ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

合味道~カップヌードル~

2017-08-23 23:22:31 | 食材
 合味道~カップヌードル~は、日清食品から発売されているカップラーメンである。日本国内ではインスタントラーメン界のリーディング・カンパニーとして認識されている日清食品であるが、北米地域ではそれほどの勢いは見られず、マルチャンや明星などに押され気味だ。日清食品を代表する商品と言ってよいカップ・ヌードルは、日本国内では2000年代にやたら平和を謳う地球規模のテレビCMを行っていたことなどから、てっきり世界企業だと思い込んでいた30代独身日本式サラリーマンも多いことだろう。であるがゆえ、かつて夜勤バイトの帰りにコンビニで買って食べたシーフード味やカレー味のカップヌードルが、この世界都市サンフランシスコですら手に入れることが難しいという意外な現状に例えようのない苛立ちを覚えているに違いない。しかし筆者は、合味道~カップヌードル~というカップ・ヌードルによく似た商品を、いつものマリーナ・スーパーマーケットで見つけたのでここで紹介する。そういう企画だ。

この商品の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①概要
合味道~カップヌードル~の形状は、日本のカップヌードルの1:1の相似形であるため、見ればすぐに判別できる。ラベル上には“香港製造”と目立つように強調されていることから、中国からの輸入品であることが見て取れる。筆者の調べによれば味は5種類ほどあり、そのうち筆者が試食した4種はどれも美味だ。以下にそれぞれの味について感想を述べるので、我慢して読み進めるといいだろう。


②蟹柳味
マゼンタ食のカップの蟹柳味は、醬油ベースに蟹の香りを強調させた、風味豊かな仕上りになっている。スパイスなどを極力抑え、蟹本来の香りを存分に楽しみたいというグルメな30代独身日本式サラリーマンにはぴったりのカップ・ヌードルだ。透明感のあるスープには安心感があり、あっさり味で夜食にもよい。ただし“柳”が何を意味するのかは不明である。


③黒胡椒蟹味
大胆にも“黒”のラベルを施した黒胡椒蟹味は、蟹柳味に大量のブラックペッパーを効かせたパンチの効いた一品だ。お湯を注いだ瞬間から、胡椒の香りがふんわりと漂い食欲を誘う。下着姿の30代独身日本式サラリーマンが、額の汗をぬぐいながら麺を豪快にすすり、「ふーっ」と息をつく画が目に浮かぶ、夏に相応しい逸品と言えよう。


④海鮮風味
筆者が日本製のシーフード味を期待したが故に、最初に手にした代物である。筆者の記憶によると、日本製シーフード味カップヌードルは帆立などの貝類の風味も合わさって、芳醇な香りを持つクリーミーなスープであったが、この合味道の海鮮味はその域には達していなかった。ただ、最も日本古来のカップヌードルに近い製品であるため、ノスタルジーを味わいたいおセンチ30代独身日本式サラリーマンにはお勧めだ。


⑤雛肉味
鶏肉とは無縁の黄緑色のラベルにも不安があり、経験上アジア系のチキン味を標榜するインスタントラーメンは、やたら塩だけが濃く、黄色がかかったスープばかりで筆者の心を悲しませるものばかりであったため、この商品はあくまで諸氏たちへ提供するネタだけのために購入したのだが、意外にも最も美味であった。優しい鶏ベースのスープに、ワカメの風味がふんわりとしており、生まれて初めてカップ麺のスープをレンゲを使って飲んだ。麺との相性もよく、誰も居ない部屋で「替え玉下さい!」と言いたくなるほどの上出来なカップ麺である。


 “山のてっぺんで食べるカップ麺は格別”。今や山登りにとって常識となっているこの考えは、“カップ麺は旨い”という厳然たる事実がベースになっているに違いない。決して『まずいものが旨くなる』のではなく、あくまで『普通に旨いものが、もっと旨くなる』だけだ。旨いものは、山の上でも海の底でも、孤独な部屋の中でも旨い。美味しいものを食べることさえできれば全人類は幸せだ。その他の辛いことにも何とか我慢できる。本来なら礼節を知るべき十分すぎるほど衣食が足りた人々は、我々をどんな世界に導くのだろうか。30代独身日本式サラリーマン諸氏はカップ麺でも啜りながら、孤独な部屋からまったり眺めていましょう。

マリア・レストラン

2017-08-21 23:46:32 | 食事
 マリア・レストランとは、サンマテオ市にあるエル・サルバドル料理のレストランだ。マリーナ・スーパーマーケットの鮮魚コーナーのおやじがエル・サルバドル人だったこと、エル・サルバドルビールが爽やかで飲みやすい味であったことから、エル・サルバドルに親しみを感じ始めた筆者が発見したレストランである。人口が一千万人に満たないエル・サルバドルからも、内戦などの影響からか米国に移り住んでいる人が少なからずいるようだ。“どうせメキシコ料理と大差ないだろうな”という覚悟を持ちながらお店へと向かったが、なかなかどうして30代独身日本式サラリーマンにお勧めできるお店であったので、ここで紹介しよう。


このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①アクセス・外観
マリア・レストランは、本ブログでもお馴染みのヒスパニック系スーパーマーケットであるチャペス・マーケットエリアのすぐ南側の通り沿いにある。この通りにはマリア・レストラン以外にもなかなかディープなお店が並んでおり、筆者の探求心を少しだけそそる。外観は、いかにも地域のヒスパニック人を対象にした食堂といた感じで、亜細亜人が入るにはやや勇気が要りそうだ。


②内装
店内は多くのメキシコ料理屋と同じように、入り口がある右側が注文コーナー、左側が食堂になっており、コロニアル調のアーチ柱で仕切られている。食堂内は明るく、タイルが貼られたカラフルなテーブルや、太陽の形の金属装飾などが飾られており、中米の雰囲気が醸し出されている。店員は親切で感じのいい人々だが、30代独身日本式サラリーマンが一人で食堂側に入ると、ヒスパニック系の客たちから珍しそうな視線を浴びる。だが、部屋には常にサッカー中継が流れているので、それを見ていれば不安はない。


③トルティーヤ・チップス
このお店の特長の1つが、付け出しで出てくるトルティーヤチップス用のサルサだ。通常のメキシカン料理ではトマト主体の赤くて辛いサルサであるが、このお店では豆で作った甘じょっぱい薄茶色のサルサであり、これが美味い。ビールと一緒に楽しく注文の品の到着を待つことができる。


④その他のメニュー
鳥や牛などのスープ料理が人気のようだ。これらは塩とたっぷりの野菜と肉の出汁だけで作られているようで、あっさりとしていて飽きない。また、少し高いがシーフードスープはミルク風味にエビ、ティラピア、カニ、かにかま、ムール貝などがふんだんに入っており満足できる逸品だ。スープ料理に併せて出てくる米はもち米のような粘性があり、これも美味しい。その他のメニューはメキシコ料理と見た目は同じであるものの、チーズやサワークリーム、アボカド等で不必要に彩られていないのでこってり感が少なく食べやすい。芋やバナナやトウモロコシなどを揚げたり蒸したりした、エル・サルバトルの郷土料理もあるので挑戦されたい。


⑤トルティーヤ
食事と一緒に出てくるトルティーヤは、5ミリほどの厚みがあり、全く持って無味なうえ食感もパサパサなので、楽しみ方がよく判らなかった。


 エルサルバドル。その美しい国名とはうらはらに、地震や火山の自然災害にたびたびみまわれ、歴史的にもクーデターの連続でなかなか政治的に安定できずにいる国のようだ。それでも日本よりも安全かも知れない。30代独身日本式サラリーマン諸氏は、やがて祖国近辺で起きる中日朝韓台を巻き込んだ紛争時の亡命先としての候補地にしておくために、今から足しげくマリア・レストランへ通い、コネクション作りに勤しんでも杞憂ではあるまい。コーヒーが美味いらしい。

イイダコ

2017-08-19 15:29:19 | 食材
 イイダコは、飯蛸と表記される蛸である。まさに食べるための蛸と古来から認識されている証左といえよう。蛸は、ベイエリアでは烏賊に比べて手に入りにくい食材であるが、25番通りの寿司レストラン『KAORI』のイイダコ唐揚げは筆者のお気に入りメニューでもあるように、全くもって手に入らない食材ではない。そしてご存知の通り、筆者の最近の注目スポットであるマリーナ・スーパーマーケットにも普通に売られていることが判明したので、これを“煮てやろう、焼いてやろう”というのが今回の企画だ。


この蛸の特長は烏賊のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①イイダコ
マリーナ・スーパーマーケットで、イイダコは氷が敷かれた広い鮮魚コーナーの左端に、エビと共に売られている。量り売りされており、無造作に置かれたおたまを使って上手にビニル袋に入れ、中のおやじに手渡すと、値札を付けてくれる。蛸は調理するとぐんぐんと縮むので、ずっしりと重みを感じて、『少し多いかな』と思うくらいの量を購入しよう。


②イイダコの下ごしらえ
忙しい30代独身日本式サラリーマンとしては、面倒な包丁使い等による下ごしらえはできるだけ避けたい。内臓や金色の目玉を取り除く人もいるようだが、残したまま調理しても別段問題ない。ただ、表面の汚れは落としておきたいので、塩で揉んでよく洗う必要はあるだろう。大量のイイダコを入れたボウルに手を入れ、ゴシゴシと洗ってやるのは魅惑の時間だ。



③煮る、そして食べる。
とにかく醬油と酒と砂糖と生姜でぐつぐつと煮ればよい。インターネットなどでは、大根や里芋などと一緒に煮ることが紹介されているが、蛸のみでも十分に満足できる。出汁に蛸の香りが染み出てなかなかの美味ではあるものの、蛸自体には烏賊ほどの旨味はなく、食感を楽しむおかずに相応しい。和からしやワサビなどに付けて食べるとパンチが効いており、焼酎のお湯割りやビイルなどと一緒に楽しむことができる。




思えば以前は、『タコ』とはしばしば相手を蔑む悪口として使われていた。筆者が幼少の頃も『うるさい、ターコ』などという悪口を使っていた記憶があるし、2003年には長州力氏が世に言うコラコラ問答にて故・橋本真也氏に対し、「うるさいこのタココラ!」と叫んだことを憶えている諸氏も少なくないであろう。しかし最近はめっきり聞かなくなった。調べてみると、ヤフー知恵袋にタコという悪口の意味を問う質問が投稿されるほどに、現在は廃れているようだ。よく考えると、“タコ!”は“金髪ブタ野郎”や“ハゲー!!”に比べていまいち意味が判り辛く、悪口としての効果は乏しい。いずれにせよ気が付かない間に言葉がどんどんと変化していくことには驚きだ。30代独身日本式サラリーマン諸氏も、気づかぬ間に死語を使わないよう、タコのような柔軟さを兼ね備えて毎日を過ごすといいだろう。

添福棲 Golden Wok

2017-08-05 16:06:27 | 食事
 添福棲~Golden Wok~は、サンマテオ市にある中華料理レストランである。本ブログでも度々登場する筆者御用達のスーパーマーケット、チャペス・スーパーマーケット界隈は、ヒスパニック色が強いエリアであるが、そこにひっそりと佇むチャイニーズレストランがこの添福棲~Golden Wok~だ。ここは、特に天津飯を食べることができるお店ということで、30代独身日本式サラリーマンにお勧めしたいお店である。実は天津飯は日本発祥の日本式中華料理であるため、米国の中華料理屋で食べることはできない。もちろん米式日本料理屋でもめったにお目に掛かれる代物ではない。


このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①お店の概要
お店はとても小さくて中の様子もよく見えないので、初めて入るときには少し勇気が必要だ。入ってみるとごく普通の食堂で、ロブスターなどが入れられた水槽の水音が淡々と流れる静かな店内になっている。また、入ってすぐ左にあるレジには、年代物の時計がかけられているのが特徴的だ。


②店員
小さなお店だが、一般的な中華系のレストランに比べるとホスピタリティがある。アウンサン・スー・チーさんをふっくらさせたような女性店員は英語が不自由だが、とても柔らかな笑顔で接してくれるし、穂波たまえと近藤春菜を足して割ったような女性店員は、明るくてサービスがいい。ホールを仕切る少し強面の女性店員も、実はいい人で少し日本語をしゃべる。


③天津飯
天津飯は、“ビーフ ウィズ スクランブルエッグ”という名で売られている。諸氏らの気を惹くためについ“天津飯”と言ってしまったが、卵とじご飯に近い。牛肉とネギが入ったふわふわの玉子が白ご飯(2合くらいある)の上に豪快に盛られた料理だ。筆者はそのたまごのふわふわ感と、ネギの風味に感動を憶え、何故か天津飯を思い出した。そして二度目の来店時にはビーフをエビに替えてもらうことに成功し、より天津飯に近づけることに成功したのだ。味がしつこくないため飽きが来ず、どんどん胃の中に放り込める。


④天津飯以外の商品
天津飯以外の商品もまた美味いことが判明しつつある。特に小籠包をお勧めする。調理にやや時間がかかるのが難点だが、肉汁がしっかりと出ており、箸で静かにつまむと包(パオ)がまるで老婆の乳房のごとく垂れ下がるほどだ。


 筆者による入念な調査の結果、“ビーフ ウィズ スクランブルエッグ”というメニューは他の中華料理屋にもあることが判明した。そこで研究熱心な筆者は、複数の中華食堂へ足を運び同メニューを注文してみたが、ふわふわであるべきたまごが“Well done”どころか“Too much done”のものが目立ち、がっかり感があった。かくして『添福棲 Golden Wok』の“ビーフ(もしくはエビ)ウィズ スクランブルエッグ”はなかなかどうして上等な逸品であることが判明したのだ。改めてニンゲンとは最初の経験に左右される生き物であることが判る。もしも筆者が他のお店で初めてビーフ ウィズ スクランブルエッグを食べていたならば、二度と注文していなかたっただろう。諸氏らには、“添福棲のビーフ(もしくはエビ) ウィズ スクランブルエッグ”をお勧めします。念のため、天津飯とは違います。