ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ニューヨーク探訪1日目

2019-06-06 17:20:25 | 生活
 ニューヨークとはアメリカ合衆国の都市である。令和1年、メモリアル・デーの連休に、ハートフォードの30代独身日本式サラリーマンは満を持してニューヨークを旅することにした。ホテルはブルックリンにとり、長距離バスの予約をとる。3泊4日の旅である。財布や小物を入れるための小さなバックを先日ウェストハートフォードのバーに置き忘れて紛失してしまったので、グッドウィルで5ドルの手さげ鞄を入手した。タツノオトシゴのロゴがついた高校生の通学用鞄のようなかたちで気に入ったし、持ち帰って荷造りしていると奇跡的に筆者のノートパソコンがぴたりとおさまった。神々もまた、筆者のニューヨーク行きを後押ししているのだと感じた。


探訪1日目の詳細は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①ピーターパン・バス 乗り方
ハートフォードからニューヨーク行の長距離バスはユニオン駅から出発する。“ピーターパン”と言う名の夢が膨らむバス会社であり、チケットの購入はインターネットで簡単にできる。緑色のバスの後部に軽いタッチで描かれたピーターパンは、両手でどこかを指さし、顔はその指先とは全く関係なない方向を向いた奇妙なポーズでやや気味が悪い。バスターミナルには他にも数種のバスが止まっていたり、電光掲示板にあさってな時刻が表示されていたりと、自分が乗るバスがわからなくて不安になるので、うろついている黒人の係員に“ニューヨーク行きは?”と尋ねると確実だ。ネット予約時にメールで届くリンクからQRコードが表示でき、それを運転手に見せれば乗車できる。そして大きな荷物を客席下のトランクに入れる方式は日本と変わらない。



②ピーターパン・バス 乗り心地など
ピーターパン・バスは4列シートで、自由席なので空いている席にそそくさと座る。連休の長距離バスはほぼ満席で、誰かが隣にやってくる。今回は若い白人男だった。バスは定刻に出発する。車高の高いバスから眺める初夏のニューイングランドの景色は心地よく、 脳内には真夜中のカーボーイの曲が流れだし、アメリカバスの旅の雰囲気で心は自然と踊るものだ。座席は決して広いとは言えないが、マンハッタンまではものの2時間半のドライブであり苦行ではない。だが休憩はなく、水や菓子などのサービスもないので、乗車前に腹ごしらえしておく必要がある。



③マンハッタン到着
ピーターパン・バスはマンハッタンの中心地のタイムズ・スクエア付近の地下バスターミナルに到着する。ターミナルは地下鉄駅に隣接しているようであったが、とりあえず地上へと世界都市の空気を吸いに出ることにした。ブルックリンとマンハッタン島を結ぶ橋はここからはずいぶんと南にあるので、地下鉄に沿った8番街をとりあえずテクテクと南下することにし、疲れたら地下鉄に乗ろうと決めた。観光客やショッピング客でごった返す通りをいく。たいていの交差点にはニューヨーク名物ホットドッグの屋台がある、と思いきやそれらはハラルミートを使った中東系フードの屋台になっていて、ニューヨークの人口動静やニーズが少しずつ変わってきていることが見て取れる。用水路の水のように流れゆく観光客と、乞食も出来ないほどに精神をやられた人々が作るあちらこちらの淀みは、大坂の通天閣付近ののカオスに似ていて、街にはニンゲンの臭いがする。久方ぶりに都市の空気を感じた筆者の足取りは軽い。


④マンハッタン島を南下
観光客の流れを避けて8番街から7番街へ移動したり、また戻ったりしながら南下していると大型ショッピング店舗はなくなり、幾分生活感のあるブロックに差し掛かる。そこで空腹を憶えだしたので、洒落たオープンカフェや雑多なファスト・フード店などを無視しながら歩いていると、“故郷味”と看板のある中華食堂があったので、そこに入って小籠包と豚肉麻辣漬けに、青島ビールを2本注文した。前日は30代独身日本式サラリーマンらしく仕事であまり寝ていなかった所為か、ここで酔いと疲労を感じたので、地下鉄に乗る決断をした。



⑤ニューヨーク地下鉄
ニューヨーク地下鉄はいくつかの路線があるが、“Aライン、Bライン、4ライン”などとアラビア数字やアルファベットで区別されているので、素人でも乗るべき列車がすぐに判る。“半蔵門線・有楽町線”などと難しい用語が使われる東京とは大違いだ。地下鉄の乗り降りでちょっとした冒険を味合うことを覚悟していた筆者はやや拍子抜けした。券売機で一回分だけの乗車券を3ドルで購入し、筆者は地下鉄へと乗り込みブルックリンへと向かう。あらゆる人種が乗り込む地下鉄の中にも乞食がおり、自身の不幸を大きな声で主張し、車両を練り歩いては金や食料をせびるが、全体的にはいたって平和な雰囲気だ。30分ほど乗っていれば地下鉄はイーストリバーを渡り、ブルックリンに到着する。宿の最寄駅であるJAYストリート駅から地上へ出ると、官公庁らしい建物とともにやや小汚いたばこ屋や雑貨屋、黒人向けの洋服屋などが並んでおり“ブルックリンに来たな”という気分になった。


 ホテルに着き20階の部屋に入るとすぐにうがいをしたのだが、口に含んだ水道水が不味い。ニューヨークの水道水はきれいだとの話を聞いたことがあるので、これは高層ホテルの貯水槽の問題なのかも知れない。ミネラル水を買い忘れたことを後悔したが、疲労と酩酊のために睡魔に襲われ、キングベッドにごろりと昼寝をしたのだった。以上が“30代独身日本式サラリーマン、ニューヨークへ行く” の序章である

コメントを投稿