ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

瓶ビール その2

2017-07-30 14:45:26 | 食材
瓶ビールは、瓶に入れて販売されているビールのことだ。ご存知のとおり、最近の筆者は“印象”や“生計”と言う名のお店が入った、ヒルズデイルの商業エリアにあるマリーナスーパーマケットによく出かける。中華系のマリーナスーパーマーケットだが、来店する人々には中南米系の方がとても多いことに気が付く。そうした目で店内に陳列されている商品を見てみると、実際に中米系の顧客を狙った商品も少なからず取り揃えてある。筆者が入店してすぐに向かう酒類コーナー(向かって右端)にも、中米系のビールがずらりと並び、未飲(筆者の造語)のものが2種あったので買い物かごに入れたのであった。


 今回の瓶ビールの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①Regia ビール
このビールは、エル・サルバトルのビールだ。“エル・サルバトル”、響きだけで何だか美しい国であることが想像できる。瓶の形状は前回の瓶ビールその1のときに紹介したメキシコビールと同じで瓶の首が曲線的で、力強いフォルムであり、Regia ビール固有の瓶であることを証明するかのように、“LA CONSTANTIA S.S”と浮き文字が施されている。黄色のラベルには王冠、そして”EXTRA SMOOTH LAGER BEER”と記されている。そのフレーズのとおり匂いが薄く、すっきりと飲めるラガービールで、ゴクゴクゴクと一気飲みをするに相応しい。鮮やかな黄色が美しく、エルサルバトルの海辺とよく似合う、ような気がする。


②Red Stripe
こちらのビールはジャマイカ産だ。瓶の裏側には『1928年から・・・Red Stripeビールはジャマイカとジャマイカの人々のパルス、リズム、スピリットをEMBODYしています』という文句が書かれている。こちらの瓶は24オンスであり、少し小ぶりだ。瓶の形状が理科室の薬品用の瓶そのもので、とても面白い。赤と白のシンプルなラベルの左上には何故かドルチェ&ガッバーナのような文様が入っている。こちらも味はすっきりでレゲエを聴きながら飲むにはやや物足りないくらいの清涼感だ。ただこのビールはコップに注ぐときにコロコロと音がなり、幸せを感じるので、購入したら是非とも部屋のBGMの音量を下げて音を楽しんでみて欲しい。



 Regia ビールを買い物かごに入れた後、鮮魚コーナーでイイダコとサザエみたいな巻貝を見つけて購入した。包んでくれた鮮魚コーナーの30代と思われるおやじに「ありがと」と言うと、「お、あんた、日本人だねぇ?」と聞かれたので、「そうさ。あなたは?」と尋ね返すと、恥ずかしそうに小さな声で、「知らないだろうけど、エルサルバトルだよ」と答えてくれた。「知ってるよ、これ買いますもん。」とRegia ビールを見せつけると、表情がパッと明るくなり、嬉しそうに笑っていた。

にっぽん ぱらだいす

2017-07-29 09:53:21 | 生活
 にっぽんぱらだいすとは、1964年に公開された日本映画のタイトルである。1980年代にサブ・カルチャーなどと呼ばれて蔑まれたり、もてはやされたりしていたものの多くは、30代独身日本式サラリーマンの青春時代にはすでに立派なメイン・カルチャーとなっていたため、それらについてこのブログで紹介することは、まさに釈迦に説法だと感じている。よって今回は作品についてのレビューというよりは、ユーチューブに転がっている名前も知らない昔の映画を観るという、意外に楽しい暇つぶし方法を諸氏らに紹介するという企画だ。ついに本ブログの初稿から1年が経過し、思いの外長くベイエリアに滞在することになっている筆者の文章には、焦りの陰が見え隠れしている。


この映画の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①比較的満足度の高い暇つぶし
概して30代独身日本式サラリーマンの休日は暇だ。いろいろと予定を入れたり、家の事をしたとしても、ふと気が付くと“夕飯まで何をしよう”となる。非道いときは朝起きてすぐに“今日は寝るまで何をしよう”と思うことすらある。映画鑑賞は、前者の『夕飯までの2~3時間』などの暇つぶしにぴったりだ。そんなとき懐古主義が芽生え始めている30代独身日本式サラリーマンは、ユーチューブで昔見たバラエティ番組などを観て過ごしがちだ。しかし一生懸命の芸人さん達には申し訳ないが、観ているときは笑えるものの、観終わった後に何かそこはかとない虚しさを感じる。その点、昔の日本映画は小説の読後感のような達成感があり、『今日は比較的有意義に時間を潰した』という錯覚が得られる。


②にっぽんぱらだいす
喜劇映画監督の前田陽一という方の初作品ということだ。戦後から売春禁止法までの時代の流れに飲まれていく売春婦たち、業者、客のドラマを軽快に明るく描いた映画であり、特に目立ったハラハラやドキドキがないのに何故かとても面白い。社会の陰とも呼べる部分が、糾弾するでもなく、礼賛するでもなく、ほのぼのと、そして真面目に描かれている。小津安二郎さんの映画もそうだが、「ここで観客をドキドキさせよう、ハラハラさせよう」などという露骨な演出がないところが、だらだら見るには丁度よく、気分がいいのかも知れない。演出家の狙いに併せて心を動かす必要がない。


③誰も見ていない映画を観る
立派な一つの映画作品である“にっぽんぱらだいす”のユーチューブ動画は、世界中でまだ5千人足らずの人しか観ていない。コメントは0件だ。おそらく、30代独身日本式サラリーマンでこの映画を観たことのあるのは、筆者と日本映画研究家のような人くらいであろう。この映画以外にも、ユーチューブには昭和初期・中期のマイナーっぽい映画が沢山あるので、“今この映画を観ているのは、地球上で自分1人だろう”という大したことない浪漫や、“いつかこの映画の唯一の生き証人になるかも知れない”というどうでもいい責任の重さを勝手に感じながら暇を潰すのはなかなかに快感だ。


 著作権やプライバシーなどと問題は山積しているが、本来であれば存在が忘れられるはずのもと出会える、忘れられそうなものを世界に向けて残すことができるのは、ユーチューブの功績のひとつであろう。世界中のマイノリティたちの、しかも時間を超えた大きな発信手段、受信手段となっている。今やネットを通じてあらゆるマイノリティが繋がりを持てるようになっているのに、小さな教室内のイジメに合うことで命を絶つ少年が後を絶たない。クラスで一人ぼっちだって、ネットには同じ趣向の仲間がいる。同じ境遇の人がいる。彼らは君を助けるために教室まで行くことはできないが、いつだって君の味方なのだ。ただし、ここは30代独身日本式サラリーマンのための場所なので、10代そこそこのいじめられっ子は受け付けていません。30代独身日本式サラリーマンになるまで生きて下さい。

マリーナ・スーパーマーケットで手に入るなかなかに美味いインスタントラーメン

2017-07-22 11:33:02 | 食材
マリーナ・スーパーマーケットで手に入るなかなかに美味いインスタントラーメンとは、筆者がマリーナ・スーパーマーケットで新たに発見した、なかなかに美味いインスタントラーメンだ。30代日本式独身サラリーマンの強い味方であるインスタントラーメンについては、以前から『生麺皇 扇貝海鮮味 粗』、『五木のラーメン』、『統一腸粉シャイニーズオニオン味』、『公仔麺 麻油』などを推薦してきた。以降もアジア系のスーパーマーケットを訪れる度に実験的に新種を買い求めてきたが、なかなか上記の逸品を超える品物には出くわさず、がっかりするばかりであった。しかし上記ラーメンのローテーションではちょっと物足りなくなってきている諸氏のために、次点としてお勧めできる品々を紹介しよう、という企画だ。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい


①マリーナ・スーパーマーケットについて
中華系スーパーのマリーナは、以前は店内が暗くて品揃えも99ランチの方が充実しているように思えていたが、最近になって再訪すると雰囲気が変わっていた。照明が明るく日本製の生活用品の品ぞろえが豊富になり、ハイ・ソサイエティ感が出てきていた。特に日本酒・焼酎コーナーは、まるで「あれれ、ここニジヤだっけな」と見まがうような品揃えだったので是非立ち寄りたい。


②MAMA社(媽媽社)Bean Thread Clear Soup
タイのインスタントラーメン大手のMAMA社(媽媽社)による商品。緑の袋にはタイ語の読めない文字がずらりと並び、野菜が載ったあっさり風ラーメンの写真がはられている。このラーメンの麺は春雨麺であり、体型が気になる独身日本式サラリーマンには嬉しい。薄く透き通ったスープは塩ニンニク味、かなりニンニクが強い。量が少なく具なしでは腹6分程度で収まってしまうので、夜食やおやつなどに適しているかも知れない。


③味王社 肉骨茶素食麺 正宗馬来西亜風味 
台北を本社にする味王社の商品で、マレーシアの薬膳鍋料理の肉骨茶(バクテー)のスープをインスタントラーメンで再現した意欲作である。粉体とペーストの二つのスープの素があり、肉骨茶特有の褐色の漢方臭の強い味はペーストの方で作られるので、苦手な人はペーストを少な目にするといい。一口目二口目はやはり漢方臭が強くて違和感があるが、麺のツルツル感とマッチしてだんだん止められなくなってくる魅惑の味だ。


④統一社 齋米粉 インスタントベジタリアン
ベトナムの統一社による商品は、ビーフン麺を使用したベジタリアンスープのインスタントラーメンだ。装丁の写真にもニンジン、エノキ、シイタケ等の野菜のみで彩られたラーメンが載っており、右上には統一社のロゴである“蓮の花の上に卍”マークが飾られている。こいつは純粋な塩ラーメン味で、使用料を考えなくてはいけないペースト状のスープの素もない。スープには野菜の味もうっすら優しく入っておりかなり食べやすい。


 ベイエリア30代日本式サラリーマン諸氏の中で、筆者が以前紹介したインスタントラーメンをまだ試していない人がいるならば、迷わずそちらから手を出してほしい。今回紹介した商品はあくまで二軍(ファーム)に分類される。当ブログにネタ切れ感が出てきたために登板機会が巡ってきたとお考えください。そう、燻っているベイエリア30代独身日本式サラリーマンよ、たとえ今は二軍でも、真面目に生きていればいつかは会社もネタが切れ、こっちにも登板機会が廻ってくるので、決して腐ることなく、でも猛ダッシュせず、等身大の力で毎日を生きていこう。よって健康のために、インスタントラーメンはできるだけ控えよう。

ざる饂飩

2017-07-14 21:23:11 | 食材
 ざる饂飩は、茹でたての饂飩を冷水で冷やし、水をよく切ったものを、出汁につけて薬味と一緒に食べるものを言う。全く暑くないベイエリアの7月であっても、かつては毎年のプール開きを待ちわびていたこのシーズンの到来に、30代日本式独身サラリーマンは本能的に“涼”を求めてしまう。そんなときには冷やし中華・ざるそばなどの夏の麺メニューがぴったりなのだが、このベイエリアではざる饂飩が最もよいというのが筆者の主観であり、今回の内容だ。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

①そばの違いが分かる30代独身日本式サラリーマン
ニジヤやその他のアジアスーパーでは、結構な種類のそばや饂飩の乾麺が売られているが、そばよりも饂飩の方がよい。グルメ通の30代日本式独身サラリーマンは、日本での駅前・駅ナカの立ち食いそば屋、一期一会の客を対象にした観光地にある古民家っぽい作りのあまり美味くないそば屋、東北や信州などの本格老舗のそば屋などの様々な経験を通じて、美味しいそばとそうでないそばをよく知っている。そのため求められるそばのハードルは非常に高いのに対して、ざる饂飩はあまり違いを認識しない。ツルツル感とコシさえあればそれなりに美味しい。だから饂飩の方が喜べる可能性が高いのだ。

②麺を茹でる
だいたい売られている乾麺は、紙の帯で一食分毎に束ねられている。食欲旺盛な30代独身日本式サラリーマンなどは、1.5~2束がちょうどよいだろう。グラグラと煮立たせた大きな鍋にそれをぶち込んで、記載してある時間を目安に茹でる。そばと違って火の通りがよくないので、1、2分程度時間がずれても食感に大差がないところも、ずぼらな諸氏に合っている。茹で上がればシンクの中でザルに落とし、水道水でよく洗って万遍なく熱を逃がしてやる。その後ラーメン屋のモノマネの要領でよく水を切り、小指以外の4本の指でつまむように小分けにして皿にに盛る。


③めんつゆ
ニジヤに売っている。チューブ入り生姜とネギのみじん切りを薬味にしよう。通はミョウガや大葉を刻んでもいいだろう。わさびもいい。


④酒と共に味わう
ツヤのある饂飩をしょっぱい麺つゆにつけて、ツルツルツルっと吸い込んで飲み込んで、すぐにアサヒスーパードライをゴクゴクと飲み干せば、どこからか風鈴の音が聞こえてくるかのような夏を感じる。だんだんと薄くなる麺つゆの感じもどこか懐かしく、明日も仕事だというのに夏休み感が出てきて、ラジオ体操に行かなくてはいけないような気分になるのだ。

 このざる饂飩ネタはずいぶん前に書き上げていたものの、内容に何の面白みもないので投稿を躊躇していたが、今回は夏ということに合わせて無理やり夏ワードを散りばめて投稿しました。以前、紹介した日本食レストランの“馬車道”ではけっこうおいしい“冷やし中華”を食べることができるので、最後に紹介しておきます。アボカド入りです。

Pomfret

2017-07-13 22:31:44 | 食材
Pomfretとは魚の種類である。中華系やフィリピン系のスーパーマーケットの鮮魚コーナーには、いつでもこのPomfretが売られているので、米国では一定の水揚げ量がある一般的な食用の魚であることが推察される。しかし、いくら魚食に興味のあるベイエリア30代日本式独身サラリーマンにとっても、Pomfretは見た目が馴染みのない魚であるために、鯖や鯛などの目で見て判る魚に比べると、どうしても近づきにくい種の魚になってしまう。 そこで“もしも旨かったらMOTTAINAI”そんなポジティブな不安をモットーに魚食に取り組む筆者が、このPomfretを紹介しようというのが今回の企画なのだ。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①Pomfretとは
Pomfretのかたちは平べったく、正方形に近いひし形をしている。そしてそれは日本ではマナガツオという魚の種に分類されるということであった。マナガツオは、 “東の鮭、西のマナガツオ” と呼ばれるほど関西で獲れる魚であり、料亭などでもよく出される高級魚であるということだ。ただしウェブで見たマナガツオの写真とPomfretは、かたちは似ていても色味など異なる点がある。それに加えて筆者は(おそらく)マナガツオを食べたことがないので、それが同じかどうかも知らない。よって味などに関して責任はとれない。


②Pomfretの種類と値段
市場に出回るPomfretは、たいていゴールデンPomfretと、ブラックPomfretの二種だ。ゴールデンPomfretの方が大き目で、尾っぽの部分が黄色い。それに対してブラックPomfretはゴールデンPomfretよりも二回りほど小さく、手のひらサイズ。色は全体的に黒~灰色だ。値段はというと、ゴールデンPomfretが4~5ドル/ポンド、ブラックPomfretが10ドル/ポンド前後と、ブラックPomfretの方がはるかに高級扱いを受けている。ブラックPomfretの方が、日本のマナガツオに近いルックスである。日本の通販サイトでは、天然マナガツオが約5千円/キロで売られている。もし同じ味であるならこちらのPomfretの方がかなりお手頃価格だ。


③購入方法
料理不精な30代独身日本式サラリーマンは、活きの良さそうなPomfretを選んだら、お店の親父にステーキカットにしてもらうと良い。料理好きの30代独身日本式サラリーマンであるならば、内臓だけ取り除いてもらって自分で捌くのも一興だ。物好きらがマナガツオの捌き方をユーチューブに載せているので参考になる。


④煮るなり焼くなりして食べる
後は“煮るなり焼くなりして食べる”ことだ。マナガツオのレシピなどはネットの世界に行けば物好きが仰山紹介しているので、その中のどれかを選択するといいだろう。ゴールデンもブラックも、どちらも白身魚のあっさり味で、鯛やメバルなどが好きな諸氏には受け入れられる。ただゴールデンの方はブリのように脂が載ったこってり感があり、ブラックの方がやや筋肉質だ。どちらも骨から身が簡単に離れて食べやすい。個人的には煮た方が美味い。



 Pomfret以外にも、中華系スーパーやフィリピンスーパーにはいろいろな魚が売られている。深海魚のようなボテっとした不味そうな魚も多いが、売られているということは食べている人がいるということ、食べているという人がいるということは旨いと思っている人がいるということ。だからそれを食べてみる。たったそれだけのことで毎日がちょっと楽しくなるのだから、やってみない手はない。30代日本式独身サラリーマンは、残り人生40年程度、点滴生活にでもならない限りざっと4万回以上食事をする予定だ。乳離れして以来これまでも数万回程度の食事を経験してきたが、一体何種類の食材を胃袋に入れただろうか。機会があれば次の新たな一種類を、Pomfretにしてみてはいかがだろうか。