外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

冬至の夜に

2011-12-22 23:11:13 | ひとりごと 通勤中に
小学6年の夏休み。

和歌山から南海電車・大阪市営地下鉄と乗り継ぎ千里中央へ。

独りで2回、同級生とふたりで1回。

輝かしい未来が具現化した会場へ。


アメリカ館では「月の石」をパチリっ。

電電公社館では無線電話で、和歌山の母に電話をかけた。


すべてのパビリオンなど、とても廻り切れはしない。

あぁ、でも、ここも観たい、あそこにも行きたい!


太陽の塔の輝かしい黄金の顔は、

そんな想いを余計にたぎらせる魔力を持っていた。



まさか、木曜日の午後と土曜の朝に

毎週、太陽の塔を眺めるひとときを持つようになるとは、

41年前の自分なら、小躍りしたことに違いない。


名神高速から近畿自動車道へ乗り継ぐ吹田インターチェンジ。

あの頃と同じように、黄金の顔が視界に現れる。



2011.12.22    吹田市



見るたびに、なんとも不思議な感覚が呼び覚まされる。


そして今日、あの夏の日に一緒に出掛けた同級生のことを思った。

彼はN村君、クリッと大きな目と鼻筋の通ったハンサムボーイだった。


何年生の時だったか、公園で草野球をしていた時。

キャッチャーをしていたN村君の頭に、

F田君の振ったバットが当った。


みるみる内にN村君の顔面が鮮血に染まっていった。


なにをどうしたのか顛末は覚えていないが、

体が凍りつく想いをしたことだけは覚えている。



それからしばらくしてのことだったか、

N村君のお母さんが、自宅で刺殺されるという事件が起こった。

お葬式に参列したかどうかも忘れてしまったが、

彼とよく似た端整な顔立ちの妹さんの泣いた顔が浮かぶ。

確か彼は泣いていなかった・・・。



タイ館の前で、写真を撮ったよなぁ・・・、と思い出す。

N村君・・・。

中学校は違う学校に行ったっけ・・・。


そして、二十歳を過ぎた頃、彼は自殺してしまったのだった。

N村君・・・。


あれ・・・。 下の名前、なんだったかな・・・。

思い出せない・・・・・。


N村 あ・・・ い・・・ う・・・ え・・・。

あ行から始めて、

N村はじめ N村はるお N村ひろし N村ひろむ N村ひ・・・。


そして、ちょうど や行を唱え始めたところで

突然、バーーンッ!!! と大きな音。


右のサイドミラーに、岸和田料金所の

上がりかかったばかりのETCのバーが衝突。


あぁ・・・。

いつもなら60kmに下げるスピードが下がってなかった。

こんなミスをするなんて・・・・・。


あぁ・・・、それにしても思い出せないN村君の名前・・・。


最後のトンネルを抜け、上り坂を上り、あとは下り坂。

紀ノ川SAに差し掛かる頃には、雲間から冬至の夕日。


道の先に拡がる市街地の、小高いところに小さく見える和歌山城。




2011.12.22    和歌山市


週に2日の故郷での仕事は昨年の3月下旬から。

毎回、平和な夜を願うが、最初の頃は死亡診断書をよく書いた。


今宵はといえば、今、お見送りをしてきたところ。

一礼する間も、冷たい風が吹き抜けていく。

それでも、なんだか清々しいのは

亡くなった90歳の女性の間際までしっかりした最期と、

主治医とのDNR(蘇生処置不要)の話もまだだったのに

まことに潔く往生を見送る決断をした長女さんのおかげ。

見事な死に様、見事な看取り様だった。


90歳か。しっかりしてたなぁ。


N村君、君はなんて早くに逝っちゃったんだい。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
多くのご縁に感謝 (Nurse-haru)
2011-12-23 13:30:30
少年の頃の思い出が、走馬灯のように蘇ったのですね。
それにしても、衝撃的な体験を身近に体験されたのですね。痛ましい…
ある時期の思い出は、その後の自分にも大きく何かしら影響を与えるものかもしれませんね。

また、人の人生の後半に関わることができる、ということはとても貴重なことだと日々感じます。

自分の存在が、その方の人生の後半の1ペ-ジに登場すること自体、不思議なご縁を感じます。

お疲れさまでした。
返信する
明朝の路面凍結が気になります (タムラ@アンチエイジング外科医)
2011-12-23 23:41:31
Nurse-haruさん、こんばんは。

新たな舞台での活動開始ですね。
それにしても、そのバイタリティーの源は
いったいどこから出てくるの~?
前向きな姿勢に、いつも感嘆させられます。

様々な「人生の幕引き」の場面に、チョコット登場させて戴くことは、
ほんとに「ご縁」だなぁ、といつも感じます。
返信する

コメントを投稿