外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

骨質劣化は「抗糖化」で防ぐ

2015-08-25 21:29:24 | 【 転ばぬ先の杖 】
数年前、大阪梅田のリッツ・カールトンで

マクロビオティックのコースをご馳走して下さった御仁が、

昨日のご自分のブログに次のような言葉を記していた。


 「商品」ではなく情報を伝えよ


まったくそうなのですよ、そのとおりです。

拙ブログでも、伝えているのは 情報 です。


健康寿命の保持には何が重要かという 情報 です。


その情報をどのようにご自身の生活に取り入れるかは

ご覧になられる方々の自由な選択なのです。


さてさて、ここからは

筆者がつい最近、外来で遭遇した症例の話です。

60歳代の女性の患者さん。

一ヶ月ほど前から以前より痛かった腰がさらに強烈に

痛くなったと訴えて受診されました。

転倒したわけでも、尻餅をついたわけでもないと。

胸椎から腰椎にかけて打鍵鎚で叩いていくと

痛い場所は下部胸椎と判明。

疑うのは胸椎の圧迫骨折ゆえ、すぐにレントゲン撮影へ。


案の定、第11胸椎の圧迫骨折、しかもまだ新鮮なもの。

当分の間、カルシトニン製剤の筋肉注射を週一回行い

消炎鎮痛剤内服を処方した。

当然のことながら原因は骨粗鬆症であろうから

ビスフォスフォネート製剤の服用も適応となろう。

骨密度の測定はしておかねばなるまい。


通常、YAM値というものが70%以下なら即

骨粗鬆症として治療を開始することになる。





ところがこの方は なんと!

 YAM値 93%


骨密度がまったく正常値なのに、圧迫骨折となってしまった!

もちろん癌の骨転移などはありません。


となると、そう、これはもう骨質の問題・・・。


ということで、まだまだ話は続きます。


アメリカ国立衛生研究所は2000年に、次のように定義しました。





骨強度とは以下のこと。





各々の責任度合いは 骨密度70% 骨質30%。






これまでにもお伝えしていた情報ですが

骨質、すなわち 骨の質 に関わる微細構造において

コラーゲン架橋 が 悪玉な物質 に取って代わられるのが

骨質の劣化をもたらすことは、すでにお伝えしていたとおりです。







ここで 悪玉架橋 と示されているものこそ

AGEの1種類である ペントシジン によるものなのです。


昔の記事も参照して下さい。

 AGEsと骨質劣化について



決して ペンと詩人 などではありませんので。


この物質の血中濃度は、慢性腎不全などでは保険診療で測定できますが

それ以外での測定は自費扱いとなります。


このようなAGE(ペントシジン)が体の中で作られるのを抑制する効果が

ある種の物質に認められています。


 以前のエントリーをご確認下さい。
      ↓
あなたの知らない血糖値の罠! にペントシジン登場!


さて、

最後の図をご覧下さい。


     


尿中ペントシジン高値ということは、当然ながら血中でも高値です。

そんなAGEの1種類であるペントシジンの生成を

抑制できるものが存在するという事を

言い続けて早や7年余り


まだまだ世の中は、この事実に追い付いてはいません。