ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

亜東超級市場で見つけた旨いカップラーメン

2018-10-25 17:17:28 | 食材
 亜東超級市場で見つけた旨いカップラーメンとは、筆者がコネチカット州のアドン・スーパマーケットで見つけた旨いカップラーメンのことだ。本ブログの中でも30代独身日本式サラリーマン生活に関わりが深いこの即席ラーメンシリーズは特に人気が高く、閲覧数が多い。それにより筆者は俄然気を良くし、することがない休日の昼下がりにはアジア系の市場へ自然と足が向かい、次に諸氏に紹介できる商品を物色してしまう次第である。今回は久方ぶりにナイスな商品に出くわした。


このカップラーメンの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①VIFON社
亜東超級市場で見つけたこのカップラーメンは、上面側面のラべルに蓮の花のロゴとともに“Viet Cuisine”と銘打ってあり、それが商品名のようだ。ベトナムのVietnam Food Industry Joint Stock Company社製らしい。さっそくホームページを訪ねたらば、当社は1963年にVIFON社と言う名で設立された歴史ある食品会社であり、1993年にインスタントフォーを初めてベトナムで販売したのだそうだ。2004年に今の会社名に代わったとのことだが、どうやらVIFONの名の方が今でも一般には馴染みがあるようで、ホームページにもVIFONのロゴが多く残っている。



②Viet Cuisine
Viet Cuisineの容器は日清食品の“ラ王”や、コンビニでよく売られている有名店のラーメンを再現したカップ麺のようなどんぶり型で、日本式の発砲スチロール系ではなく硬質なプラスチック(のようなもの)が使われているハードな仕様だ。ラベルの商品名には英語、漢字、ハングル、スペイン語、ベトナム語、さらには日本語表記まであり、多国籍の顧客をターゲットにしている様子がうかがえる。複数の味で販売されているが、どれもスープの粉末、揚げニンニク、乾燥野菜、それにレトルトカレーのようなパウチに入った特別具材と袋が4種もあって、東南アジアカップラーメン界では類を見ない凝った作りになっている。以下に筆者が試食したものを紹介しよう。



③インスタント野菜フォー味
鮮やかな黄緑色のラベルの“インスタント野菜フォー味”は、日本語では“野菜フォー味”と明記されているが、英語表記をみると“SHIATKE MASHROOM PHO”とされている。実際パウチの中の具材にはとろみのあるタレと共に角切りにされたシイタケと肉団子が少々入っているばかりでその他の野菜は入っていない。なので『野菜は好き。でもシイタケはダメ』という30代独身日本式サラリーマンには不向きな商品だ。シイタケの歯ごたえは良好で、若干濃い目だが塩とアジノモトでシンプルに味付けされたスープにはシイタケの味もよく出ておりあっさりといただける。中太の米麺には厚みがあり、ツルツルと気持ちよく飲み込めて食べやすく、美味であった。



④インスタント蟹味噌ソーメン
マゼンダ色ラベルの“インスタント蟹味噌ソーメン”は特に満足な一品で、諸氏らに強く薦められる。パウチ具材の中には灰色の灰汁のようなものが大量に浮いているのでやや不安になるが、これが蟹味噌のようだ。スープは野菜フォー味と同様なアジノモト味に濃厚な蟹風味が付されて美味しいし、細いソーメンにスープが染みてよく合う。難を言えば蟹をすり潰した殻のカスがスープに残っており、それが喉に張り付いて「カハ! オエ!」となる、もしくはなりそうになるので、いくら旨いからといって急いで食べると痛い目に遭うだろう。


 
 
 世間の人の多くがジャーナリストの安田さんにしらけてしまうのは危険なところに敢えて出かけたことが理由ではないと思う。同じように危険地帯に飛び込む戦場カメラマンの渡部陽一さんは日本で大人気だった。渡部さんがもしも捕虜になったとしたら世論はもっと同情的になるのではないか。自国を出た場合にこそ結局のところ国家という枠組みから個人は逃れられない。国家もまた自国を出て行って捕虜になった個人からは特に逃れられない。そういう持ちつ持たれつの関係が明らかなのに、それを拒むようなポージングを安田さんが垣間見せてしまうから、何だかしらけるのだ。『あぁ、みそ汁ってこんなに美味しいんですね。日本に生まれてよかったです』安田さんがしみじみそういえば、世間の人は少し嬉しいのだ。そんなことを思いながらニューイングランドの長屋でインスタント蟹味噌ソーメンを啜った。

UCHI

2018-10-17 17:43:20 | 食事
 UCHIとは、テキサス州ダラスにある日本料理屋だ。30代独身日本式サラリーマンともなれば、テキサス州ダラスなどに出張の用件があり、「せっかくだから日曜日に早入りしてダラスの夜を少し豪勢に楽しむかな」などと思ってフライトをとることもあるに違いない。しかし日曜ダラスの夜は案外さみしい。ダウンタウンは意外に小さく閑散としており、アップタウンと呼ばれる盛り場でも閉まっている店は少なくない。さすがに一人でテキサスステーキを食べる気にはならないし、それに知らない町で一人で入れそうなお店を見つけるのはとても難しい。そうしてふらふらと歩いていると、何だか高そうなUCHIと言う名のお店に辿りついた。



このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①ダラス
テキサスといえばテリーマンの出身地ということ以外に予備知識がないままダラスにやってきたので少し調べてみた。ダラスとはアメリカ合衆国11代副大統領のジョージ・ダラス氏から命名されたとのことだが、このダラス氏とこの町にどのような関係があるのかはウィキペディアには載っていない(2018年10月11日時点)。綿花や油田で栄えた町で、今もエクソンモービルの本社などがあるようだ。さらにはセブンイレブン発祥の地としても知られているということを初めて知った。



②UCHIアクセス・外観
とにかく日本食を食べようと愚かなグーグルを頼りにアップタウンを彷徨ったが、安作りなお店は軒並み閉まっていて、メイプルストリートというやや閑静な通りにある何となく高そうなこの場所に辿りついた。コンクリート打ちっぱなしの建屋に装飾用の木壁がお洒落に付されてまるで東京の格好つけた美術館のような建屋一棟がレストランになっており、入り口ではかっちりきめたバレットパーキングの係員が談笑している。短パン・Tシャツ・ビーチサンダルの30代独身日本式サラリーマンは『くるり』と引き返すべきとも思ったが、あまりの空腹と、案外カジュアルな恰好の方が逆に玄人地味ているかもしれないと思い、無理に堂々と瓢々と振る舞って入店したのだった。



②雰囲気
一人客は自然とバーテーブルに案内された。広々とした空間の内装に和風テイストは施されておらず、西洋風のモダンなバーそのものといった感じだ。席に着くと本日担当の板前を紹介され、英語で本日のおすすめなどを懇切丁寧に話されるので困惑する。カウンターの中に居る板前は全員白人だ。一人客は珍しくはないようで、カウンターには30~50代風独身風サラリーマン風の白人一人客がちらほらと食事を楽しんでいる。



③メニュー、値段
築地から直送している(と書いてある)ネタもあり、キンメダイやシマアジ、カマスなどなかなか食べられないネタが揃っている。白人の職人により握られた寿司は小ぶりだが非常に美味で、日本人の親方のもとでよく修行したに違いない。その他にシマアジのカルパッチョや何かの焼き魚、唐揚げなどがどれもなかなか美味で酒が進み、その日の宿代よりずっと高い料金を請求されてしまった。“この値段であれば、もっと旨いものが食えてもいいのでは・・”と思わなくもないが、とはいえ30代独身日本式サラリーマンとしては、今後年齢を重ね40代、50代独身日本式サラリーマンになるうえでこうした贅沢を一人で味わう勇気を持っておかねば生活に支障が出るので、練習と思って臨まれるとよいだろう。




 こうして異国の地で自分の衣食住とは一切関わりの無い仕事でサラリーを得て、そのサラリーで自分の衣食住全て(それにたまに豪華な食事すら)を賄っている。しかし自分の毎日の職場での作業は、自分の衣食住一切を自力で生産するよりはきっとずっと楽だ。それはニンゲンが組織に所属することで個人の力では成しえない社会的な創造物や、個人では生産しえない量の物資を生み出しているからだろう。自分が食べているキンメダイを誰が獲って誰が冷凍したのか、自分が運転する車のネジを誰がどのように締めたか想像もできない。そう思うと“風が吹けば桶屋が儲かる”どころでないほどの途方もない繋がりがこの世界にはあって、それなのに30代独身日本式サラリーマンには繋がりが感じられなくて夜寂しいのは、一体なぜなのか。40代独身日本式サラリーマンになったらわかるのだろうか。

パリラ・イ・サボーレ

2018-10-05 15:34:45 | 食事
 パリラ・イ・サボーレとは、コネチカット州ハートフォードにあるコロンビア料理レストランだ。このお店があるハートフォード市のフランクリン・アヴェニューは、以前ジャマイカ料理屋の回で紹介したようにカリブ系・中南米系の料理屋や雑貨屋、ベーカリーなどがポツポツと並ぶ商業エリアになっているものの、店の佇まいはどれも暗く、通りは雑然としているし、どことなく真っ当な職についていなさそうな人々が練り歩いたり、佇んでいたり、壊れかけの自転車に乗っていたりと、治安のよい様子はどこにもない。それでも面白そうな料理屋を覗いてみたくなってついつい足が向かうのは、守るべきものが特にない30代独身日本式サラリーマンの強みだろう。



このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①コロンビア
コネチカット州には約2万人のコロンビアからの移住者が暮らしているそうだ。それは州の人口の0.6%になり、人口比率で言えばフロリダに次いで全米第二位になっている。その影響かコロンビア料理と銘打つレストランを、たいてい治安の良くなさそうなエリアでちょいちょい見かけるのだ。カリフォルニアにも多くのコロンビア人移住者が居るとのことだが、彼らは主に州南部に居住しているようで、ベイエリアではコロンビア料理を標榜するレストランを見かけることはなかった。


②アクセス・外観
パリラ・イ・サボーレはフランクリン・アヴェニューで最も栄えているブロック付近にあり、他の建屋と同様に年季の入った煉瓦作りの三階建ての建物の一階に入っている。外から見るに二階・三階は使用状況が不明なほどに暗く、廃墟の香りがするが、パラボラアンテナがにょきにょきと伸びているので誰かが暮らしているようだ。フランクリン・アヴェニューは路肩に駐車できるので駐車場には困らない。



③中の様子・店員
薄暗い扉をあけると中は結構明るく、コロンビアの国旗を思わせる青・黄・赤の三色装飾がこれでもかと飾られていてまるでフェスティバルの最中のようだ。店内は2つの部屋に分かれていて、手前はダイニングルーム、奥がバーになっている。店内の客はヒスパニック系ばかりで、陽気な客は「コロンビア料理が好きなのか?」と話しかけてくるが、奇異な眼差しを向けてくる客もいる。残念ながら品数が沢山あるメニューには写真がないし、体格の良い女性店員はスペイン語しか話せないので、「なになに、お勧め料理ならこれがよい」などと声をかけてくる陽気な客が居ない限り、適当に「エイヤ」で指をさして頼むしかない。



④チチャロン
運よく陽気な客に教えられた定番メニューを注文すると、白ライスに豆カレー(のようなもの)とステーキと、プランテーンのグリル、それにチチャロンと言う名の奇妙な形状をした豚バラ肉のフライが載せられてやってきた。たいていのメニューにはこのチチャロンがついてくるようだ。チチャロンとは豚バラ肉をカリカリに揚げたものであり、コロンビア人のソウル・フードなのだそうだ。櫛のように片側が分かれた形状をしていて、繋がっている側は骨なので分かれている部分を食べる。ナイフで切ることも難しいほど固く、ガンジガンジと噛むと脂が滲み出てくる不思議な食べ物だ。調べたところ南米諸国には地方によって多種多様なチチャロンがあるらしく、筆者が食べたものが全てという訳ではないようだが、感動するほどの旨さはない。



⑤味
全体的には単純な塩味で、日本人が不慣れな調味料は使われていないので“食べやすい”という感想を持った。二度目に来店したときに食べたチキンソテーなども旨かった。白ライスにも淡泊な塩味が付けられていてこれもなかなか美味しい。ただ出てくるもの全てがしょっぱいので白ごはんが欲しくなる。白ごはんを求めるのは無理なので、結果コロンビアビールをごくごくと飲むことになってしまう。



 こうやってジャマイカやペルーや、プエルトリコやコロンビアや、ロシアやエチオピアなどの料理屋へ訪れているが、ごく自然にできたそれぞれのコミュニティにとって居心地のよい空間にズカズカと興味本位で入ることに、実はいつも罪悪感と不安感を憶える。でも仕方がない。30代独身日本式サラリーマンにはコミュニティがないのだから。いつもいつでも飛び出せるように、ダイスのように、転がっていたいから、泣きたくなるようなときも、君に会いに行きたくなっても、強がるだけ 今は何も分からない。