ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ウィルマンティック

2018-08-26 21:19:03 | 生活
 ウィルマンティックとは、コネチカット州東部の小さな町だ。とかく30代独身日本式サラリーマンはタモリに影響されやすく、彼の番組にあやかって街歩きの真似事をしてみたくもなるが、いざ実践してみるとそれを十分に楽しめないことがわかる。30代独身日本式サラリーマンはタモリほど地形や歴史に対する見識がないので発見が少ないし、タモリのようにおだててくれる取り巻きがおらず孤独で寂しい。それにタモリのように著名でないのでぶらっと食堂に入ってみても “あらタモリさん!” と店員に手放しでは歓迎されない。それでも暇な週末に知らない町に出かけたくなるのは、心のどこかで“今日こそ知らない町で、何かが起きるかも知れない”と期待しているのだろうか。先日はウィルマンティックに足を運んだ。


この町の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①街選び
街歩きを決行するには、まずどの町を歩くかを決める必要がある。所ジョージのようにダーツで決めるほどの胆力を持ち合わせないので、まずは愚かなグーグルマップで長屋近傍の町を彷徨う。そうすると何となく町が見つかる。幹線道路からは外れた山あいにあるにも関わらず、メインストリートには比較的多くの飲食店が並び、小さなミュージアムがあるこのウィルマンティックが目に付いた。だがそれほど興味があるわけではないので、これ以上はこの町を調べない。調べるとその少々の興味が失せる可能性があるからだ。火が消えないうちに車に乗り込む。



②アクセス
ハートフォード地区からは車で30分程度だ。6号線を東へ向かってもよいが、2号線から66号線へ入り北上する道は、山の中に気持ちのいい車道が整備されていて、農場の景色や山道の途中にある小さな村落の雰囲気を眺めながら運転ができる。



③メインストリート
メインストリートの西端に路上駐車し、東に向かって散策を開始する。通りはレンガ造りの古そうな建物が並ぶものの廃墟が多く、その合間にこじゃれたカフェやレストランが入っている。少し北に上がると大学があるので、平日の昼夜は学生諸君らがこれらのカフェなどを利用しているのだろうが、日曜の昼下がりは人通りが少なく、やや貧相な風体の男たちが腰をかけていたり、ジャンクフードを貪ったりしているのが目に付く。古い歴史がありそうな教会も趣きがあり、通り全体を歴史的地区として保全しようとする向きも見受けられる。



④鉄道と河川
メインストリートを歩いていると1900年初頭に建設されたという長い歩道鉄橋が南に延びていたので渡ってみることにした。鉄道と河川を越えて住宅地とダウンタウンを結んでいるのだそうだ。鉄道はダウンタウンに隣接して停車用の分岐線がずらりと並び、かつては鉄道輸送で発展した町であることが窺える。川の流れは非常に豊かで水が綺麗だが、鉄道用敷地で入れないはずの川辺にはゴミや酒瓶などが散乱しているのが橋の上から見て取れた。しばらく橋上でぼんやりと川面や街並みを眺めていたが、その間の橋の利用者は40代風の白人女性のみで、こちらのにこやかな笑いかけには目もくれずスタスタ通り過ぎて行った。



⑤蛙
再びメインストリートに戻りさらに東進すると、今度は車が通る立派な橋がある。この橋のたもとには割と大きな蛙の像が建てられている。石柱の上に鎮座し、後ろ足をだらしなく伸ばした蛙の目は金色で珍妙だ。正面から見るとバッタの様に見えなくもない。商店街で見た廃墟の壁に、“Frog town market”と描かれた消えかけたペイントも見たので、この町は蛙と何かの縁があるのだということがわかる。



⑥スーパー
メインストリートから北側の住宅エリアをうろついてみると教会の裏にスーパーがあった。ベイエリアではよく見かけるLGBTの旗が掲げられたこのスーパーは、オーガニック食品やローカルの食材などが多く売られる金持ち用のスーパーで、筆者は記念にカトー・コーナー・チーズを購入した。通りには割と貧相な人々が多く住居も簡素なものが多いようだったが、このようなお店もあるので山の方には富裕層が住むのだろうか。




このようにぶらりと観察しながら町を2時間ほど徘徊し、帰宅した後に旨いに決まっているカトー・コーナー・チーズを肴にビイルを飲みながら、散策中に感じたことを踏まえてウィルマンティックについて調べてみる。するとこの町の住民がフレンチ・インディアン戦争期に敵と間違えて蛙の大群に夜襲をかけたことや、豊かな河川の水力を利用して「生糸の町」として繁栄し衰退した歴史、2000年代初頭には「ヘロインの町」と言われるほどに荒廃してしまった過去を持つことなど楽しい史実が判明し、それが見てきた景色が繋がって楽しくお酒を呑むことができました。30代独身日本式サラリーマン諸氏も、ハイティーンは遥か昔で書はほとんど持っていないが、たまに町へ出よう。コスパのいい暇つぶしだと思います。

グリーンフォールポンド・キャンプグラウンド

2018-08-17 17:31:18 | 生活
 グリーンフォールポンド・キャンプグラウンドとは、コネチカット州ボランタウンにあるキャンプ場である。とある暇な土曜日の朝に筆者は決意し、ついに長屋を出て一人キャンプを敢行することにした。日本では一人で行うキャンプを“ソロキャンプ”と名付け、大人の遊びとして密かな流行になっているようだ。いろいろと調べたところ、40代一発屋芸人のヒロシこと斎藤健一さんが、自身のソロキャンプを撮影しYOUTUBEにアップするという試みを行っている。けっこう楽しそうだ。趣味はなく、休日はたいてい他人のブログを読んで時間を潰しているベイエリア30代独身日本式サラリーマンに、新たな遊びとそれに挑戦する勇気を与えるために、筆者は動いた。



このキャンプ場の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。




①アクセス
グリーンフォールポンド・キャンプグラウンドはコネチカット州の東端にある州営のキャンプ場だ。ハートフォード地区からは1時間ほどのドライブで行ける。だいたいコネチカット州自体が森だらけで、わざわざ遠くのキャンプ場に出かける必要を感じなかったこと、もしも孤独などに耐えられずに帰りたくなった場合に容易に帰れるような距離にしたかったこと、そしてアルコールの持込みが許されているキャンプ場をせっせと探した結果、この場所になったのだ。



②キャンプサイトの予約
キャンプ場の予約は“Reserveamerica”というサイトから行える。というよりそのサイト以外からの予約は難しい。見やすいサイトとは到底呼べないが、アメリカ中の公営・私営のキャンプ場の予約が、サイトのレイアウト地図、面積や日当たり等を確認しながらできるのでとても便利だ。サイトを選ぶアイコンにテントマークとキャンピングカーマークが出てくるが、テントキャンプの我々はどちらを選んでも構わない。一人キャンプなので家族らの賑わいにくじけないよう、できるだけ隅っこで、面積が小さいサイトを選ぶように心がける。予約が完了すると日時やサイト番号が付された確認メールが届く。




③グリーンフォールポンド・キャンプグラウンド
グリーンフォールポンド・キャンプグラウンドは森の中の砂利道を15分程車で走る奥深い場所にあり、携帯の電波が届かず確認メールが見られない。また小さなキャンプ場のため受付に係員が常駐しておらず、勝手に予約したサイトでテントを立てるシステムになっている。よってサイト番号を憶えておかないと面倒なことになる。筆者は森の中の砂利道を15分ほど車で戻りサイト番号を確認し、再び15分ほど砂利道を走る羽目になった。



④グリーンフォールポンド・キャンプグラウンド
グリーンフォールポンドと言う名の大きな池があり、子供らの水遊び、釣り、カヌー遊びなどを行えるレクリエーション施設になっていて、キャンプ場は池に隣接している。それぞれのサイト間は離れており、木々で囲まれているのである程度のプライバシーが確保されている。水道はないので飲料水は持ち込まなくてはならない。サイトには石が積まれた焚火場があり、ここで焚火をしたり調理を行ったりするが、バーベキュー用設備は何もない。筆者は“そんなこともあろうか”と用意していたレンガを焚火場内に積み上げて金網を載せ、調理場を設営した。また、実はアルコールの持込みは不可であることがわかったが、筆者は“そんなこともあろうか”と用意していた紙コップにこっそりとビールを注ぎ、空き缶はクーラーボックスに隠して飲酒を行った。キャンプ場の係員は一度だけやってきて、一人でキャンプしている怪しげな30代独身日本式サラリーマンに遠めの距離から氏名を尋ねたきりで、特に監視されることはなかった。これが大きなキャンプ場であれば1時間毎に見張りがやってくる可能性もあるので気を付けたい。




⑤サイト番号
筆者はサイト№11に宿泊した。小ぶりで一人キャンプに丁度よかったが、木漏れ日が強く、十分な日陰がなかった。特にこの日は炎天下であり、日中をのんびり読書に勤しもうと準備をしていた筆者は暑さに耐えられず、ついに車の中でクーラーを付けて過ごすことになった。今後のために他のサイトをぐるりと調査して歩いたが、どのサイトも日当たりは良好であった。強いて言うなら№8や№9には比較的日陰らしい日陰がありそうだ。ちなみにReserveamericaを確認するといずれのサイトも日陰の度合いは “Parcial” となっていた。




 さて、キャンプには思いの外たくさんの準備しなくてはいけない道具があって、普段はまるでひとりで生きているかのように感じている30代独身日本式サラリーマンは、自分が文明社会に支えられて生きていることに改めて気づく。トング1本を忘れただけで精神的ダメージは大きく、土壇場でトイレットペーパーを持ってきていないことに気が付いたときの孤独な焦りは普段の生活ではなかなか味わえない。だが20分も車を走らせればスーパーや酒屋、ホームデポがあるので、あまり神経質になる必要もない。それに孤独さは長屋に居るのと同程度なので、寂しくもなかった。ベイエリア30代独身日本式サラリーマン諸氏も、とりあえずReserveamericaで会員登録を済ませ、妄想を少しずつ現実に寄せていきましょう、長屋の中で現実が妄想に寄ってきてしまう前に。

鯵のなめろう

2018-08-12 11:27:10 | 食事
 
 鯵のなめろうとは、鯵を捌いた上に味噌・日本酒とネギ・シソ・ショウガ・ミョウガなどを乗せ、そのまままな板の上などで、包丁を使って粘り気が出るまで細かく叩いたものである(ウィキペディアより引用しています)。米国で青魚の旨い刺身にありつくのは容易ではない。ニジヤスーパーで売られている鯵の刺身は白っぽい脂身ばかりで味気なく、口の中に入れると残念な気持ちになる。筆者がまだベイエリア独身日本式サラリーマンであった頃に、ゴールデンゲート下の桟橋で鯵(のような魚)を大量に釣り上げるメキシコ人の動画を発見し、幾度か深夜や早朝にこっそりと釣りに挑戦したことがあったが、スピーカーから大音量でヒップホップを流す男女に邪魔されたり、“この桟橋から飛び降りたら幾らくれるか”などとメキシコ人風の若者に声を掛けられたりと不快な思い出ばかりが残っている。それに釣果は散々だったので、もう鯵のことは忘れようと思っていた。だが奇しくもニューイングランドで鯵に出会ったのだ。


ニューイングランドでの鯵のなめろうの特長は以下のとおりだ。参考にしてらいたい。



①鯵を入手する。
鯵はインドスーパーで手に入った。ロッキーヒル市にあるインドスーパー“アジア・グローサー”はハートフォード地区のインドスーパーの中でも大きな店舗であり、特に冷凍食品が充実している。この冷凍庫の中に“Mackerel”と表記されたおそらく鯵であろう魚を見つけたのだ。それは頭部内臓が取り除かれたものと、丸ごと冷凍されたものの二種類が、それぞれ買い物袋サイズのビニル袋に10尾程度が入った状態で大量に売られている。



②冷凍の鯵
果たしてこの手の冷凍の鯵を生食してもよいものだろうか。世に出回る刺身の多くは冷凍物であるし、アニサキスと呼ばれる生き物も氷点下では生きられないとのことであるから、冷凍物はむしろ安全であろうという楽観的な思いを抱いてしまう。だがインド人はこの鯵を絶対に生食しないだろうから、生食仕様ではないのは確かだ。日本でいうところの“刺身用でない魚”に分類されるかも知れず、それを思うと不安は尽きない。しかし世に伝わる毒キノコに関する知見は多くの犠牲の下にあることを考えれば、誰かがそれに挑戦しなくてはならない。そんな義務感を感じ、なめろうにすることにした。そしてわずかばかりのリスク管理として、ヒトの手に晒されずすぐに冷凍された(と期待できる)丸ごと冷凍された鯵を選択した。


③鯵を捌く
“鯵のなめろうが食べたいな”と思い立っても、思ったその日には食べることはできない。なぜならインドスーパーの冷凍庫の中で鯵の亡骸はカチンコチンになっていて、冷蔵庫でじっくりと解凍するのに最低24時間かかってしまうからだ。であるから“鯵のなめろうが食べたいな”と思う日の一日前を見計らって鯵を購入し、冷蔵庫に放り込まなければならない。そして鯵のなめろうが食べたくなる当日に、既にしんなりと柔らかくなった鯵を捌く。とはいえ長時間凍らされた鯵の肉体は水っぽく、包丁が上手く入らないので、捌くというより頭部と骨・内臓を無理やり毟ると言った方が適切な表現になる。そしてキッチンペーパーで水気を十分に吸い取ってやらねばならない。




④なめろうを食べる
冒頭に書いてある単純な調理法でなめろうを作り上げる。まな板の上の解体された鯵に薬味を加え、包丁でトントンと叩いていれば、やがて肉塊はミンチ状になり空気を含んで体積を増し、「ニチャニチャ」と音を立て始める。包丁にこびり付いた肉片を指でこそいで嘗めて粘度を確認し、丁度よいころに手を止める。それをどっかと皿に盛れば出来上がり。冷酒や焼酎、ビール、何でもござれのなめろう様だ。やはり質の良くない鯵であり旨味は少ないが、風味はほどほどに豊かで、“もう鯵のことは忘れよう”と心に決めていたニューイングランド30代独身日本式サラリーマンの乾いた心を潤すには十分な一品であった。腹を下すこともなかった。




 さて、鯵が発見されたことで筆者の世界は広がった。なめろう以外にも南蛮漬けや鯵フライなどに挑戦できるかも知れない。また、インドスーパーで鯵が大量に売らているということは、鯵を使ったインド料理があるということである。早速“indian cuisine mackerel”で検索したところ、予想のとおり鯵をカレー風のスープでで煮込む料理の動画が多く表れた。なかなか美味しそうであったので、これも挑戦してみたい。ただしカチンコチンの鯵は解凍に時間がかかり、“食べたい”と思った翌日でないと食べられないので気をつけたい。いつも“明日、鯵が食べたくなるかな”と考えながら、残り少ないニューイングランド30代独身日本式サラリーマン生活を生きていきたい。

ロジャーウィリアムス動物園

2018-08-01 16:03:34 | 生活
 ロジャーウィリアムス動物園は、ロードアイランド州にある動物園だ。多くの日本人にとってロードアイランド州はマイナー州だろう。若者の男女グループがコンパやキャンプ地などで行う古今東西ゲームで、米国51州を次々と挙げていったとしても、ロードアイランド州はたいてい誰からも口にされず、ゲームセット後の「えー、他にどんな州あったっけ」の確認雑談タイムでも登場できないまま終わりそうだ。そんなロードアイランド州にも動物園はあり、先日視察に赴いた。忘れてしまいたいことや、どうしようもない寂しさに、包まれたときに30代独身式サラリーマンは、動物園へ行くのでしょう。



この動物園の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①ロジャー・ウィリアムス
ロジャー・ウィリアムスとは人物の名前だ。なんでも現在のロードアイランド州都プロビデンス市の土地を、ネイティブアメリカンのナラガンセット族から購入・入植したことで、ロードアイランド州の創始者とされている人物なのだそうだ。入植地の政治運営に対して政教分離原則を唱え、信教の自由を定めた人として米国民の尊敬を集めており、ロードアイランド州では動物園の他にも公園、ミュージアム、大学、スタジアムなどの多くの施設に彼の名前が冠されているそうだ。



②ロジャーウィリアムス動物園
ロジャーウィリアムス動物園はゆっくり回ると全て見るのに3時間ほどかかる大きな動物園だ。どこの動物園にでも居るメジャーな生き物に加え、いくつかの珍しい動物たちとも出会うことができる。やはりどの動物も日本の動物園より大きなスペースを供与されており、小川や丘陵を模した自然に近いレイアウトがなされていたりと“入ってみたい檻づくり”が徹底されている。



③サキ
南米大陸に暮らす真っ黒な体に顔だけ白い“サキ”という名の奇妙なサルが2匹、ガラス張りの飼育小屋で暮らしている。彼らは何か疑問があるかのような表情を浮かべながらきょろきょろと周囲を見回し、長い手指を動かすのが愛らしい。だがこのサキ小屋の周辺では小児らが不要に騒ぐため、なかなかゆっくりと観察することはむつかしい。



③バビルサ
“自分の死を見つめる動物”バビルサはニンゲンに観察されることにストレスを感じているようで、ニンゲンから最も遠いところで尾を向けて寝転がって動かないため、まるでデコイのようだ。しかし牙はまだ短く、死を見つめるにはまだ早い、若いバビルサのようだ。


④その他
その他にも中国の高地で暮らす鹿なのか牛なのか判然としないターキンと言う名の動物や、ワツシという名の角が大きすぎる鹿、オオアリクイなどといった珍妙な動物に加え、日本からはタンチョウヅルとツキノワグマが遠くロードアイランドまでやってきて豪勢な檻で贅沢な暮らしをしている。コモドドラゴンやコスタリカのカラフルな鳥たちを飼育している屋内観察場付近の広場では生ビールが売られているので、腰を下ろして飲酒することも可能だ。また園内には大きな池があり、野鳥や凶暴な面をした亀などを見ながらのんびりと池の周囲を歩くのもハイキング気分で楽しい。だが残念なことにこの動物園には類人猿は居ない。




 世の中のたいていの動物園は回遊式で、順路のとおりに進めばぐるりと一周してゲートに戻ってくるシステムになっている。そのため30代独身日本式サラリーマンが家族連れで賑わう動物園を一定のペースで観覧すると、特定の家族どもと抜きつ抜かれつしながら回らざるを得ない。そうなるとその家族共に常に観察し続けられ、“あ、この人は一人で動物園に来ているのかな” 、 “あ、この人はオランウータンに異常な興味を示しているな” などと思われているのではないかと気になって動物観察に没頭できない。このようなストレスから解放されるために筆者が今回敢行した作戦は、『逆回り』だ。順路に逆らって回れば家族らとはただただすれ違うばかりで、共に歩く必要がない。悲しいことに30代独身日本式サラリーマンはヒトと一緒に歩くことよりすれ違うことに慣れているのだ。