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抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

血清AGEsは心血管疾患や総死亡率の独立したリスク因子である可能性

2010-09-23 16:54:15 | AGEs
スウェーデンのストックホルムで9月20~24日まで開催されている

第46回欧州糖尿病学会(EASD2010)で、


1993年~2006年の平均12年間の追跡研究の結果、


1型糖尿病においては


血清AGEs(終末糖化産物)が


血管イベントの発生や総死亡率の


独立した危険因子である可能性
が示されたと


オランダのマーストリヒト大学メディカル・センターの

J.W.M. Nin氏が報告しました。




内容は以下のとおりです。


 糖と蛋白質が反応して生成される物質である

 終末糖化産物(AGEs;advanced glycation endproducts)は、

 活性酸素を産生することにより糖尿病の合併症を引き起こす

 可能性があるとされている。


 J.W.M. Nin氏らは、AGEsが、

 病態生理学的に高血糖と血管合併症の進行を

 結び付ける要素であるかを明らかにするために、

 1型糖尿病の患者を対象に、
 
 血清AGEsと心血管疾患(CVD)および総死亡率との関係を調べた。


 対象は、CVDの経験がない1型の糖尿病腎症の患者169人と、

 1型の糖尿病で正常アルブミン尿の患者170人

 (うち男性205人、平均年齢41±10歳)で、前向きに観察した。


 AGEsのスコアは、

 Nε-(カルボキシメチル)リジン(CEL)、

 Nε-(カルボキシエチル)リジン(CML)、

 ペントシジンのそれぞれのzスコアの平均値とした。


 追跡期間中央値は12.3年であった。

 AGEsと心血管疾患および

 AGEsと総死亡率の関係はコックス回帰分析した。


 追跡期間中、82人(24.2%)が死亡し、

 85人(25.1%)にCVDが発生した。


 また、3人は追跡できなくなった。


 心血管疾患は12.3年の観察期間中26人/1000人/年。

 総死亡は12.6年の観察期間中21人/1000人/年だった。


 CVDを発症した患者と発症しなかった患者では、

 年齢、糖尿病の罹病年数、腎障害の有無、HbA1c、

 コレステロール、平均血圧などに有意差はなかった。


 そこでデータについて、年齢やHbA1c、平均血圧、喫煙習慣、

 総コレステロール、腎機能など、

 従来から指摘されているCVDリスク因子について補正を行った。


 その結果、心血管疾患の罹患率および死亡率と総死亡率は、

 従来から言われているCVDリスク因子とは無関係に、

 AGEsのベースラインレベルが高いほど増加した。


 AGEsスコアが1SD増えるごとに、

 それぞれハザード比(HR)は1.30(95%信頼区間1.02~1.65)、

 1.29(95%信頼区間1.01~1.65)だった。


 ハザード比は、推定糸球体濾過率(eGFR)、

 軽度の炎症、動脈壁の硬化で調整しても、

 それぞれ1.16(95%信頼区間0.89~1.51)、

 1.19(95%信頼区間0.90~1.57)だった。


 AGEsが高い患者では、

 AGEsの値はベースラインのeGFRと逆相関しており

 eGFRが低く腎機能が悪い人ほど、

 AGEsは高かった(標準化回帰係数=-0.29、95%信頼区間:-0.38~-0.20)。



 このことから、J.W.M. Nin氏は、

 「血清AGEs値が高いことは、

  年齢やHbA1c、平均血圧、喫煙習慣、

  総コレステロール、腎機能などとは

  独立したCVDのリスク因子である可能性がある。

  また、腎機能や血管内皮の障害、炎症、血圧とも

  完全に独立したリスク因子と考えられる」

 と考察した。