ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ポイントレイズ国定海岸~灯台編~

2017-05-28 09:55:35 | 生活
 ポイントレイズ国定海岸はカリフォルニア州の国定海岸だ。アラメラ滝編~座礁船編と連続してお届けしてきたポイントレイズ国定海岸に関する記述も、さすがに今回が最後になるものと思われるので、よりいっそう力を入れて書いていきます。今回は国定海岸の北側を目指す。地図を見てもらうと判るように、海岸線は北へ向かうと大きく湾曲し、太平洋へ南西方向に突出した半島地形が形成されている。古来より、外敵の接近をいち早く察知するため、または船舶との連絡可能範囲を最大限に広げるためにニンゲンは半島の先端に物見櫓や灯台を築いてきた。また、ニンゲンはその他の動物と異なり、意味もなく一番高い場所や一番先っぽに立ちたいという欲望を持つ不思議な生物であり、筆者もその本能に抗うことができず、出かけたのであった。


この灯台周辺の特長は以下のとおりだ。参考にしてもいたい。



①先端までの道のり
座礁船ポイントレイズ号とソルト・ウォーター・オイスターバーの道をさらに北上し、“ライト・ハウス”と看板が示す方角へひた走るだけだ。トマレス湾に沿った道はやがて陸側へ逸れて森林地域となり、それを抜けると広大な低草地帯になる。強い潮風と乾いた土壌のために身長の高い植物が育たないために、このような低草地帯が形成されたと思われる。ニンゲンはこの広大な土地を肉牛・乳牛の飼育に利用しており、道の両側に大小様々の牛が生活していて、オーガニックな臭気が漂う。ここから灯台までが思いのほか長く、「まだか」「まだか」と何度も思うことになる。


②灯台
やっとこさ灯台の手前の駐車場に到着すると、まずは半島北面の直線的な砂浜の壮大な景色に驚かされる。これほど延々と続く海岸線を真横から見る経験は、日本ではなかなかできない。駐車場から灯台へ向かう道には何の標識もないので、ただただ本能のままに先端を目指して舗装された道を進む。灯台守たちの官舎などを通り過ぎるとついに先端付近に辿りつく。崖の上から眺める太平洋は気持ちがいい。ただ、肝心の灯台はその崖を下りる階段の下にあり、関係者以外は立ち入ることができなくなっている。ここはクジラの観察地点としても有名であるようで、クジラの骨などの展示がされており、山口県長門市のくじら資料館を思い出す。


③チムニーロック
灯台に辿りつくことができず、少しがっかりして帰路につくが、この半島は先端がT字になっている。つまりもう一つの先端があるのだ。それがチムニーロックだ。帰路の途中で右折してしばらく細い道を行くと再び駐車場となり、そこから片道20分程度のハイキングで先端を目指す。永遠のような水平線と共に、今度は半島南面の大きく浸食された大地、崖の下の小さな浜辺で休むアシカの一族、高山植物帯のような花畑など見どころいっぱいの遊歩道を楽しむことができ、そして『あ、ここが、まさに先っぽだ』と思える場所に立つことができるが、チムニー・ロック自体は隠岐の蝋燭岩と比べると大したことはない。また、筆者はこのチムニーロックで“今、私はカリフォルニアの西端に立っている”という密やかな感動を心に味わったが、帰宅して地図を見ると全然西端ではなかく、ぬか喜びであった。


 これまでの全4編を通じて、ポイントレイズ国定海岸の魅力を、ベイエリア日本式独身サラリーマン諸氏に余すところなく伝えることができたことを心から嬉しく思い、筆者の心には不思議な充実感で満たされている。ベイエリアからのアクセスがよく、日本では見ることが難しい大自然を簡単に味わうことができる。ミル・バレー付近には富裕層向けの宿やレストランなども充実しているので、日本から大切な人が訪れた際には1泊2日で遊んでも十分に楽しめる。もしもこのブログを読んで、本当に大切な人と訪れたいと思った諸氏がいれば、ちゃんとした情報コンテンツから正しい情報を得るようにして下さい。

瓶ビール

2017-05-27 12:09:09 | 食材
 瓶ビールとは、瓶に入れて販売されているビールのことだ。瓶ビールは日本の居酒屋などの宴会で、「さ、さ、部長、どうぞどうぞ」、「いや、すまんな」や、「〇〇君も一杯どうかね」などといった、“つぎつ、つがれつ”のコミュニケーション・ツールとして広く利用されている。また、「生ビールよりも瓶ビールの方が豊かな苦みが・・・」や「缶ビールは金属臭い・・・」などという違いの判る大人も少なからず存在するため、今日も瓶ビールは存在感を発揮している。こちら米国でも瓶でのみ販売されている銘柄が数多くあり、“永遠のビール党”のベイエリア30代独身日本式サラリーマン諸氏は、すでに夜毎試飲されているだろうが、今回はその中でも筆者が発見した飲みやすい瓶ビールを2銘柄紹介する。


紹介する瓶ビールの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①ミラー・ハイライフ
アメリカ有数のビールの産地であるウィスコンシン州のビールであり、1903年から販売されている伝統の味だ。ビールそのものの色が薄いうえに、透明の瓶、清涼飲料水のような蓋などの外観から、日本の大型酒チェーン店によくある安い白ぶどう酒のようなつくりで不安になるが、それもそのはず“シャンパン・ビール”というキャッチフレーズで売られているのだ。その細かい炭酸と、まるで水のような清らかな喉ごし、うっすらとした麦芽の後味が特徴で、食事の邪魔をしない。金属蓋は再度閉められるので、飲み切れなかった場合は蓋を閉じて冷蔵庫に入れられる優れものだが、残ったビールは何だか見た目が尿のようであまり再度飲む気がしない。アルコール度数は4.6%。


②ビクトリアビール
ビクトリアビールはメキシコ産のビールであり、その黄色いラベルから、同じくメキシコ産のパシフィコ・ビールと見間違えることがあるが、よく見るとラベルに王様の画が描かれている。メキシコでは小瓶も売られているが、米国では大瓶しか見かけないようだ。大瓶の首の部分が日本の瓶にように直線的ではなく、緩やかに膨らんでおり、胴体部はずいぶんと太く、ずっしりとした力強いフォルムは水牛のようだ。褐色のビールは、アンバービールとラガービールの相の子らしく、すっきりとした飲み口としっかりとした味が両立した素敵なビールだ。アルコール度数は6%。



 ベイエリアはすっかり日が長くなったし、気温も上がってきたのでビールシーズンの到来だ。30代日本式独身サラリーマンは、幼少時にJRの駅構内などの公共施設で、画鋲などでいたずらされた大坂正明容疑者のモノクロ写真を見た記憶があるだろう。ついにお縄となった大坂氏はもうすぐ刑務所に入り、その罪を償うまではビールを飲むことができなくなる。その罪と長い逃亡を償う期間を考えると死ぬまで飲めないかも知れない。非常にもったいない。ビールが飲めなくなるくらいなら、思想信条など捨てたほうがよい。30代独身日本式サラリーマン諸氏は、「お前は、ビールを捨てるか、それともその思想を捨てるか」と聞かれたときに、「うーん、じゃ、思想捨てますわ」と胸を張って言える程度の強い思想を持ってやんわりと生きていこうではありませんか。ビールには、その価値があります。

サボテン

2017-05-20 14:04:19 | 食材
 サボテンとは、サボテン科に属する多肉植物の総称だ。その何故か宇宙を想起させるような奇妙な造形は、ニンゲンに不思議な心象を与えるようで、鑑賞用にサボテンを植木鉢等で栽培する文化は今や世界中のどこでも見られる光景になっている。また、原産地の中南米の人々はサボテンを食用にも利用しており、当ブログではお馴染みのChavez Supermarketでも当たり前のように販売されている。今食べられる肴を何でも食べる“意識の高い”30代日本式独身サラリーマン諸氏らにとっては興味津々の食材であろう。という訳で今回は、サボテンを食べてみようという企画です。


この食材の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①入手方法
Chavez Supermarketでは、サボテンは野菜に分類されている。メキシコ人もそこまで沢山は食べないようで、少し探さないと見つけられないが、ビニル袋に、数枚の平たいサボテンが丸ごと入れられたもの、もしくは細かく賽の目切りにされた状態で売られており、決して高くない。せっかくなので丸ごとを購入したい。ちなみにトゲは取り除かれているので危険はない。


②調理方法と味 その1
30代独身日本式サラリーマンにも簡単に調理できるメニューをいくつか紹介しよう。ひとつめは“茹でる” だ グラグラと煮立った鍋にさっと通して、水で冷やし、細く切っるだけだ。かつお節や胡麻やポン酢などのお好みの調味料や薬味を付けていただく。サボテンの触感と味を直接楽しむことができるメニューだ。


③調理法 その2
細かく賽の目に切ったサボテンを、ホールフーズなどで購入したスープにどっさり投入して一緒に熱すると、サボテン入りスープが出来上がる。市販のスープの触感が劇的に変わってびっくりするだろう。


④調理法 その3
平たいサボテンをそのままフライパンで炒めてサボテンステーキの出来上がりだ。最も見た目が楽しい逸品で、ついつい写真を撮って友人や家族にメールしてまうだろう。軽く塩コショウを振るとなおいっそう美味しくいただける。




⑤サボテンの味・食感
味や食感に関してここで述べると、諸氏らの楽しみを奪うことになるので詳細は割愛するが、基本的にはそのヌルヌルプルプルが特長だ。いろいろと実験してみて欲しい。中南米の食材にはすっきりしたメキシコ産ビールがよく合う。


⑥効能
不規則かつ偏った食生活を送っているベイエリア30代日本式独身サラリーマン諸氏に、このサボテン食を薦めるのは、その味もさることながら、別の効能のためだ。そのヌルヌルプルプルが便通にすこぶるよろしいのだ。オクラ、ナメコ、モロヘイヤ、メカブといったヌルヌル食材とは異なり、腸内までヌルヌルが維持され、まるで滑り出るように肛門から便が排出される感触は、数年間腸内に残っていた宿便も一緒に掻き出されるかのようで、これまで億劫だったトイレに行くのが俄然楽しみになる。


 このサボテンの効能に驚き、すぐにネットで調べてみると、その効果はやはり日本でも密かに着目されており、さらには美容にもよいとされ、グリーンピーススナックでお馴染みの愛知県春日井市で栽培が行われているそうだ。ベイエリア30代日本式独身サラリーマン諸氏は、日本の婦女子共の間でやがて来るであろうサボテンブームに備えて様々な調理を研究し、帰国時の久々の決死の合コンなどの際にはその知識をひけらかし、ヌルヌルプルプルを楽しんでみてはどうだろうか。

ポイントレイズ国定海岸~座礁船とソルト・ウォーター・オイスターバー編~

2017-05-16 20:31:28 | 食事
 ポイントレイズ国定海岸はカリフォルニア州の国定海岸だ。アラメラ滝編に引き続いて、今回は“座礁船とソルト・ウォーター・オイスターバー編”をお届けする。荘厳なアラメラの滝を満喫した後は、程よい疲れが体にずしんと残る。しかし混雑を避けるべく随分な朝駆けをしたので日はまだ明るく、そのまま帰るのは勿体ない。そんなときの30代日本式の独身サラリーマンの喉はやたらと渇き、潤いを欲して酒場を探すことになる。そう、トレッキングの目的は自然を満喫することではなく、その後の旨い肴と酒を味わうことなのだ。最近はやたらと糖質を控え、腹筋を露わにすることが “意識が高い” などと持て囃されているが、人生は行楽であって修行ではない。今飲める旨い酒、今食べられる旨い肴をみすみす逃すことは寧ろ意識が低いと言わざるを得ない。それを知っている30代日本式独身サラリーマン諸氏に紹介するのがソルト・ウォーター・オイスターバーだ。


このお店の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①アクセス
アラメラ滝からボリナスの町を抜けて国道1号へ戻り、1号線を北上する。しばらく森の中を走り、ポイントレイズステーションという小さな町の手前で左折すると、トマレス湾を右手に眺めながら走る道になり、穏やかな湾と対岸の丘陵地帯の景色を対向車に気を付けながら楽しむことができる。そうして15分程度走れば小さな集落に着き、左手に2軒のレストランが並んでいる。そのうちの一軒が目的地だ。


②内装や外観などの雰囲気
この小さな集落周辺は、比較的高級なロッジやB&Bが集まっている場所であり、ソルト・ウォーター・オイスターバーの客の多くもそれらの宿泊客のようで、やや富裕層な匂いがする。我ら30代日本式独身サラリーマンだって富裕層の端くれではあるはずなので、勇気を持って覗いてみると、白を基調とした清潔感のある店内は、カジュアルな雰囲気が漂い、カウンターやテーブルには一人客もちらほらといるので安心できる。


③オイスターバー
ここで養殖された牡蠣の他にも3種の牡蠣が売られており、注文を受けてから捌いてくれる。1つから注文できるので、一人客には嬉しい。プルプルの生ガキとビールはハイキングで疲れた身体にどんどん吸い込まれていく。焼き牡蠣も3個から注文できる。白ワインでいただくといいだろう。その他にオーガニック系の食事メニューもある。


④座礁船ポイントレイズ号
すっかり気分が良くなったら支払いを済ませて座礁船を見に行こう。通りを挟んだ湾岸に木製の小さな船が座礁しており、今では町のモニュメントのような扱いを受け、観光客で賑わっている。その船首にはポイントレイズと書いてあり、この座礁船の名が土地の名前になったのかも知れない。傾いて半分砂で埋まっている小さな座礁船と青空と海と草花とのコントラストの景色は幻想的で、人生で一度も座礁船を見たことのない人にとっては一見の価値がある。


近場といってもベイ・エリアからは二時間弱のドライブになる。30代日本式独身芸人のガリガリガリクソンさんの件もあるので、ゆっくりと休み、酔いを十分に醒ましてから帰路につくことにしました。

オアハカ・チーズ

2017-05-03 21:53:20 | 食材
 オアハカ・チーズは、メキシコ系スーパーマーケットで手に入るチーズだ。30代日本式独身サラリーマン諸氏が、酒の肴を求めて米国のスーパーマーケットをうろうろしていると、当然のようにチーズコーナーで足が止まるだろう。チーズは味もさることながら、保存性がよいため少しずつ食べられるので、一人暮らしの一人酒には適した肴だ。それに米国のスーパーマーケットには様々な種類のチーズがある。特に幼年期の我々にとって憧れの存在であった、トムとジェリーのネズミの方が美味そうに頬張る、穴のあいたチーズなどが普通に売られているので嬉しい。そんなチーズの中でも今回は、メキシコ原産のオアハカ・チーズを諸氏に紹介しようという企画だ。


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①オアハカチーズ
オアハカとは、メキシコの山岳部の州の名前だ。このチーズの特長は『さけるチーズ』であるということだ。30代日本式独身サラリーマンは皆、さけるチーズが大好きで、夜遅くコンビニで弁当と缶ビールを購入する際にはついつい雪印のさけるチーズに手が伸びる。しかし雪印のさけるチーズは大人の親指ほどの大きさしかないため、少々物足りない。“人生で一度でいいから、裂こうか裂くまいか迷う必要もないくらい沢山の裂けるチーズを、思い切り頬張りたい”そう願ったことのある諸氏も少なくないはずだ。そんな夢を叶えてくれるのがオアハカ・チーズなのだ。


②入手方法
このチーズは以前にも紹介したメキシコ系スーパーマーケットのChavezで売られている。セビーチェやサルサが売られているデリコーナーに、まさに“ロング版雪印さけるチーズ”のようなオアハカ・チーズが量り売りされている。店員は親切なので、1/4ポンド注文すると1/2ポンド、1/2ポンド注文すると3/4ポンド入れてくれるので、必要な量よりも少なめに注文することだ。値段も雪印に比べると非常に安い。


③食べ方
インターネットの世界を覗いてみると、好事家たちによって『雪印さけるチーズはどのように食べると旨いのか』という議論や実験が数多く行われている。それを参考にしていろいろと試すには十分な量のさけるチーズが簡単に手に入るので、休日にすることのない30代独身日本式サラリーマン諸氏もいろいろと挑戦し、その道の権威を目指してみてはいかがか。ちなみに筆者はそのままムシャムシャと食べるのが好きだ。ワインやビールと合う。

最近、今村復興担当大臣が失言で辞職に追い込まれた。「愚かな人だな」とは思うが、彼のその問題の発言の前後を読むと、その発言が日本国民全員にテレビの前で頭を下げたうえ、辞職しなくてはならない程のものなのかどうかは筆者には判断がつかない。ただ、こんな陳腐な発言を嬉々として全国に知らしめることは、“権力の監視機構”などという大層な役割とは程遠いことは判断がつく。東北の人々には、悪意のない大臣の陳腐な発言を全国に垂れ流す人々の悪意にいちいち感情を煽られたりせずに、メキシコのチーズ職人のように淡々と毎日を生きていることを願うばかりだ。