毎週月曜の午前中、外来を受け持つ病院がある。
途中2年程の中断はあったが、平成11年からの付き合い。
外来診療の合間に、入院患者の褥創の回診をする。
20床あった一般病棟は、いつのまにか閉鎖となり
療養病棟だけとなってしまって、すでに久しい。
2005年1月の京都府保険医協会主催の講演会で
消毒薬とガーゼ撲滅運動の主導者である夏井睦先生が
スライドで示される驚嘆すべき治療経過を目の当たりにして
(以前の記事があります。
目からウロコのおはなし 1
http://blog.goo.ne.jp/avin-hmp/e/a96ac7c67b717387efff2d8176f38347 )
目からウロコが何枚もバリバリと音をたてて剥がれ落ちてから
その病院の褥創処置に、水道水洗浄とラップ療法を導入した。
(ちなみに褥創とは、床ずれのことです。
通常は褥瘡と書きますが
夏井先生の唱道される「創」の字を使います。)
当初、ナースからの半信半疑の眼差しは疑いようもなかったが
それに対する答えは、改善していく症例数の増加だった。
現在では、紙オムツにラップを貼ったものが基本の処置となった。
もちろん別療法に変更する場合もある。
今日は月初めの月曜だったので、処置必要な12名全員を回診。
軟膏処置をしていた4名のうち1名をラップ療法に変更。
この回診中に病棟内の胃ろうの人数を数え始めたものの途中で諦めた。
短期記憶障害?と自嘲しながらも、1人・2人・たくさん・・・。
詰め所で確かめるのが一番と、訊いてきた。
入院者数56名のうち経口摂取不能者は40名で71.4%。
それらの方々の栄養を支える手段として胃ろうは30名で53.6%。
残り10名はIVH(高カロリー輸液)で17.8%。
褥創処置を要する12名では胃ろう9名で、75%を占める。
いずれにしても、
入院患者の7割超が口から食べられない状況とは、
見るも無残な状況といわざるを得ない。
世界No.1の長寿国日本とは
こんな状況によって作り出されているのです。