大晦日まで、あと27日。
風の強い1日でした、というか
日付が変わっても、
南向きの医局の窓はピューピュー鳴っています。
昨日の午後には西から吹き付ける強風で
ダイコンの葉っぱは皆んな「東向けぇ、東!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/9a/03cad2c0c7e01fa54312132365b32b25.jpg)
2010年12月3日 和歌山市 クリックで拡大します
この辺りは砂地の畑。
少し前まではニンジンだったが、今はダイコン。
お辞儀した葉っぱの先には、名草山と紀三井寺。
今でこそ、なんの変哲も無い普通の山に見える名草山だが、
以前は、こうではなかった。
半世紀近くも昔のこと。
もう少しで紀三井寺も焼失するかという大きな山火事があった。
空を染めて燃え上がる炎をかすかに記憶している。
山の上三分の二は黒焦げの状態が永らく続いた。
それでも、時が経つにつれ薄っすらと緑に覆われだし
まばらだった木々も立派に成長して今日の姿となった。
自然とは大したものだね。
40年、50年と月日が流れれば
昔の姿を取り戻すのだから。
そんなことを思い巡らしていると、病棟からコール。
重症者ありとは聞いていなかったのに?
一昨日くらいから状態が悪化し始めていたらしい。
付き添っていた家族は、夕方に帰宅したと。
ナースステーションの心電図は規則正しい波形60回/分だが、
これは埋め込まれたペースメーカーのもの。
なんと8月に一度心肺停止状態になって蘇生したのだという。
「あれ?どこかで聞いたような話・・・」
名前にも聞き覚えあり、カルテを見て納得。
2ヵ月半前、リハビリを受けたいと夜診を受診した方だった。
そのとき書いたのはリハビリ指示書。
2ヵ月半後の今夜は死亡診断書を書くめぐり合わせ。
時が経てば、昔の姿を取り戻す自然の生命力を眺めた日。
時が経てば、取り戻せない「生」のあることを思った夜。
いつのまにか風の音は止み、ガラス越しに冷えがしみ込んでくる。
葉っぱのフレディ っていう絵本。
原著の絵本に忠実に翻訳されたという和訳が
「葉っぱのフレディ」 実訳版
http://nvc.halsnet.com/jhattori/Spirits/FreddyTheLeaf.htm
で読めます。
”いきる””いかされている”そのものです。
コドモに 買ったものですが この本に時々 手が伸びます。
触るたび 感じ方が違い 愛娘は 毎年 手を抜き この絵本の読書感想文を書いているようです。
葉っぱに 負けない生き方を したいと思っています。