしまうため、どうしても強いドラフトが得られにくくなります。
しかし、煙が冷えないように煙突を二重構造にし断熱材を入れた二重断熱煙突は、煙の温度低下も最小限に留めることが出来るため、強いドラフトを得ることが出来ます。
だったら煙突は全部二重断熱煙突にすればよいではないか‥。
そう思われる方も多いと思いますが、最初にも申し上げたように、二重断熱煙突はとにかく高いのです‥。
それに、断熱材が入っている分、その熱も外には出ないため、室内で使う場合はどうしても暖房効果は下がってしまいます。
このような理由があるため、実は煙突の選択はとても難しいものなのです。
ではどうやればベストな煙突を選択することが出来るか?
それについては次回にご紹介いたします。