サンカクとは、サンフランシスコ国際空港のターミナル内にある日本食ファストフード店だ。サンフランシスコ国際空港は2016年あたりから改修工事がちょいちょいと行われていて、ベイ・エリア30代独身サラリーマンは訪れる度にちょいちょい変わる景色にちょいちょい狼狽したりする。筆者は30代ベイエリア独身日本式サラリーマンとしてこの空港を幾度も利用したが、これまでサンカクに気が付くことがなかったので、新しいお店なのかも知れない。さっそく利用したので紹介する。
この食堂の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①場所
サンカクはサンフランシスコ国際空港のターミナル内にあるが、その正確な位置はわからない。世の中の空港というのはとても複雑な構造であるし、そのうえ我ら利用者はただひたすらに標識を信じて盲目的に“出口・入り口・昇降口・搭乗口”などの“口”を探すばかりで自分の立ち位置を理解しない。だから“サンカクって空港の何処にあるの?”と問うことは野暮であり、“何処だかはわからない。だがそれは確かにあった”としか答えられないというものだ。
②様子
サンカクはフードコート形式の店舗だ。白黒を基調としたシックな店構えはL字型になっており、一方は注文カウンター、もう一方は板場になっている。注文カウンターは典型的なフードコートのカウンターであり、レジコーナーに隣接してパックされたカリフォルニア・ロールなどが並んだ保冷機が置かれている。板場には障子の骨組み風の木枠や屋号らしきロゴ、のれんなどのそれらしい内装がなされており、それらしい恰好をした寿司職人が黙々と、これからパックされるカリフォルニア・ロールなどを握っている。
③ソバ・デラックス
サンカクではその場で食べられる麺類やテリヤキ丼などに加えて、飛行機の中で食べられるパックされたBENTOなども売られているが、ここではソバ・デラックスをいただきたい。えび天、牛ばら肉、鶏肉ソテー、ナルト、ワカメ、豆腐、ネギが全部入ったあまり品のよくないボリューム満点のソバ・デラックスは、このお店以外ではなかなか食べられないし、40代になったら食べたくない逸品だ。牛ばら肉は日本の肉うどんの肉そのもので懐かしく嬉しい。正直、鶏肉ソテーは無い方がいいかも知れないが、その他の具材には満足できる。関西風よりは醬油っぽく、関東風ほど辛くない出汁も悪くないし、麺もまあ普通で、平均的な立ち食い蕎麦屋の味だ。
④ビール・冷酒と共に
実はサンカクではビール・冷酒の小瓶が売られている。これさえあればソバ・デラックスの多すぎるトッピングはたちどころに肴へと変わる。標識を信じて盲目的に歩く人々を尻目に、ゆっくりと割りばしで楽しく肴をつつきながら冷酒をいただくのは極上の幸せで、できれば乗り遅れたくなる。そして〆に伸びきった蕎麦をすすればもう離陸したかのような心持ちになる。
飛行機事故は昔に比べると少なくなったようだが、未だに離陸するときには生命を賭したような気になる。自らベルトで身体を捕縛し、顔も知らない操縦士に人生を委ねる。「ふー」と深く息をして心を落ち着かせ、出会ってきた素晴らしい人々の顔を思い浮かべる。そして『もしかしたらサンカクで食べたソバ・デラックスが“人生最後の食事”になるかも知れない』と思う。そうするとまだ離陸したくなくなる。30代独身日本式サラリーマンには生きる希望があるのだ。
この食堂の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①場所
サンカクはサンフランシスコ国際空港のターミナル内にあるが、その正確な位置はわからない。世の中の空港というのはとても複雑な構造であるし、そのうえ我ら利用者はただひたすらに標識を信じて盲目的に“出口・入り口・昇降口・搭乗口”などの“口”を探すばかりで自分の立ち位置を理解しない。だから“サンカクって空港の何処にあるの?”と問うことは野暮であり、“何処だかはわからない。だがそれは確かにあった”としか答えられないというものだ。
②様子
サンカクはフードコート形式の店舗だ。白黒を基調としたシックな店構えはL字型になっており、一方は注文カウンター、もう一方は板場になっている。注文カウンターは典型的なフードコートのカウンターであり、レジコーナーに隣接してパックされたカリフォルニア・ロールなどが並んだ保冷機が置かれている。板場には障子の骨組み風の木枠や屋号らしきロゴ、のれんなどのそれらしい内装がなされており、それらしい恰好をした寿司職人が黙々と、これからパックされるカリフォルニア・ロールなどを握っている。
③ソバ・デラックス
サンカクではその場で食べられる麺類やテリヤキ丼などに加えて、飛行機の中で食べられるパックされたBENTOなども売られているが、ここではソバ・デラックスをいただきたい。えび天、牛ばら肉、鶏肉ソテー、ナルト、ワカメ、豆腐、ネギが全部入ったあまり品のよくないボリューム満点のソバ・デラックスは、このお店以外ではなかなか食べられないし、40代になったら食べたくない逸品だ。牛ばら肉は日本の肉うどんの肉そのもので懐かしく嬉しい。正直、鶏肉ソテーは無い方がいいかも知れないが、その他の具材には満足できる。関西風よりは醬油っぽく、関東風ほど辛くない出汁も悪くないし、麺もまあ普通で、平均的な立ち食い蕎麦屋の味だ。
④ビール・冷酒と共に
実はサンカクではビール・冷酒の小瓶が売られている。これさえあればソバ・デラックスの多すぎるトッピングはたちどころに肴へと変わる。標識を信じて盲目的に歩く人々を尻目に、ゆっくりと割りばしで楽しく肴をつつきながら冷酒をいただくのは極上の幸せで、できれば乗り遅れたくなる。そして〆に伸びきった蕎麦をすすればもう離陸したかのような心持ちになる。
飛行機事故は昔に比べると少なくなったようだが、未だに離陸するときには生命を賭したような気になる。自らベルトで身体を捕縛し、顔も知らない操縦士に人生を委ねる。「ふー」と深く息をして心を落ち着かせ、出会ってきた素晴らしい人々の顔を思い浮かべる。そして『もしかしたらサンカクで食べたソバ・デラックスが“人生最後の食事”になるかも知れない』と思う。そうするとまだ離陸したくなくなる。30代独身日本式サラリーマンには生きる希望があるのだ。