ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ティスミ寿司

2018-06-16 07:15:29 | 食事
 ティスミ寿司とは、グラストンベリー市にある日本料理屋のことだ。アジア人人口が少ないハートフォード地区周辺の人々にとって日本食とはもっぱら“スシとヒバチ”であるようだ。周辺で見られる日本食レストランはベイエリアでいうベニハナ風の鉄板焼き+寿司バーといった最低でも3人くらいで出かけないと気恥ずかしい気持ちにさせられるもののが多い。日本で言うならば皆でワイワイ鉄板を囲むお好み焼き屋のイメージなので、単独での入店は勇気ある30代独身日本式サラリーマンでも敷居が高い。その点このティスミ寿司はヒバチ形式ではなく、少しだけ入りやすいので今回紹介します。


このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①アクセス・外観
ティスミ寿司はグラストンベリーのメインストリート沿いにある。ホールフーズを中心としたグラストンベリーで最も賑やかしいエリアよりも少しだけ北上すると、3号線へと通じる交差点の手前あたりで右側に多数の店舗が並ぶ建物が目に入る。ティスミ寿司はその中の一店舗だ。ティスミ寿司の他にはUPSやアイスクリームのお店、さらには“メキシフォー”というメキシコ料理とベトナムのフォーが一緒に食べられるというあまり入りたくないお店などもある。店舗前面にあるコンクリート製の軒の桁には丸みの帯びたレタリングで“TISUMI SUSHI”と文字看板が施されており、ガラス張りの店内は暗くて中をよく見ることはできない。


②ティスミと中の様子
ティスミとは何なのか。何かの日本語の言葉を基にしたものなのかと思い愚かなグーグルでTISUMIを調べると、紫色の髪をしたエヴァンゲリオン風の少女の画像が少しだけ出てきたが、あまり興味のない分野であったのでそれ以上の捜査は打ち切った。内装にそのようなアニオタ風なものは何一つなく、奥行きのある店内の手前にはダイニングテーブルが並び、奥にはスシバーがある。カジュアル感よりもお洒落感を出そうとした内装だ。店員はおそらく韓国人であろう。黒いユニフォームを着た女が複数と、女将のように振る舞うカジュアルな服を着た30代前半風コリアン美女がいる。だが彼女はどうやら人妻のようだ。


③メニュー・味
メニューの中心は寿司であり、ホッキガイやタコやヒラメなど種類はそこそこ豊富だ。もちろんロール寿司も各種取りそろえており、ホット・セクシーママロールやマンゴー・サマーロールなど、あまり挑戦したくないメニューも並んでいる。ハートフォード周辺で寿司を食べられる悦びが先行するため、味のことを深く評価したことがなかったものの、パクパク食べてしまえるので、「まずい」ということはないようだ。テーブル間の仕切りが高いので外国人客で賑わっている店内でも人目を気にせず寿司を堪能できるのも利点である。


④酒
サッポロビールを注文すると細長い洒落たグラスと共にサッポロビールの500ミリリットル缶が「どん」と置かれるのは、何だか安酒場に来たような心持ちになるが、グラスはよく冷えている。また、このお店でお勧めなのは冷酒の小瓶だ。共に出されるガラスの小さなコップには何故かキュウリの千切りが入っており、ほのかなキュウリの香りと共に味わう爽やかな冷酒はなかなかにオツで、もしも自分が河童だったら最高級の幸せであろう。




 さて、筆者はついに一人用のテントを購入した。だが購入しただけでまだキャンプに出掛けていない。長屋の中でテントを組み立てては中に入り、物好きがユーチューブに投稿した鳥や虫の音などの自然音を流しながら中でのんびり過ごしたり、時には激しい雨音を流してテントの中で雨が止むのを待ったりと、妄想キャンプに勤しんでいる。テントに入るだけで妄想力がぐんぐんと目覚める様が自分でも恐ろしい。身勝手な妄想に駆られ新幹線の中で刃物を振り回す人たちは気が付かないうちに妙なテントに入ってしまっているのかも知れない。我ら30代独身日本式サラリーマンは常に健全な妄想をすべく、困ったときはティスミ寿司の30代前半風コリアン美女でも見に行きましょう。彼女はどうやら人妻のようですよ。

RACHI

2018-06-07 17:16:59 | 食材
 RACHIとはペルー料理のメニューだ。5月のハートフォード地区は新緑で覆いつくされる。ものの10分ほど車で山へ向かえば道は緑のトンネルで、山あいの富裕層の別宅の敷地はゴルフ場のように整備され、大きな池はきらきらと輝き、窓を開けると若葉たちが生成したばかりの新鮮な酸素が車の中に入ってくる。だから5月の週末をWRTC893ラジオのセンスのいい音楽を流しながら走る時間は暇つぶしとは思えないくらいの幸せを感じる。 先週も朝から誰とも会話することなくドライブを楽しんだ。そして空腹を憶え家路を急いでいるときに、ふと「モツ焼きを食べたい」という強い衝動に駆られたのだ。さっそく調べたところ辿りついたのがペルー料理のRACHIであった。


このメニューの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①経緯
中南米系の人々は積極的にモツ食を行っているようだ。ペルー料理にはアンティクショスという牛ハツのグリルがあるし、シータウンの惣菜コーナーには牛ミノの煮込みが売られている(この牛ミノ煮込みはベイエリアのメキシカンレストランでもいただけるが、けっこう胃が持たれる料理で食べた後に後悔する)。また、シータウン・スーパーマーケットの精肉コーナーには牛レバー、牛ハツ、牛ミノ、ハチノスに加え、牛の腎臓(マメ)という珍しい部位も普通に売られているので、これらを使った料理があるに違いないと推理し、中南米系の料理に的を絞り愚かなグーグルで、「牛、内臓、ペルー」、「牛、腸、南米」などのキーワード検索で適当に調べているとRACHIがヒットした。



②RACHI
RACHIは牛胃袋のグリルである。懐かしきサンマテオのアンデス・カフェやマンコラでは見かけることのないメニューであったが、フランクリン・アヴェニューにある3件の安ペルー料理屋(ピオリン、ヴィスタ・アレグレ、ロッキン・チキン)や、アドン・スーパーの近くにあるちょっと高級ペルー料理屋のコラコラにも置いてある。これらのお店はアンデス・カフェやマンコラとは少しだけ味が異なるので、RACHIはペルーの中でも特定の地方料理なのかも知れない。



③ロッキンチキンのRACHI
ロッキンチキンはファストフード店のような雰囲気でありながら、チキンを中心とした本格ペルー料理が味わえる。ここでのRACHIは牛ハチノスがグリルされ、 “鉄板の方が熱くなっているのでお気をつけください” でお馴染みの食器に乗ってジュージューと音を立てながらやってくる。牛ハチノスは赤みのある少しだけ辛いソースに漬けられたのちに表面がカリカリになるまで焼かれており、一口目には香ばしい風味、その後は牛ハチノスの独特の臭みと歯ごたえを楽しみながらビールを飲むことができる。延々とハチノスばかり食べるのはやや苦痛であったが、メニュー表のひとつ下の欄に牛ハツとのミックスグリルもあったので、こちらをお勧めします。




④コラコラのRACHI
長州力と橋本真也を思い出させる店名のコラコラだが、ハートフォード界隈では人気のペルー料理屋だ。やや高級志向で店員のサービスもよく、ビールを頼むとよく冷えたジョッキと一緒に出してくれる。ここではロッキンチキンでの反省を踏まえ、RACHIのみでなくモツグリルセットを注文した。これはRACHIと牛ハツ、さらに鶏砂肝のグリルであり、期待に胸を膨らませて皿の到着を待った。熱くない普通の皿に盛られて出てきたグリルセットは、カリカリにまでは焼かれておらず香ばしさよりもモツ自体の触感を味わう逸品だ。またハチノスと共に牛ミノも混ざっているためにより強いグニョグニョ食感が味わえる。牛ハツと砂肝と交互にいただくと食感と風味に飽きることなくビールをぐいぐい飲んでしまう。




 RACHIといえば米朝の問題のどさくさで、日本人拉致被害者の返還も密かに期待されているようだ。被害者の方の現在の状況や、国どうしのプライドや外交上の駆け引きなど、諸々の事情で全員の帰国が難しいということは何となく予想できる。また国内で騒ぎ立てるのは却って被害者の方の生命を危うくすることも考えられるので、どういう心持ちでいればいいのか判然としないのが正直なところです。それでも心から被害者の方の帰国、ご家族との再会を願っている30代独身日本式サイレントマジョリティが、各長屋に潜んでモツ焼きを食べている。それを一応ご家族の方に向けてお伝えします。

シータウン・スーパーマーケットで手に入る美味いマルチャンのカップラーメン

2018-06-01 16:04:26 | 食材
 シータウン・スーパーマーケットで手に入る美味いマルチャンのカップラーメンとは、筆者が贔屓にしているカリブ・中南米系スーパーマーケットのシータウン・スーパーマーケットに売られている東洋水産のカップラーメンのことだ。30代独身日本式サラリーマンにとってマルチャンといえば、何故かしつこく武田鉄矢をCMに起用し続けていた“赤いきつねと緑のたぬき、そして黒い豚カレー”くらいでしか認識がなく、時折日清の“どん兵衛”と間違えて購入する程度であろう。しかしメキシコではインスタントラーメンのことを「マルチャン」と呼ぶほどに知名度の高いブランドであり、そのシェアは90%に近いのだそうだ。ついにカップヌードルネタも尽きてきたのでやむを得ず購入したところ、なかなかどうして結構なお味でした。ただ“マルチャンである”という理由だけで何となく無視してしまっていたことへの贖罪の意味も込め、できるだけ褒めようと思います。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしたもらいたい。


①概要
マルチャンのカップヌードルの正式名称は、“マルチャン・インスタントランチ”という。大きさは30代独身日本式サラリーマン諸氏が詳しい日清カップヌードルより一回り小さく、カップが紙パッケージでカバーされた状態で売られている。耳のない少年が舌なめずりをするお馴染みのロゴはこちらの商品でも使用されている。ちなみにインド式カップヌードルとは異なり中にフォークは入っていない。チキン味、ビーフ味、海老味といったオーソドックスなものに加えて、変わり種っぽい商品も複数販売されており、今回はその変わり種商品を4種紹介する。


②ライムチリチキン味
何でもライムをかけて食べるメキシコの人々は、カップラーメンにもライム風味を求めたようだ。これがなかなかに美味であり、塩味ベースのスープにライムが混ざると思いの外さっぱりといただくことができる。チリ抜きのライムチキン味もあるが、唐辛子入りの方がパンチが効いて食欲が掻き立てられる。


③チキン・トルティーヤ味
これが今のところ最高に旨い。サルサソースのコクがある辛みと鶏肉の香りのバランスが丁度よく、人工調味料的な臭みが少ない。スープにはややとろみがかかっていて麺に程よく絡まり、口の中に幸福が訪れる。日本で発売しても人気が出るであろうと確信できる商品で、筆者は故郷に住む両親に送り届けたほどである。

④チェダーチーズ味
こちらは上記の二種よりもやや平たい形状の麺にクリーミーなチーズ味スープが絡まるもので、パスタに近い感覚だ。黄色く濃厚なチェダーチーズソースでベトベトになった麺はなかなかジャンキーな風味で、幼少時に“食べてはいけません”と言われていたものに食らいついているような背徳的な幸せを感じる。一度食べると胃がもたれ、“もう二度と食べない”と思うが、しばらくするとまた食べたくなる天下一品のこってりラーメンと同じ中毒性を持つ。


⑤ソイ・ソースうどん味
原材料にKONBUやSHITAKEなどが記載されており、もしや日本式うどんが食べられるかとの僅かな期待を込めて購入した。が、ビーフやチキンの香りのほうがずっと強く、中華スープにインスタントうどん麺が入っていると表現したほうが適切だ。しかしシー・タウンには山積みにされて売られているので、中南米の人々にはなかなか人気のようだ。


 昨今の北朝鮮さんを取り巻く世界情勢を鑑みると、平和といういものは単にパワーバランスが保たれている状態をいうことなのだと思う。パワーバランスなどというものはその時々の強者による政治力や戦闘力、教育と言う名の洗脳や、情報統制などによってやっとこさ保たれているものなので、それに気が付いてしまう少し賢い人たちにとっては極めて不合理で、退屈で、壊したくもなるのは理解できる。あまり賢くない人々も平和の退屈さだけは感じていたりするので、そのバランスを壊そうとする動きは案外大きなムーブメントになったりする。もっとずっと賢い30代独身日本式サラリーマンは、長屋で色んなカップラーメンを試食することで退屈を紛らわさし、不合理な世の中についてできるだけ考えないようにしましょう。