インフルエンザワクチン接種での来院が多くなった。
今朝、ご夫婦で接種に来院された方、実はそろって糖尿病なのだが、
6月末を最後に受診していなかった。
で、9月半ばに受けた市民検診の結果を持参。
ご夫婦ともに HbA1Cの値が6.3 だと。
診療所での最終検査は5月。この時には5.7だったのに。
ご夫婦ともども、毎朝食後アマリール1mg服用なのだが、
なんと4ヶ月半もの間、服用していなかった。
以前にも薬を取りに来なかった期間があったので、
「この病気はきちんと服薬を続けないとダメですよ!」
と、しつこいくらいに念押ししたつもりだったのだが・・・・・。
夫77歳、妻75歳。
患者ご夫婦の言い分は次のとおり。
「薬を飲まなくても、別になんともないし。」
「検診結果で診てもらえと言われた・・・。」
そうだよねぇ~、解かりますよ、それ。
今、何の痛みも不都合も感じないのに
なぜ薬を飲み続けなければならんのか?
そうなんです、人は現時点の不都合には敏感なもの。
しかし糖尿病という病気は曲者ですから。
何の症状が無くとも、きちんとコントロールせねばならない。
それを怠れば、先々で痛い目を見るのは患者自身なのです。
実は、今、症状が無くとも、
今、そこにある危機なのです!
「誰も代わってくれないんですよ、合併症が出た時は!」
患者ご夫婦に少々語気を強めて、服薬の必要性を説明しました。
さらにもうひとかた、インフルエンザ接種とともに、
4週前の採血結果と投薬をと、受診されたのは71歳の女性。
2年3ヶ月前からベイスン0.2mg毎食前服用を開始している方。
「安定してますよ、5.6です。」
「わぁ、よかった!」
服薬を欠かさずのこの方は、
この2年間、HbA1Cは5.6~5.9の間で安定している。
医者が、意を尽くして充分に説明したところで、
結局は、患者自身の自覚の問題だよねぇ~
と強く思わされた今日の外来なのでした。
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