外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

果たした約束、果たせなかった約束

2009-07-10 17:55:25 | ひとりごと 医療系

「ハラゲ」って、なんだと思いますか?




 光ってる頭・・・


  それは ハ  ゲ   (ちなみに筆者ハゲはありません)




 これから日本海に大発生が予想されているやつ・・・


  それは ク ラ ゲ




 あぁ、鼻から出てるやつ・・・


  それは ハ ナ ゲ



 解った!  腹毛!!


  それって、ちょいビミョ~・・・




 ほな いったい なんやねん!





漢字で書くと 「腹外」 となりますが・・・。




「腹部外科」のことでして、「消化器外科」ともいいます。


筆者は永らくその範囲の手術をやってきました。

敵の多くは「癌」です。


執刀したのは、食道癌・胃癌・肝癌・胆嚢癌・膵臓癌・結腸癌・直腸癌など。


もちろん消化器系に留まらず、甲状腺癌・乳癌・肺癌の執刀も行ってきましたが。


そして、残念ながらすでに転移があった場合には、術後の抗癌剤治療。

外来での点滴もあれば、動注リザーバーからの注入などなど。

もちろん、再発予防に内服での投薬もありますが。


その内服処方も、乳房温存術から5年経過し最近服用終了とした患者さんで卒業。



振り返れば、多くの癌患者さんと一緒に歩んできました。


今、さまざまなシーンが脳裏に浮かびます。



そんな中で、診察室に掛ける一幅の掛け軸の話。




その方は60歳後半の美容院をされている、快活な元気印の女性でした。

少し前から、お腹の調子が思わしくなくなったとのことで内科受診。


検査の結果、腸閉塞寸前の、転移のある横行結腸癌であることが判りました。


根治は無理でも、腸閉塞を回避するため切除術が行われることに。



周囲との癒着もあり、手術は容易ではありませんでしたが、無事終了。

縫合不全もなく再び食事が食べられるようになると、笑顔も見られるように。



告知に関して内科とギクシャクがあったのち、抗癌剤の点滴が始まった。


数時間続く点滴の間に、肩こりやら腰痛がと訴える患者さん。

そこで、「鍼をしてあげましょう」となった。


美容院の仕事でも結構肩こりや腰痛があったから、

以前から行きつけの鍼灸院があったとのことなど、話が弾む。


「私、趣味で書道をしてるんよ」と、そんな折に教えてもらった。


筆者も、自分の暖めている計画などを忌憚なくしゃべった。


「それなら、そこに掛ける掛け軸を書いてあげよう」とおっしゃる。

「退院したら、そこへ鍼をしてもらいに行くから」と。


   「それはうれしいなぁ、約束やで!」




「何かこれをという言葉があるか?」とのお尋ねに、躊躇いなく答えた。



   「『燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや』をお願いします」


「ふうん、それはお似合いの言葉やなぁ」




何度も下書きをして書いて下さったという。

「なかなかバランスが取りにくかったわぁ」とも。




先日、ようやく、その書を掛けることができた。

診察室に掛けるとの約束から、すでに6年の歳月が流れた。



ほら Yさん、観えますか?
 
             とうとう掛けたよ!






                



当ブログの重要点『抗糖化』等に関してはこちらにまとめてあります。
なお、図表および内容の引用は固くお断りいたします。