ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ディープエディ・ウォッカ

2019-04-27 21:31:00 | 食材
 ディープエディ・ウォッカとは、テキサス産のウォッカの銘柄だ。五反田の居酒屋“多吉”にて“チューハイ”を飲み、そのすっきりとした味わいとうっすらと感じられる男臭さに、『チューハイも悪くないな』と思ったのだった。春のコネチカットは日本と同じように時折しとしとと雨が降る。それは若葉・新芽を育む生物にとっては恵みであろうが、30代独身日本式サラリーマンの週末の長屋は雨雲の所為で薄暗く、黴菌に目を付けられそうなくらいじめじめしており、何かスカっとした飲み物が欲しくなる。なので酒屋へ向かった。



ディープエディ・ウォッカの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①チューハイ
チューハイは酎ハイ、つまり焼酎ハイボールの略であると理解していたが、万一のためにウィキペディアで確かめたところ、その理解で良かったようだ。だが現在では焼酎よりも安価なウォッカがベースになっている場合が多いということなので、目下慢性的な焼酎不足に悩まされているコネチカット州でも簡単にチューハイを作ることができるということが分ったのだ。



②ディープエディ・ウォッカ
ウォッカは米国人にとても好まれているようで、酒屋には非常に多くの種類のウォッカが売られている。そのため好みの物を見つけるのはたいへん困難だ。絞り込みのために筆者は、まずは初心者向けのフルーツ入りのウォッカを購入しようと決めて酒場を練り歩き、このディープエディ・ウォッカを手に取った。桟橋に腰を掛けた水着の女性がつま先を水面につける夏らしい図柄が、いかにもすっきりと飲めそうな雰囲気であり、何より米国テキサス産オースティン産のウォッカということで心がときめいた。レモン、ピンクグレープ、オレンジ、グランベリーなどの加えられた果実によっていくつかの種類があり、ディープエディ・ウォッカの瓶が並ぶ棚はいろどりが鮮やかだ。


③テキサス州オースティンア産ウォッカ
オースティン産ウォッカについて少し調べてみたところ、その歴史は新しく初めて生産されたのは1997年とのことで、トウモロコシを原材料とした甘みのあるウォッカがTITO社によって販売されたのをきっかけに、オースティンでは多くのウォッカ会社が設立され始めたとのことだ。極寒のロシアやポーランドで細々と飲み伝えられてきたウォッカが、ロシア革命の亡命者によって西欧諸国に伝わり、ついには夏には気温が40度近くになるオースティンで生産されるようになったのだから、コサック兵の家族もさぞやびっくりしていることだろう。


④ディープエディ・ウォッカ ピンクグレープ味(ルビーレッド)
筆者はレモン味とオレンジ味、そしてこのピンクグレープフルーツ味を試したが、ピンクグレープフルーツ味が最高だ。30代独身日本式サラリーマンの部屋に必ずある誰かの結婚披露宴でもらった使いようのないガラスのコップに氷をたっぷりと入れ、それの9.5割分に炭酸水を入れる。そして残りの5%にディープエディを注ぎ込むと、注がれた涼し気なピンクの液体は幕が下りるようにゆっくりと広がっていき、細やかな炭酸の泡とすれ違う。その様を見ているだけで気持ちがよく、それをぐいと飲み干せば、グレープフルーツの酸味・甘み・苦みが絶妙にアルコールとシンクロし心地よく酔っ払う。




 ついこの前までは幻の麦焼酎“TONBO”を珍重し、品薄になるのを警戒して『今後毎週これを購入することになるから、心しておくように』と丁寧な英語で店員の言明しておいたにも関わらず、最近はめっきりこのディープエディ・ウォッカ ピンクグレープ味を買い求める。店員はきっと「この30代独身日本式サラリーマン、さては趣向を変えたな」などと思っているに違いない。だがヒトの趣向はいつも変化しているのだから、昔の自分と今の自分がまるで違っていても恥ずかしいことではない。さて筆者は先日日本からアメリカの便で、ラズウェル細木先生の“酒の細道”をニヤニヤと読みふけっていたところ、ふと隣を見ると30代サラリーマン風の男性が非常に高尚な本を真剣に読んでおり、これはさすがに恥ずかしかった。

五星超級市場で入手した惣菜

2019-04-21 14:11:23 | 食材
 五星超級市場で入手した惣菜とは、筆者が五星超級市場の惣菜コーナーで買い求めた惣菜のことだ。亜東超級市場であっという間に品切れになった葉提菩ラーメンを求めて、近辺のアジア系市場を丹念に調べた結果見つけたのがこの五星超級市場であり、そこには亜東超級市場にはない魅力的な惣菜コーナーがあったのだ。コネチカットの長く厳しい冬に抑えられてきた生物は、空気の温もりを感じた途端に一斉に活動を開始する。筆者もまた冬眠を終えた野豚のように食欲が止まらない。星超級市場の棚に残っていた30食入りの葉提菩ラーメンBOXを二つとも小脇に抱えた後に、惣菜コーナーへと向かった。



ここの惣菜の特長は以下のとおりだ。参考にして貰いたい。


①五星超級市場アクセス
五星超級市場はCharter Oak Marketplaceというハートフォード市の西の外れに位置する商業エリア内に入っている。この商業エリアは結構大きく、ウォルマートや1ドルショップ、ハンバーガーのお店やファッションのお店などが入っている。ダウンタウン地区に近いことと、大き目のバス停が施設入り口にあることなどから比較的貧しい人々にとってもアクセスしやすい場所になっているようだ。薄汚い風体の人が歩いていたり、駐車場には今にも壊れそうな車も多く見られる。同じように薄汚い恰好をしていても、充実した食生活をしていることが見た目ですぐにバレてしまう30代独身日本式サラリーマンは小金持ちに見えるので行く度に店の前で待ち構える物乞いに声を掛けられる。


②五星超級市場
五星超級市場もまたベトナム系の食材を主体としたスーパーマーケットであり、置いてある品物は亜東超級市場と大差はない。店内は狭苦しいので亜東超級市場のようにカートに食材をパンパンに入れて買うスタイルというよりは買い物かごにその日必要なモノを買うスタイルだ。なので野菜は亜東よりも小分けにして売られている。


③イカの丸煮
最初に惣菜コーナーで筆者の好奇心を惹き寄せたのがこのイカの丸煮だ。金属トレイの中にパンパンに張ったプリプリボディのイカが身を寄せ合って売られている。身は煮込んだソースの所為で黄色く、ちょうど大根のような太さで、さらにちょうど大根の半分くらいの長さの大き目のイカであり、初見では何か判らなかった。“たぶんイカだ”と思いながらも半信半疑でしばらくそれを見つめていたが、トレイの振動とともにプルプルと震える弾力のある様などから、“きっとイカだ”と思い購入した。注文すると惣菜コーナーの中年女性がそのイカを細かく刻んでプラスチック容器に入れ、重さに応じた値札ラベルを貼ってくれる。値札シールに“イカ”と書いてあったので“やはりイカだった”とすぐに安心することができた。黄色いのは表面だけで中は真っ白だ。これが旨い。黄色いソースは塩と油とほのかにアジアンテイストな風味がするだけの淡泊なもので、イカの味・食感を邪魔せずに嬉しい。足・ボディー・頭部で異なる食感を味わえるのが楽しい上等なおつまみだ。



④モツ煮込み
さらに筆者の心を鷲掴んだのがイカの丸煮の隣のトレイにあったモツ煮込みだ。豚の胃袋と豚肉のカスが、パクチー、ネギ、ハラペーニョなどのスパイス系の野菜と一緒に煮込まれている。これもまた薄味の醬油ベースで日本人にも食べやすく、臭みもない。上等なおつまみであり、毎日の食生活に楽しみが増える。中年女性が貼ってくれた値札ラベルにはPhá lấu銘打たれており、調べたことろ中国南部を起源とするベトナム料理とのことであった。



⑤ベトナムソーセージ
惣菜メニューは不定期に変わるようで、再度来店したときには上記の2つはなくガッカリした。代わりに大きな大便の様にとぐろを巻いたソーセージを勇気を出して買い求めたのだが、これがまた美味だったのだ。薄くスライスしてレンジでチンをすると数秒でジュージューと音を立てる。それをおそるおそる口に入れると生姜とニンニク。そしてパクチーの味が効いており、ビールがすすむすすむ。



 市民の退屈な毎日を刺激するニュースが少ないせいで、石野卓球のような人がすっかりお茶の間の有名人になってしまった。“作品に罪はない”などとして電気グルーヴの作品の配信・出荷停止に抗議する運動も盛り上がっている。同じような騒動で今回の電気グルーヴなどとは比べ物にならないほどマスコミからの吊し上げを受け、今では行方も分からない佐村河内守さんのときにもCDの出荷停止・回収の事態になったが、誰もそれに疑問を唱えなかった。「クスリをやっていることと作品の価値は独立だ」、「その人と作品は切り離して扱うべきだと思う」とという意見に納得しつつ、「聴覚障碍者が作曲したから感動する」という矛盾からニンゲンは逃れられない。

シュー

2019-04-15 12:35:07 | 食事
 シューはウエストハートフォード市にある中華料理レストランだ。概してハートフォード地区の中華料理レストランには面白みがない。北京・広東・湖南や四川といった分類で営業されているレストランはまず見られず、どこへ行ってもエッグフーヤンやビーフ&ブロッコリーといったアメリカンチャイニーズ料理ばかり、且つテイクアウト主体のお店が多く、点心のお店やサンマテオの北京麺喰館のような水餃子が美味い店などとは出会うことはない。世界中に根をはってしぶとく生活する中華の人々も、このハートフォード地区にはそれほど土着してきていないようだ。だがシューはハートフォードのさみしい中華料理界でも特長を見せており、訪れて楽しい食堂のひとつであったので、ここで紹介します。


このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①アクセス・外観・お店の名前
シューは英語表記ではSHU、中国語表記では“蜀居”と書かれる。四川省の成都を都とした蜀の国を冠していることは明らかで、本格的な四川料理が味わえることをうかがわせる。場所は亜東超級市場の隣だ。ガラス張りの窓にシックな木製の外壁をあつらえた割と高級感のある外観は、亜東超級市場をはじめとしてコインランドリーや酒屋など小汚い店舗ばかりが入るこの建屋の中で際立ってお洒落だ。だが中の様子が見えにくく、OPENの表示も目立たないので行く度に“あ、しまってる”と思ってしまう。


②お店の中
お店の中もまた高級感を出そうとしている様子がある。店員は総じて槐色のシャツを着て統一感を保ち、テーブルには布製のカバーが施される正式な中華料理店の風貌がある。



③30代独身日本式サラリーマンとシュー
上記の様に高級感のある中華調理屋で、基本的には3人以上の客で取り分けながら食事を楽しむシステムなので30代独身日本式サラリーマンが一人で来店するには不向きである。ディナータイムに訪ねればきっと一人客は他に見られず、メニューの辛さ以上に辛い思いをするだろう。筆者はいつもランチタイムを見計らって来店する。ランチタイムは客もややまばらで、一人客でも“待ってました”といった態度で槐色のシャツ店員に迎えてもらえる。


④細切れ豚肉と野菜漬物の米麺ラーメン
ランチタイムでの食事にまずお勧めなのがこの“Shredded Chicken and Pickled Vegetable Rice Noodle Soup”、つまり“細切れ豚肉と野菜漬物の米麺ラーメン”である。醬油ベースのスープに葉物野菜の漬物の酸味が絶妙に絡み合い、それとボリューミーな豚肉細切れの風味と歯ごたえが重なることで爽やか且つ濃厚で満足のいく一品に仕上がっている。米製の面は口中でよく滑り、軽い口当たりですいすいと胃袋に吸い込まれていく。“あ、身体に酢が足りてないな”と思うことがよくある30代独身日本式サラリーマンにとって脳の中枢がほどよく刺激されるエロティックなラーメンだ。二日酔いの日などにも嬉しい。



⑤煮込み牛肉の辛みスープラーメン
スタミを回復したいときには何といってもこのBraised Beef Noodle Soupだ。真っ赤なスープに牛バラ肉の塊がドカドカ浮いた地獄のようなラーメンで、牛の脂分でスープの表面はテカテカしている。スープは大蒜が効いた醬油ベースに辛い醤を加えたものだが見た目ほどの辛さはなく、飲み干せる程度の優しい濃度で、食欲を促進するのにちょうどよい辛みだ。それに煮込まれてホロホロになった牛肉は柔らかで嬉しい。麦製麺はコシがあって食べ甲斐がある。汗をかきつつ青島ビールで口内の刺激を和らげながら一気にいただくと幸せを感じる。


 シューへ行くと必ずこのどちらかのラーメンを注文してしまう。だがここは他にも成都式の小皿料理と銘打ったつまみメニューや、豚モツ牛モツや兎肉を使った前菜料理、それに我らが四川麻婆豆腐などと30代独身日本式サラリーマン心を刺激するメニューが散見される。それでもランチタイムに一人で宴会する雰囲気でもないし、ディナータイムは一人では到底入りづらいので、どうしても及び腰になる。近いうちにテイクアウトを試みて四川料理を長屋へ持ち込み、コーエーの三国志の自プレイをYOUTUBEにアップしている物好きな人の覇権闘争模様を見ながら一人宴会を開催する計画なので、報告を待たれたし。

追記:
勇気を出して3つ目のラーメンを頼んだところ、まさにこれがベストラーメンであった。言うなればチンジャオロースラーメン。
これが一番おすすめですよ。



奈良健康ランド

2019-04-12 17:38:22 | 生活
 奈良健康ランドとは、奈良県天理市にある健康ランドである。30代独身日本式駐在員の貴重な一時帰国休暇中は、宿泊もまたひとつのレジャーであり、大手ホテルチェーンに泊まるのでは面白みがなく、部屋での寝酒も旨くないというものだ。前回宿泊したホテル・ニュー・松ヶ枝のような隠れた名店を探すのも好いが、今回は天理市を探訪したついでに関西人なら誰でも知っているあのメロディでお馴染みの、奈良健康ランドに宿泊してみることにした。酒場の話のネタにもなるし、大浴場も堪能できるし、あわよくば大衆演劇を愉しみながら一杯・・などと想像を膨らませながら現地へ向かった。


この施設の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①アクセス
奈良健康ランドは最も近い鉄道駅からも1キロほど離れており、天理駅などからシャトルバスが出ている。だが筆者は暇つぶしや運動を兼ねて、駅から歩いてみることにした。天理の町から近鉄天理線に乗り込み、二階堂とうい名の駅で降りる。そして県道193号線をテクテクと南下するという経路をとった。この道はただでさえ道幅が狭いうえ、両側に隙間なく並ぶ住居には前庭が無く、玄関や門がそのまま道に面していて圧迫感がある。なかには古い土蔵作りの家も見られるので、かつての街道・宿場町などであったのかも知れない。天理斑鳩線をまたぐと住居の間隔はまばらになり、右側には田畑が広がる長閑な風景が見られ、しばらく行くと健康ランドに到着する。


②健康ランド
さて、健康ランドと呼ばれる大浴場施設は奈良県だけでなく全国に見られるが、その歴史は1955年に千葉県船橋市に登場した“船橋ヘルスセンター”から始まるそうだ(現ららぽーと)。これは中高年層の利用を主眼においた傾向の施設であったとのこと。1980年代以降にそれがファミリー層を対象にしたプール等の娯楽施設を併せ持つ施設に変質し、今の“健康ランド”と呼ばれるものになったらしい。以上はウィキペディアの情報を鵜呑みにしたものだ。


③奈良プラザホテル
奈良健康ランドには奈良プラザホテルという名のホテルが隣接している。ホテルの宿泊料金に奈良健康ランドの入場料が含まれており、チェックインの際に健康ランドで使うロッカーの電磁式の鍵を受けとる。この鍵で館内で利用するサービスの支払いも行い、チェックアウト時に精算するシステムだ。とにかくまずは荷物を置きに部屋へと向かう。ホテルは周辺で最も高層建物であるため部屋からの景色は見晴らしがよく気持ちがいい。部屋もキレイで申し分ない。



④奈良健康ランド 昼
健康ランドにはホテルの1階から入場できる。平日の昼間の奈良健康ランドはそこそこの賑わいを見せていた。孫を連れた老夫婦の来場が多いようで、大浴場には皺だらけの張りの無い尻の男たちが湯の中でじっとしていたり、青い尻の孫どもが子猿のようにウロチョロしている。ヨモギ風呂や生姜薬膳風呂、ヒノキ風呂、露天風呂、濃炭酸風呂など沢山の種類の風呂をひとつひとつ楽しむことで結構な時間を潰しながら一人旅の疲れ・寂しさを癒やす。筆者は足つぼマッサージも利用した。


⑤健康ランド 平日の早朝
宿泊者のメリットはなんといっても早朝に大浴場を利用できることだ。平日の早朝は客がほとんどおらず、子猿が居ない大浴場を王様の様な心持で堪能する。しかし24時間営業している殿方の大浴場は一体いつ清掃しているのだろうか・・・という疑問は考えないようにしながら湯を愉しむ。朝方に二階の休憩ルームを覗いてみると、広大な部屋に航空機のビジネスクラスシートのような椅子がずらりと並び、そこでニンゲン達がずらりと鼾をかいて寝ている様は、確かに平和な匂いがする。ホテルではなくここで夜を明かす利用客も多いようだ。



 残念ながらこの日は大衆演劇などの催しものはなかった。健康ランドの中にも焼肉屋や居酒屋があったが、筆者は一人での入店に気後れしたので健康ランドの向かいにある大阪王将を訪ねた。“ちょっとおつまみメニュー”の中にあった麻婆豆腐がぜんぜんちょっとじゃなかった所為で、酔いがまわる前に腹がいっぱいになってしまった。それでも餃子を一人前持ち帰り、それにコンビニでお酒とつまみを買い込んで、ホテルの部屋で音楽を聴きながら再びのんびりと飲酒を再開。30代独身日本式サラリーマンの、健康ランドでの不健康な夜が更けていった。